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五体投地とツンデレ狐。
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もしやこれ、土下座案件ではなかろうか。
思い立った瞬間、しゅたっと床に手をつき、完成しました五体投地。
「勝手な真似をして申し訳ありませんでした――――ー!!」
幼女からの泣きの土下座、なかなかに貴重なものだと思う。
だが、こんなことで中塚女史に疎まれるくらいなら、素直に謝ったほうが遥かにいい。
そこにはもはやプライドなど存在しない。
信頼の置ける人脈とは、何にも代え難い宝物なのだ。
たとえ矢部先輩にドン引きされようと、部長たちに可哀想な子を見る目を受けられようと構うものか。
「……及川さん?何をそんなに謝る必要があるの?」
「え?」
――――だって、え?
「私は少しも迷惑なんてかけられてないわ。むしろお礼を言いたいのは私のほう。
少し前から、何かに見守られているような感じはあったのよね。不思議には思っていたのだけど、すっきりしたわ。どうもありがとう」
「中塚先輩……!!」
感動して顔を上げれば、その言葉通り、本当に気にしていないように柔和に微笑む中塚女史の姿が。
なんて心が広いんだ……!!最早後光が差して見える。
「でも、見守られてる……って?」
なんでわかったんだろう。中塚女史には霊感はないはずなのに。
「あぁ、それはね……」
そこまで言うと、何かを思い出したかのように、ふふっと口元に笑みを浮かべる中塚女史。
「消し忘れていたコンロの火がいつのまにか消えていたり……。
熱湯をこぼしたはずが、いつの間にか水に変わっていたり……。
あぁ、あとは消し忘れた電気やエアコンが勝手に消えていたこともあったわね」
「……マルちゃん」
――――何なのそのやたら細かいアフターフォロー。
火の消し忘れや火傷の防止はともかく、電気の消し忘れって……。
ってか、熱湯を水にって、そんな器用な真似もできたのか。
『くぅ~ん』
「ふふふ。それをみんなあなたがやってくれていたのだと思うと、なんだか素敵ね」
そっとコンロの火を止める狐。
事前に熱湯を冷ましておく狐。
エアコンを止め、電気の消し忘れを防止してくれる狐。
「なんだそのファンタジーな世界」
「確かにこの姿でそれをやってたかと考えるとおとぎ話レベルだよなぁ」
残念ならが狐の恩返しならぬ、実態は狐のストーカーだ。
最もストーカー行為を指示したのは自分なので、そこに関しての文句はない。
というか、高瀬の認識としてはマルちゃんにはただ影からそっと中塚女史を見守ってもらうだけ……のつもりだったのだが。
「なんだかんだ言って、中塚先輩のこと気に入ってたんじゃん」
ボソリといえば、頭を撫でられてゴキゲンなマルちゃんがぷいと視線をあらぬ方向へ逸らす。
あれか。
狐だけにやっぱりツンデレなのか。
「マルちゃん、君に萌え要素が満載なことだけはわかったよ……」
ある意味非常に貴重な人(?)材だ。
とにかく、結果よければ全て良し。
人によっては嫌がるだろうが、中塚女史は今回のマルちゃんの行動を好意的に捉えてくれたらしい。
「でもそれ、泥棒の仕業だとは思わなかったんですか?」
普通の人なら多分、真っ先にストーカーか泥棒の仕業かを疑うと思う。
「不思議だとは思ったけど、『助けられた』っていう意識の方が強かったわね。
それに電気関係はともかく、お湯を瞬間的に水に変える事は人間には無理なことでしょ?
