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第五十話・おかえり
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ニケたちがスミの仕事場に帰ってきたのは夕方になってからだ。
帰ってこなくていいのに、と言いたそうな表情のスミが出迎える。
「春夏秋冬(ひととせ)に行ってたの? へえー。……かなりもてなしてもらったみたいだな」
「なっ、なぜ、分かるんです?」
「……はは」
お肌がつやっつやになっているふたりに、スミは羨ましいような呆れたような様子で耳を垂らす。
「そうなんですよ。豪華な食事に小さいですけどお風呂まで。はぁ~」
フリーは窮屈そうに足を畳んで湯に浸かって、ニケはフリーの腹の上に座りずっと引っ付いていた。
『ニケの宿のお風呂の方が広くていいね』
『だから、比較して褒めるのをやめい』
思い出して顔を緩めるフリーに、アイスピックに似た器具を投げつけたくなった。
好きでやっていることとはいえこっちは汗だく毛まみれで作業しているのに、お風呂に入ってさっぱりしたヒトが帰ってきたら非常にイラつく。
スミは一枚の紙を取り出す。
「ところで、さっき届いたわ。今から行きますっていう手紙」
「あ、僕が書いたやつですね。スミさん、あの……急に来たのに迷惑をかけてすみませんでした。これ、お礼です」
「え?」
小さな手が差し出す包みを受け取る。かなり重く、床に落としそうになった。
「な、何が入ってんの? これ」
「千鶴白菜です。ベリ子さん……春夏秋冬のおばば様がお土産に風呂敷ごとくれたんです」
亜麻の花柄の風呂敷を解くと大きな白菜がごろごろと出てきた。四つも入っていた。これを持っていたニケに驚く。
『ロロロォ!』
スミの背中に乗っかり、花子が期待の眼差し(眼球どこ?)を向ける。興奮しているのか、落ち着きなくスミと白菜の周りをうろうろする。無暗に突進してこなくなったということは、躾の効果があったということだ。花子は成長したな。これは負けていられないぞ。
ほほ笑ましく思い、花子にしがみついている変態を引き剥がし、ついでに尻を蹴ってから白菜を倉庫に仕舞う。
「ありがとうな、ニケ。でもいいのか? 本当にもらっちまって。もう返さないけど」
「はい。ちょっとここに来てからというもの、他者から善意を受け取りすぎました。ヒトってちやほやされすぎると勘違いを起こして、わがままな人格になりやすいって祖父から聞いて……。なので、その善意(白菜)はスミさんに。初日から迷惑をかけたのに、ありがとうございます」
「……」
そういう考えが出来るニケは人格面が歪んだりはしないと思うが、くれるというなら貰っておこう。
頭を下げるニケの隣で、尻を摩りながらフリーは土下座する。別に脅しをかけてまでスミを巻き込んだことに対する謝罪ではない。ニケが頭を下げているから、である。
「ありがとう、スミさん」
(この子はなんで土下座してるの? こわっ……)
フリーを見ないようにしてニケの頭に手を置く。黒髪はさらっさらになっていて、いつもより長めに撫でた。
「帰りはどうすんの? 紅葉街行きの馬車なら一日に何本も出ているけど?」
ニケはチラッとフリーを見る。まだ頭を下げていたので、その背中に座った。座り心地いいな。
「ニケさん?」
「歩いて帰りたいですけど、フリーの体力が続かないのでそうしようと思います。馬車停の場所を教えてもらえませんか?」
「いいよ。……もう帰っちゃうのか。ニケにはもっと自分の仕事している姿を見ていってほしかったな」
「ニケだけ?」
フリーはのんきに自身の顔を指差す。
「俺は?」
「一刻も早く帰れ」
泣き出す椅子の背中をポンポンと叩き、ニケは青い目を見上げる。
「帰るので仕事をしている背中は見られませんけど、大会は絶対に応援に行きますからね」
目線を合わせるようにしゃがむと、スミはにこっと笑ってくれた。
