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レッツ現実逃避。
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「いい加減そのネタ古いですよ、部長」
思わず真顔で突っ込んでしまった私は悪くない。
悪くないはず……なのだが、一同から向けられる何とも言えない冷たい視線に、「ん?」と首を傾げる。
「高瀬君……」
なんだろう、この主任からの失望しましたとでも言いたげな視線は。
「あれ?既にその設定がバレてるって話部長にはしてなかったんでしたっけ??」
そういえばそうかもしれないと思い至って焦るが、返ってきたのは複雑なため息のみ。
「……その話は相原から聞いてる」
「ですよねぇ?」
どうせ主任に話したことは部長に筒抜けなのだ。
ならなぜわざわざ今そんなことを言いだしたのか。
解せぬ、と理解に苦しむ高瀬だったが、さらにとんでもないことを言いだしたのは竜児だった。
「その発言は取り消していただきましょう。そもそもタカ子の占有権は僕のために存在します」
さらっと言われた発言の真意はこうである。
「お前はジャ○アンか」
そういえば以前、お前のものは俺のもの的な発言をしていたなと思いつつ、的確にツッコミを入れる。
だが敵もさるもので。
「弁護士なら、法律的に個人の占有権を主張できる関係性がなんだか、知ってるだろ?
君がその権利を行使するのは、ちょと早いんじゃない?」
法的に認められた個人に対する占有権とは、主に二つ。
親権、そして――――配偶者の権利である。
なんだか嫌な予感がするな、と直感的に感じたのは間違いではなかった。
「高瀬君、これなぁ~んだ」と。
楽しげな様子の主任が目の前にひらひらと揺らしたのは1枚の紙。
「こんいんとどけ」
思わず棒読みすれば、満面の笑顔の主任。
「そうそう。んで、この白紙の紙をちょちょっと擦ると、あら不思議」
「!?」
突然のマジックショーに目を丸くするも、大切なのはそこではない。
「部長!?」
思わず部長を凝視すれば、「こんな予定じゃなかった」とでもいいたげな渋いお顔が。
「あの……部長の名前が記入済みのようにおみかけするんですが」
相手方は潔く空白である。
「………」
「えっと……ご結婚なさるんですか?オメデトウゴザイマス?」
なんだかよくわからないまま、「御悔やみ申し上げます」と全く同じテンションで言い切った高瀬だったが、遠慮と容赦の二つをどこかに置き忘れてきた主任の追撃はつづく。
龍一と竜児、二人の「何してくれてんだお前」的な視線を完無視し、ぺしりと婚姻届を高瀬の額に貼り付け、「はい、これ万年筆と朱肉ね」って…………。
ちょっと待てや。
やっぱり相手は私か。
「主任………いくらなんでも結婚相手くらい部長にも自由に選ばせてあげてくださいよ」
「選んだ結果こうなったんだって……。だからはい」
「さらっと人の拇印押すのやめて貰えます!?