部長や及川さんの話も聞いていたし、次は何が起こるのか、実は少し楽しみにしてたのよ」
なかなか体験できることでもないし、と。
「心霊現象ウェルカムでしたか……」
「怖いばかりじゃないっていうのを教えてくれたのは及川さんでしょ」
「――――なるほど」
どうやら、これまでに発生した『部長のお持ち帰りシリーズ』を面白おかしく聞かせていたのが幸いしたらしい。
なにしろハムスター⇒野鳥⇒犬⇒幼女(座敷わらし)と怖い要素ほぼゼロ。
こう考えるとむしろメルヘンかも知れない。
「部長のお持ち帰り癖も、たまには人の役に立つこともあるんですね……」
「ぷっ…!」
しみじみ言えば、再びマルちゃんにちょっかいを出そうとしていた主任がたまらないとばかりに吹き出した。
ついには腹を抱えて笑う主任に冷たい視線を送る部長。
それをおろおろ見守る矢部先輩。
何の話かよく理解できていないだけに、口を挟むことができないようだが、中塚女史が狐にとりつかれていたことを肯定的に捉えていることがどうにも納得できないらしい。
「狐憑きなんて……碌なものじゃないわよ」
狐憑き。
確かにそう言われるとものすごくオカルトチックな響きだ。
「でも矢部先輩、別にマルちゃんは中塚先輩の血筋に取り付いてるとかいうわけじゃありませんし、狐憑きっていうのはどうかと思いますよ?」
狐憑きというのは、本来であれば狐の霊を使役する憑き物筋の家を指すことが多い。
正確にいえばマルちゃんが取り憑いている(?)のは高瀬自身で、そこからさらに高瀬が命令して動かしているのだから、中塚女史に対して狐憑きというのはちょっとおかしい。
「というかそんな言葉がすぐに浮かんで来るって、矢部先輩ってもしかしてオカルト関係以外と詳しい人ですか?」
さっきの霊道の時も思ったが、嫌がっている割に妙に知識だけはある様子。
「それとも実は狐憑きとかが普通に発生するような地方の出身だったりします?」
賢治の調査で、矢部先輩の出身地も聞いたような気はするのだが、正直良く覚えていない。
「私が田舎者だって言うの!?」
「いや、そういうわけじゃないんですけど……」
じゃあ、どうしてですか?と。
問えば、眉間にシワを寄せながら、ぽつりと。
「――――自衛のためよ」と。
「自衛?」
「………何かあった時に、身を守る術を知っておいたほういいでしょ。だから調べたのよ。色々と」
「ほぉ……」
敵と戦う前にはまず相手の弱点から調べる慎重派でしたか。
実は例のファブリーズ小僧(賢治の所のバイト君)と似た者同士なのかもしれない。
そこでふと思った。
矢部先輩最大の弱点。
「中塚先輩、じゃあねずみの生態についても………」
「調べたわよっ!!弱点も、罠の仕掛け方も、生息地域もね!!」
「お~」
パチパチパチパチ。
事情を知る高瀬、そして主任の二人が矢部先輩の努力に盛大な拍手を送る。
そして相変わらず部長は興味なさげ。
これだけ頑張っているんだから、ちょっとは興味を持ってあげて欲しい。
「んじゃ、四ノ森龍一についてもその矢部先輩的オカルトリサーチで知ったんですか?」
「勝手に名前をつけないでちょうだいっ!」
ふん、と鼻息荒く文句をつけながらも、幼女姿の高瀬に対してだとどうにも気勢がそがれるのか、仕方な下げに溜息を吐くと「……その通りよ」と素直に頷く。
なるほど、ようやくすべてが繋がった。
「ねぇケンちゃん。龍一ってそんなにオカルト業界で有名なの?」
振り返って聞けば、当然というように頷く賢治。
「少し調べれば名前は簡単に出てくるぞ。……まぁ、やっかみ混じりの悪評も多いがな」
「あぁ~……」
イケメン霊能力者なんて、確かに怪しさマックスだもんな。
そう思っていれば、「ちょっと…!!」と、矢部先輩に思い切り方を揺すぶられた。
ゆらゆら揺れる頭。
やめてください矢部先輩っ。子供は頭が重いんですよっ。
「あなたっ……!!部長というものがありながら、龍一様にまで手を出したの……!?」
「「「「「龍一様!?」」」」」
それぞれトーンは違えど、四ノ森龍一という男を知るこの場の全ての人間の声がハモった。
思い立った瞬間、しゅたっと床に手をつき、完成しました五体投地。
「勝手な真似をして申し訳ありませんでした――――ー!!」
幼女からの泣きの土下座、なかなかに貴重なものだと思う。
だが、こんなことで中塚女史に疎まれるくらいなら、素直に謝ったほうが遥かにいい。
そこにはもはやプライドなど存在しない。
信頼の置ける人脈とは、何にも代え難い宝物なのだ。
たとえ矢部先輩にドン引きされようと、部長たちに可哀想な子を見る目を受けられようと構うものか。
「……及川さん?何をそんなに謝る必要があるの?」
「え?」
――――だって、え?