「ああ。待ってるよ。絶対優勝してみせるからな。なんせ将来の義弟だし? いいとこ見せないとな」
冗談めかして言うスミに、ニケもくすっとほほ笑む。
「それは楽しみです」
「ニケは嫁にはやりませんからね!」
「話に入ってくんな、椅子」
またフリーとスミさんが楽しそうに言い合いを始めたので、ニケは花子にお別れの挨拶をすることにした。花子はニケを前にすると震え出す。
「元気でな? お花。スミさんの言う事をよく聞くんだぞ?」
『ロ……ロロォ……』
次会う時、花子がどんな姿になっているのかが楽しみだ。
帰りは普通の馬車で数日かけてのんびりと紅葉街へと帰った。
別れ際、スミにこれでもかとふたりで抱きついておいた。俺だけ蹴られたのが納得いかない。
安い馬車なので客ですし詰め状態。仕方ないのでニケは膝の上に座りずっとフリーにくっついていた。狭いし、することないから、仕方ないな。うん。
隣に座ったおばちゃんと話をしたり、休憩時には必ず体操をして身体をほぐしたり。桃百(もももも)村でご飯を食べ、フリーの腕の中で眠る。充実した日々だった。がたがたと揺れてフリーは酔っていたが、ずっとくっついていられる環境は魅力的。
でもそれもお終い。
馬車は紅葉街へ到着した。
「また乗ってけろ~」
フリーたちと入れ替わりに、首都行への客を乗せた御者のおじさんが手を振って藍結へと帰っていく。
痛そうに尻を摩っているフリーを引きつれ、藍色な街を歩く。
「ケツいってぇ……」
「竜車が快適過ぎたな」
いくつかお土産も買ったので渡しに行きたいが、竜の屋敷に入る度胸が無い。翁に渡しておけばいいかな? 敷地内にある井戸に水を汲みに行ける街人たちはどうなってんだ。
行きたいところは多々あるが、まずは翁に帰ってきた報告をするべきだろう。
くすりばこが見えてくると「帰ってきた」という気になる。
「キミカゲさん。元気にしていたかな? ニケがいなくなって気落ちしすぎて病気になってないかな」
「お前さんじゃあるまいし。それより僕は、またくすりばこが散らかっていないかが心配だ」
痛む胃のあたりを押さえる。何日も馬車で揺られていたのだ。動くよりじっとしている方がニケは疲れる。帰ると何もせず横になりたい。
フリーも前回の惨状を思い出したのか、表情を引きつらせている。
「だ、大丈夫じゃない? ほら。俺たちが来る前からキミカゲさんは一人暮らししていたんだし。本当は片付け出来るんだよきっと」
「そうなんだよなぁ。僕らが来る前は一体、掃除と片づけをどうしていたのか、今も謎なんだよ」
推測だが、黒羽織の面々が週一くらいでお掃除しに来ていたと睨んでいる。でないとゴミ屋敷になっていてもおかしくない。
前回、海に行ったときは散らかっていたが、花子ですら成長したんだ。翁だって……。
くすりばこの前に立つと、ふたりは覚悟を決める。
「ただいまかえりました~」
そろっと戸を開け、中を覗く。営業中らしくキミカゲと患者さんが一対一で話していた。いつもの光景にホッとし――物が散乱している床を見て肩を落とす。
患者さんもたまに視線を床にちらちら向けている。それに気づかずフリーたちに気づいたおじいちゃんは、ぱあっと花を咲かせ膝立ちになった。
ぶんぶんと手を振る。
「お、あっ! フリー君じゃないか。おかえり」
「僕もいますよ」
視界に入ろうと、拗ねた顔でフリーの肩によじ登る。
「うんうん。ニケ君もおかえりおかえり」
嬉しさのあまり患者さんをほったらかし、両手を広げて駆け寄ってくる。
「寂しかったよ~。会いたかったよふたりと……うあっ?」
転がっていた木の実を踏んずけてしまい、翁は前のめりに倒れかける。
「あぶな、いっ?」
それを受け止めようとしたフリーだが玄関の段差でつまずき畳にダイブした。
「おぐっ?」
「わうっ?」
その反動で肩から投げ出されたニケは、ぽすんと患者さんの膝の上に尻から落ちる。
「「「……」」」
転んだまま動かない二人と、なぜか膝の上にいる赤犬の子。