」
ここは逃げるしかないと判断した高瀬。
心のオアシス(中塚女史)目掛けて逃亡を決め込もうとするが、それよりも一歩早く、伸びてきた部長の腕に拘束される。
ふだんならそこで大人しくなるところだが、今回ばかりは話が別だ。
至近距離まで接近したのを良いことに、部長の胸ぐらをガクガクと揺する。
(……まぁ、両者の力関係により実際にはほとんどすがり付いているだけなのだが)
「部長!いい加減主任の暴走を止めないと大変なことになりますよ!主に私が部長の扶養家族に入ります!」
これは一大事だと訴えたのだが、部長の答えは「かまわない」の一言で……。
「え?」
「だから、かまわないと言ってるんだ」
真顔で聞き返したら真顔で返された。
何度も言わせるなという顔だが、ここは大事な所です。
「……………養ってくれるんですか?」
部長が。私を。
「そこはせめて«プロポーズですか?»って聞くところなんじゃないかな、高瀬君」
プロポーズ。
「ーー正気ですか」
問いかけたのは高瀬ではない。
確かに心の中で全く同じことを思っていたりするが、口に出した覚えはない。
つまりはだ。
「竜児がそれを言ったらおしまいでしょ」
うん。最近見たな、同じ紙。
「僕はいいんですよ、僕は。
ただの上司であるはずの人物が突然そんなものを持ち出してきたことに対して正気かと聞いてるんです」
意外と正論だった。
棚上げしてる感はあるが、概ね同意。
「とにかくその腕を離しては?それ以上の行動は部下へのハラスメント行為として警告させていただきますよ」
「………それに関しちゃ、俺も同意だな」
珍しく息のあったドラゴンコンビ。
「一体いつまでこの茶番を続けるつもりだ?いい加減飽き飽きだ」
「………ならさっさとお帰りいただいて結構なんだけどね」
「ソイツを寄越すならいくらでも帰ってやるよ」
及川高瀬、テイクアウトを希望されている模様です。
私のために争わないでー!!と、ヒロインよろしく叫びたい所だが、生憎このシチュエーションは完全に"大岡裁き"のワンシーン。
子供の親権を巡って二人の母親が子供の腕を引っ張りあう場面だ。
「先に手を離した方が本当の母親………!」
「残念ながらこの場合それは適応されないと思うよ?漁夫の利って知ってる?」
漁夫の利、つまり当事者同士が睨みあっているうちに第三者が横からかっさらっていく事を言う。
「油断したら持ってかれるのわかってて離すわけないでしょ」
「それでいうと私は真っ二つになるんですが」
「むしろそこは三分割じゃないかしら…?」
竜児、龍一、部長であら本当……じゃなくて。
「リアルに考えるのはやめてくださいっ」
とうとう中塚女史まで口を挟んできたのだが。
一体なぜこうなった。
「僕はタカ子を誰かと分けあうつもりはありませんよ。…………少なくともあなた方とは」
付け足された言葉の意味を知るのは高瀬のみ。
「う~ん」
どうにも収集のつかない現場に、刑事ドラマの古畑よろしくペンと自らの額を叩く。
「え~っとですね。私が言うのも何ですけど、そんな取り合うほどのものでもないと思うので、ここは一旦落ち着きません?」
己の価値は己が一番よく知っている。
なぜ急にこんな状態になったのかは謎だか、話せばわかるはず。(竜児以外)
「竜児が結婚って言い出すのは前からなんで置いておくとして……部長は責任のある立場なんだから、そんな事を簡単に口にしちゃいけないと思いますよ」
ただでさえ婚約者云々と言う話がでているというのに……。
「主任も悪ふざけはそこまでにしてください」
いい加減真剣な顔で苦情を申し立てる高瀬。
「悪ふざけじゃないよ」
にこりともせず言われたと同時に、ぴらりと目の前に見覚えのある紙がもう一枚。
「なんならこっちにサインしてくれても良い位なんだけど」
差し出されたのは一見してまったく同じ婚姻届。
違うのはその署名が部長ではなく主任に変わっていることか。
……はい?
「主任………?」
だからふざけるのもいい加減に、といいかけた高瀬の前で、先に睨みあったのは二人。
「……相原。どういうつもりだ?」
静かな問いかけに肩をすくめる主任。
「なんだか埒が明かなそうだから、こういうのもありかなと思ってさ。
………高瀬君、もううちに嫁に来ちゃえば?」
「正気ですか」
今度は高瀬が即答した。
「本気本気。株もやってるし給料も悪くないから、今ならマイホームとペットもつけるよ。
更に今なら死亡保険金が三千万ついてくるし」
だからさ、と。
「まずはここにサインしようか」
「押し売りは間に合ってます」
「そこをなんとか」
「いや結構です」
恐るべし悪徳商法!!
一見してお得しかないように感じるのが怖い。
深夜のテンションならついついサインしてしまうかもしれない。
だがしかし。
ここは声を大にして訴えたい。
「誰一人としてまともにプロポーズしてくれないのは何故!?」
中塚女史、「これじゃ四分割ね」と冷静にツッコんでる場合じゃありません。
そして人はそれを八つ裂きと呼びます………じゃなくて。
助けてくださーーーーーーーい!!