「私は少しも迷惑なんてかけられてないわ。むしろお礼を言いたいのは私のほう。
少し前から、何かに見守られているような感じはあったのよね。不思議には思っていたのだけど、すっきりしたわ。どうもありがとう」
「中塚先輩……!!」
感動して顔を上げれば、その言葉通り、本当に気にしていないように柔和に微笑む中塚女史の姿が。
なんて心が広いんだ……!!最早後光が差して見える。
「でも、見守られてる……って?」
なんでわかったんだろう。中塚女史には霊感はないはずなのに。
「あぁ、それはね……」
そこまで言うと、何かを思い出したかのように、ふふっと口元に笑みを浮かべる中塚女史。
「消し忘れていたコンロの火がいつのまにか消えていたり……。
熱湯をこぼしたはずが、いつの間にか水に変わっていたり……。
あぁ、あとは消し忘れた電気やエアコンが勝手に消えていたこともあったわね」
「……マルちゃん」
――――何なのそのやたら細かいアフターフォロー。
火の消し忘れや火傷の防止はともかく、電気の消し忘れって……。
ってか、熱湯を水にって、そんな器用な真似もできたのか。
『くぅ~ん』
「ふふふ。それをみんなあなたがやってくれていたのだと思うと、なんだか素敵ね」
そっとコンロの火を止める狐。
事前に熱湯を冷ましておく狐。
エアコンを止め、電気の消し忘れを防止してくれる狐。
「なんだそのファンタジーな世界」
「確かにこの姿でそれをやってたかと考えるとおとぎ話レベルだよなぁ」
残念ならが狐の恩返しならぬ、実態は狐のストーカーだ。
最もストーカー行為を指示したのは自分なので、そこに関しての文句はない。
というか、高瀬の認識としてはマルちゃんにはただ影からそっと中塚女史を見守ってもらうだけ……のつもりだったのだが。
「なんだかんだ言って、中塚先輩のこと気に入ってたんじゃん」
ボソリといえば、頭を撫でられてゴキゲンなマルちゃんがぷいと視線をあらぬ方向へ逸らす。
あれか。
狐だけにやっぱりツンデレなのか。
「マルちゃん、君に萌え要素が満載なことだけはわかったよ……」
ある意味非常に貴重な人(?)材だ。
とにかく、結果よければ全て良し。
人によっては嫌がるだろうが、中塚女史は今回のマルちゃんの行動を好意的に捉えてくれたらしい。
「でもそれ、泥棒の仕業だとは思わなかったんですか?」
普通の人なら多分、真っ先にストーカーか泥棒の仕業かを疑うと思う。
「不思議だとは思ったけど、『助けられた』っていう意識の方が強かったわね。
それに電気関係はともかく、お湯を瞬間的に水に変える事は人間には無理なことでしょ?