「……」
患者さんはその全てを見ないふりをして天井を仰いだ。
ニケたちがスミの仕事場に帰ってきたのは夕方になってからだ。
帰ってこなくていいのに、と言いたそうな表情のスミが出迎える。
「春夏秋冬(ひととせ)に行ってたの? へえー。……かなりもてなしてもらったみたいだな」
「なっ、なぜ、分かるんです?」
「……はは」
お肌がつやっつやになっているふたりに、スミは羨ましいような呆れたような様子で耳を垂らす。
「そうなんですよ。豪華な食事に小さいですけどお風呂まで。はぁ~」
フリーは窮屈そうに足を畳んで湯に浸かって、ニケはフリーの腹の上に座りずっと引っ付いていた。
『ニケの宿のお風呂の方が広くていいね』
『だから、比較して褒めるのをやめい』
思い出して顔を緩めるフリーに、アイスピックに似た器具を投げつけたくなった。
好きでやっていることとはいえこっちは汗だく毛まみれで作業しているのに、お風呂に入ってさっぱりしたヒトが帰ってきたら非常にイラつく。
スミは一枚の紙を取り出す。
「ところで、さっき届いたわ。今から行きますっていう手紙」
「あ、僕が書いたやつですね。スミさん、あの……急に来たのに迷惑をかけてすみませんでした。これ、お礼です」
「え?」
小さな手が差し出す包みを受け取る。かなり重く、床に落としそうになった。
「な、何が入ってんの? これ」
「千鶴白菜です。ベリ子さん……春夏秋冬のおばば様がお土産に風呂敷ごとくれたんです」
亜麻の花柄の風呂敷を解くと大きな白菜がごろごろと出てきた。四つも入っていた。これを持っていたニケに驚く。
『ロロロォ!』
スミの背中に乗っかり、花子が期待の眼差し(眼球どこ?)を向ける。興奮しているのか、落ち着きなくスミと白菜の周りをうろうろする。無暗に突進してこなくなったということは、躾の効果があったということだ。花子は成長したな。これは負けていられないぞ。
ほほ笑ましく思い、花子にしがみついている変態を引き剥がし、ついでに尻を蹴ってから白菜を倉庫に仕舞う。
「ありがとうな、ニケ。でもいいのか? 本当にもらっちまって。もう返さないけど」
「はい。ちょっとここに来てからというもの、他者から善意を受け取りすぎました。ヒトってちやほやされすぎると勘違いを起こして、わがままな人格になりやすいって祖父から聞いて……。なので、その善意(白菜)はスミさんに。初日から迷惑をかけたのに、ありがとうございます」
「……」
そういう考えが出来るニケは人格面が歪んだりはしないと思うが、くれるというなら貰っておこう。
頭を下げるニケの隣で、尻を摩りながらフリーは土下座する。別に脅しをかけてまでスミを巻き込んだことに対する謝罪ではない。ニケが頭を下げているから、である。
「ありがとう、スミさん」
(この子はなんで土下座してるの? こわっ……)
フリーを見ないようにしてニケの頭に手を置く。黒髪はさらっさらになっていて、いつもより長めに撫でた。
「帰りはどうすんの? 紅葉街行きの馬車なら一日に何本も出ているけど?」
ニケはチラッとフリーを見る。まだ頭を下げていたので、その背中に座った。座り心地いいな。
「ニケさん?」
「歩いて帰りたいですけど、フリーの体力が続かないのでそうしようと思います。馬車停の場所を教えてもらえませんか?」
「いいよ。……もう帰っちゃうのか。ニケにはもっと自分の仕事している姿を見ていってほしかったな」
「ニケだけ?」
フリーはのんきに自身の顔を指差す。
「俺は?」
「一刻も早く帰れ」
泣き出す椅子の背中をポンポンと叩き、ニケは青い目を見上げる。
「帰るので仕事をしている背中は見られませんけど、大会は絶対に応援に行きますからね」
目線を合わせるようにしゃがむと、スミはにこっと笑ってくれた。
「ああ。待ってるよ。絶対優勝してみせるからな。なんせ将来の義弟だし? いいとこ見せないとな」
冗談めかして言うスミに、ニケもくすっとほほ笑む。
「それは楽しみです」