思わず真顔で突っ込んでしまった私は悪くない。
悪くないはず……なのだが、一同から向けられる何とも言えない冷たい視線に、「ん?」と首を傾げる。
「高瀬君……」
なんだろう、この主任からの失望しましたとでも言いたげな視線は。
「あれ?既にその設定がバレてるって話部長にはしてなかったんでしたっけ??」
そういえばそうかもしれないと思い至って焦るが、返ってきたのは複雑なため息のみ。
「……その話は相原から聞いてる」
「ですよねぇ?」
どうせ主任に話したことは部長に筒抜けなのだ。
ならなぜわざわざ今そんなことを言いだしたのか。
解せぬ、と理解に苦しむ高瀬だったが、さらにとんでもないことを言いだしたのは竜児だった。
「その発言は取り消していただきましょう。そもそもタカ子の占有権は僕のために存在します」
さらっと言われた発言の真意はこうである。
「お前はジャ○アンか」
そういえば以前、お前のものは俺のもの的な発言をしていたなと思いつつ、的確にツッコミを入れる。
だが敵もさるもので。
「弁護士なら、法律的に個人の占有権を主張できる関係性がなんだか、知ってるだろ?
君がその権利を行使するのは、ちょと早いんじゃない?」
法的に認められた個人に対する占有権とは、主に二つ。
親権、そして――――配偶者の権利である。
なんだか嫌な予感がするな、と直感的に感じたのは間違いではなかった。
「高瀬君、これなぁ~んだ」と。
楽しげな様子の主任が目の前にひらひらと揺らしたのは1枚の紙。
「こんいんとどけ」
思わず棒読みすれば、満面の笑顔の主任。
「そうそう。んで、この白紙の紙をちょちょっと擦ると、あら不思議」
「!?」
突然のマジックショーに目を丸くするも、大切なのはそこではない。
「部長!?」
思わず部長を凝視すれば、「こんな予定じゃなかった」とでもいいたげな渋いお顔が。
「あの……部長の名前が記入済みのようにおみかけするんですが」
相手方は潔く空白である。
「………」
「えっと……ご結婚なさるんですか?オメデトウゴザイマス?」
なんだかよくわからないまま、「御悔やみ申し上げます」と全く同じテンションで言い切った高瀬だったが、遠慮と容赦の二つをどこかに置き忘れてきた主任の追撃はつづく。
龍一と竜児、二人の「何してくれてんだお前」的な視線を完無視し、ぺしりと婚姻届を高瀬の額に貼り付け、「はい、これ万年筆と朱肉ね」って…………。
ちょっと待てや。
やっぱり相手は私か。
「主任………いくらなんでも結婚相手くらい部長にも自由に選ばせてあげてくださいよ」
「選んだ結果こうなったんだって……。だからはい」
「さらっと人の拇印押すのやめて貰えます!?