部長や及川さんの話も聞いていたし、次は何が起こるのか、実は少し楽しみにしてたのよ」
なかなか体験できることでもないし、と。
「心霊現象ウェルカムでしたか……」
「怖いばかりじゃないっていうのを教えてくれたのは及川さんでしょ」
「――――なるほど」
どうやら、これまでに発生した『部長のお持ち帰りシリーズ』を面白おかしく聞かせていたのが幸いしたらしい。
なにしろハムスター⇒野鳥⇒犬⇒幼女(座敷わらし)と怖い要素ほぼゼロ。
こう考えるとむしろメルヘンかも知れない。
「部長のお持ち帰り癖も、たまには人の役に立つこともあるんですね……」
「ぷっ…!」
しみじみ言えば、再びマルちゃんにちょっかいを出そうとしていた主任がたまらないとばかりに吹き出した。
ついには腹を抱えて笑う主任に冷たい視線を送る部長。
それをおろおろ見守る矢部先輩。
何の話かよく理解できていないだけに、口を挟むことができないようだが、中塚女史が狐にとりつかれていたことを肯定的に捉えていることがどうにも納得できないらしい。
「狐憑きなんて……碌なものじゃないわよ」
狐憑き。
確かにそう言われるとものすごくオカルトチックな響きだ。
「でも矢部先輩、別にマルちゃんは中塚先輩の血筋に取り付いてるとかいうわけじゃありませんし、狐憑きっていうのはどうかと思いますよ?」
狐憑きというのは、本来であれば狐の霊を使役する憑き物筋の家を指すことが多い。
正確にいえばマルちゃんが取り憑いている(?)のは高瀬自身で、そこからさらに高瀬が命令して動かしているのだから、中塚女史に対して狐憑きというのはちょっとおかしい。
「というかそんな言葉がすぐに浮かんで来るって、矢部先輩ってもしかしてオカルト関係以外と詳しい人ですか?」
さっきの霊道の時も思ったが、嫌がっている割に妙に知識だけはある様子。
「それとも実は狐憑きとかが普通に発生するような地方の出身だったりします?」
賢治の調査で、矢部先輩の出身地も聞いたような気はするのだが、正直良く覚えていない。
「私が田舎者だって言うの!?」
「いや、そういうわけじゃないんですけど……」
じゃあ、どうしてですか?と。
問えば、眉間にシワを寄せながら、ぽつりと。
「――――自衛のためよ」と。
「自衛?」
「………何かあった時に、身を守る術を知っておいたほういいでしょ。だから調べたのよ。色々と」
「ほぉ……」
敵と戦う前にはまず相手の弱点から調べる慎重派でしたか。
実は例のファブリーズ小僧(賢治の所のバイト君)と似た者同士なのかもしれない。
そこでふと思った。
矢部先輩最大の弱点。
「中塚先輩、じゃあねずみの生態についても………」
「調べたわよっ!!弱点も、罠の仕掛け方も、生息地域もね!!」
「お~」
パチパチパチパチ。
事情を知る高瀬、そして主任の二人が矢部先輩の努力に盛大な拍手を送る。
そして相変わらず部長は興味なさげ。
これだけ頑張っているんだから、ちょっとは興味を持ってあげて欲しい。
「んじゃ、四ノ森龍一についてもその矢部先輩的オカルトリサーチで知ったんですか?」
「勝手に名前をつけないでちょうだいっ!」
ふん、と鼻息荒く文句をつけながらも、幼女姿の高瀬に対してだとどうにも気勢がそがれるのか、仕方な下げに溜息を吐くと「……その通りよ」と素直に頷く。
なるほど、ようやくすべてが繋がった。
「ねぇケンちゃん。龍一ってそんなにオカルト業界で有名なの?」
振り返って聞けば、当然というように頷く賢治。
「少し調べれば名前は簡単に出てくるぞ。……まぁ、やっかみ混じりの悪評も多いがな」
「あぁ~……」
イケメン霊能力者なんて、確かに怪しさマックスだもんな。
そう思っていれば、「ちょっと…!!」と、矢部先輩に思い切り方を揺すぶられた。
ゆらゆら揺れる頭。
やめてください矢部先輩っ。子供は頭が重いんですよっ。
「あなたっ……!!部長というものがありながら、龍一様にまで手を出したの……!?」
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