「ニケは嫁にはやりませんからね!」
「話に入ってくんな、椅子」
またフリーとスミさんが楽しそうに言い合いを始めたので、ニケは花子にお別れの挨拶をすることにした。花子はニケを前にすると震え出す。
「元気でな? お花。スミさんの言う事をよく聞くんだぞ?」
『ロ……ロロォ……』
次会う時、花子がどんな姿になっているのかが楽しみだ。
帰りは普通の馬車で数日かけてのんびりと紅葉街へと帰った。
別れ際、スミにこれでもかとふたりで抱きついておいた。俺だけ蹴られたのが納得いかない。
安い馬車なので客ですし詰め状態。仕方ないのでニケは膝の上に座りずっとフリーにくっついていた。狭いし、することないから、仕方ないな。うん。
隣に座ったおばちゃんと話をしたり、休憩時には必ず体操をして身体をほぐしたり。桃百(もももも)村でご飯を食べ、フリーの腕の中で眠る。充実した日々だった。がたがたと揺れてフリーは酔っていたが、ずっとくっついていられる環境は魅力的。
でもそれもお終い。
馬車は紅葉街へ到着した。
「また乗ってけろ~」
フリーたちと入れ替わりに、首都行への客を乗せた御者のおじさんが手を振って藍結へと帰っていく。
痛そうに尻を摩っているフリーを引きつれ、藍色な街を歩く。
「ケツいってぇ……」
「竜車が快適過ぎたな」
いくつかお土産も買ったので渡しに行きたいが、竜の屋敷に入る度胸が無い。翁に渡しておけばいいかな? 敷地内にある井戸に水を汲みに行ける街人たちはどうなってんだ。
行きたいところは多々あるが、まずは翁に帰ってきた報告をするべきだろう。
くすりばこが見えてくると「帰ってきた」という気になる。
「キミカゲさん。元気にしていたかな? ニケがいなくなって気落ちしすぎて病気になってないかな」
「お前さんじゃあるまいし。それより僕は、またくすりばこが散らかっていないかが心配だ」
痛む胃のあたりを押さえる。何日も馬車で揺られていたのだ。動くよりじっとしている方がニケは疲れる。帰ると何もせず横になりたい。
フリーも前回の惨状を思い出したのか、表情を引きつらせている。
「だ、大丈夫じゃない? ほら。俺たちが来る前からキミカゲさんは一人暮らししていたんだし。本当は片付け出来るんだよきっと」
「そうなんだよなぁ。僕らが来る前は一体、掃除と片づけをどうしていたのか、今も謎なんだよ」
推測だが、黒羽織の面々が週一くらいでお掃除しに来ていたと睨んでいる。でないとゴミ屋敷になっていてもおかしくない。
前回、海に行ったときは散らかっていたが、花子ですら成長したんだ。翁だって……。
くすりばこの前に立つと、ふたりは覚悟を決める。
「ただいまかえりました~」
そろっと戸を開け、中を覗く。営業中らしくキミカゲと患者さんが一対一で話していた。いつもの光景にホッとし――物が散乱している床を見て肩を落とす。
患者さんもたまに視線を床にちらちら向けている。それに気づかずフリーたちに気づいたおじいちゃんは、ぱあっと花を咲かせ膝立ちになった。
ぶんぶんと手を振る。
「お、あっ! フリー君じゃないか。おかえり」
「僕もいますよ」
視界に入ろうと、拗ねた顔でフリーの肩によじ登る。
「うんうん。ニケ君もおかえりおかえり」
嬉しさのあまり患者さんをほったらかし、両手を広げて駆け寄ってくる。
「寂しかったよ~。会いたかったよふたりと……うあっ?」
転がっていた木の実を踏んずけてしまい、翁は前のめりに倒れかける。
「あぶな、いっ?」
それを受け止めようとしたフリーだが玄関の段差でつまずき畳にダイブした。
「おぐっ?」
「わうっ?」
その反動で肩から投げ出されたニケは、ぽすんと患者さんの膝の上に尻から落ちる。
「「「……」」」
転んだまま動かない二人と、なぜか膝の上にいる赤犬の子。
「……」
患者さんはその全てを見ないふりをして天井を仰いだ。
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