」
ここは逃げるしかないと判断した高瀬。
心のオアシス(中塚女史)目掛けて逃亡を決め込もうとするが、それよりも一歩早く、伸びてきた部長の腕に拘束される。
ふだんならそこで大人しくなるところだが、今回ばかりは話が別だ。
至近距離まで接近したのを良いことに、部長の胸ぐらをガクガクと揺する。
(……まぁ、両者の力関係により実際にはほとんどすがり付いているだけなのだが)
「部長!いい加減主任の暴走を止めないと大変なことになりますよ!主に私が部長の扶養家族に入ります!」
これは一大事だと訴えたのだが、部長の答えは「かまわない」の一言で……。
「え?」
「だから、かまわないと言ってるんだ」
真顔で聞き返したら真顔で返された。
何度も言わせるなという顔だが、ここは大事な所です。
「……………養ってくれるんですか?」
部長が。私を。
「そこはせめて«プロポーズですか?»って聞くところなんじゃないかな、高瀬君」
プロポーズ。
「ーー正気ですか」
問いかけたのは高瀬ではない。
確かに心の中で全く同じことを思っていたりするが、口に出した覚えはない。
つまりはだ。
「竜児がそれを言ったらおしまいでしょ」
うん。最近見たな、同じ紙。
「僕はいいんですよ、僕は。
ただの上司であるはずの人物が突然そんなものを持ち出してきたことに対して正気かと聞いてるんです」
意外と正論だった。
棚上げしてる感はあるが、概ね同意。
「とにかくその腕を離しては?それ以上の行動は部下へのハラスメント行為として警告させていただきますよ」
「………それに関しちゃ、俺も同意だな」
珍しく息のあったドラゴンコンビ。
「一体いつまでこの茶番を続けるつもりだ?いい加減飽き飽きだ」
「………ならさっさとお帰りいただいて結構なんだけどね」
「ソイツを寄越すならいくらでも帰ってやるよ」
及川高瀬、テイクアウトを希望されている模様です。
私のために争わないでー!!と、ヒロインよろしく叫びたい所だが、生憎このシチュエーションは完全に"大岡裁き"のワンシーン。
子供の親権を巡って二人の母親が子供の腕を引っ張りあう場面だ。
「先に手を離した方が本当の母親………!」
「残念ながらこの場合それは適応されないと思うよ?漁夫の利って知ってる?」
漁夫の利、つまり当事者同士が睨みあっているうちに第三者が横からかっさらっていく事を言う。
「油断したら持ってかれるのわかってて離すわけないでしょ」
「それでいうと私は真っ二つになるんですが」
「むしろそこは三分割じゃないかしら…?」
竜児、龍一、部長であら本当……じゃなくて。
「リアルに考えるのはやめてくださいっ」
とうとう中塚女史まで口を挟んできたのだが。
一体なぜこうなった。
「僕はタカ子を誰かと分けあうつもりはありませんよ。…………少なくともあなた方とは」
付け足された言葉の意味を知るのは高瀬のみ。
「う~ん」
どうにも収集のつかない現場に、刑事ドラマの古畑よろしくペンと自らの額を叩く。
「え~っとですね。私が言うのも何ですけど、そんな取り合うほどのものでもないと思うので、ここは一旦落ち着きません?」
己の価値は己が一番よく知っている。
なぜ急にこんな状態になったのかは謎だか、話せばわかるはず。(竜児以外)
「竜児が結婚って言い出すのは前からなんで置いておくとして……部長は責任のある立場なんだから、そんな事を簡単に口にしちゃいけないと思いますよ」
ただでさえ婚約者云々と言う話がでているというのに……。
「主任も悪ふざけはそこまでにしてください」
いい加減真剣な顔で苦情を申し立てる高瀬。
「悪ふざけじゃないよ」
にこりともせず言われたと同時に、ぴらりと目の前に見覚えのある紙がもう一枚。
「なんならこっちにサインしてくれても良い位なんだけど」
差し出されたのは一見してまったく同じ婚姻届。
違うのはその署名が部長ではなく主任に変わっていることか。
……はい?
「主任………?」
だからふざけるのもいい加減に、といいかけた高瀬の前で、先に睨みあったのは二人。
「……相原。どういうつもりだ?」
静かな問いかけに肩をすくめる主任。
「なんだか埒が明かなそうだから、こういうのもありかなと思ってさ。
………高瀬君、もううちに嫁に来ちゃえば?」
「正気ですか」
今度は高瀬が即答した。
「本気本気。株もやってるし給料も悪くないから、今ならマイホームとペットもつけるよ。
更に今なら死亡保険金が三千万ついてくるし」
だからさ、と。
「まずはここにサインしようか」
「押し売りは間に合ってます」
「そこをなんとか」
「いや結構です」
恐るべし悪徳商法!!
一見してお得しかないように感じるのが怖い。
深夜のテンションならついついサインしてしまうかもしれない。
だがしかし。
ここは声を大にして訴えたい。
「誰一人としてまともにプロポーズしてくれないのは何故!?」
中塚女史、「これじゃ四分割ね」と冷静にツッコんでる場合じゃありません。
そして人はそれを八つ裂きと呼びます………じゃなくて。
助けてくださーーーーーーーい!!
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