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第四十話・走馬灯
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「フロリア様。一番厄介な貴方様の対処を、していないとお思いかな?」
ニタニタと笑い、草履で全身傷だらけのミナミの横顔を踏みつける。動けばこの者の頭を踏み砕くという脅し。貝殻柄の布がほどけ、彼の水晶突起が露わになっていた。
「くっ」
人質を取られては動けない。白い手に血が滲むほど拳を強く握り締める。
ミナミの頭部を見たヒスイが、おやっと興味深そうに眺めた。
「ん? おや、えーっと。なんだったかな……。そうそう! 無貝(むかい)族だったか。通りで愛嬌があるわけだ」
指示を待っている人形のように、黒猿たちもミナミを押さえつけたまま動かない。
踏みつけたまましゃがむと、ヒスイはミナミの頭部に手を伸ばす。
「……ん…っ」
ごつい手が、敏感な部位を無遠慮に掴む。声を上げるまいと唇を噛みしめるミナミに、気を良くしたヒスイは手の動きを速くする。
「んん? ほれほれ。そう我慢せずともよい」
「…………んっ……あ……」
悩ましげな声を上げ、ミナミの身体がびくりと震える。
「これはいい。このまま皆様の眼前で嬲ってやろう」
ホクトが背中の包みに手を伸ばす。すぐさまヒスイが意地の悪い挑戦的な目を向けてくるが、彼は構わずそれを掴んだ。
「ホクトさん? ミナミさんが」
人質にされているというのに。
まったく構わないと言いたげな表情の彼に、フリーは思わず縋り付いて止める。
「フリーさん。お構いなく」
「構いますよ!」
愕然としつつ、よろよろとフリーが離れる。このヒト、青真珠村でもそうだったがミナミに容赦なさすぎではなかろうか。
「ヒスイとやら。それを殺すなら殺すがいい。だが、お前の命はそれまでっす」
強がりを、と嘲笑うヒスイの表情が徐々に青ざめ、ひくひくと口元が引き攣っていく。
「まさか、貴方様は。その黒の羽織は!」
気づいたのか、ヒスイが目を見開く。黒の羽織は竜の子分の証。それを殺すということは、オキンに喧嘩を売ると同義。間違いなくヒスイはこの世から消える。
まだ死にたくないらしい。ヒスイは明らかに動揺した。
今しかない。
「走れ!」
刀を呼ばずに黒雷だけを落として、自身を強化するフリーの魔九来来(まくらら)。ピシャアと空を裂くような音と共に、特殊な雷がフリーに落ちる。もちろん頭上で陣取っていた鞠虫(まりむし)を、完全に黒焦げにして。
煙を上げる魔蟲が地面に落ち、灰のように崩れた。
「――なんっ」
衝撃波から腕で顔を庇うホクトが目を開けた時には、フリーはヒスイの腹を蹴り上げていた。
電光石火の一撃。
「ぐぼっっっ」
口から血を吐き木に叩きつけられる。派手に揺らされた木が、ぼとぼととヒスイの身体に木の実を落とす。
だが、同時にフリーも顔を歪める。
――硬いっ。
全身が筋肉に覆われているヒスイ。分厚いゴムを蹴ったような感触だ。強化をかけていなかったら足が駄目になるところだった。このまま殴っていたら、四肢が使い物にならなくなる。
ならば、手甲のようなもので覆えばいい。
「落ちよ!」
「……ごほっ。くそっ」
ヒスイが刀召喚を妨害しようと動くが、一手遅い。
凄まじい速度で降ってきた刀。その落雷じみた衝撃で持ち主もヒスイも魔獣もバランスを崩し、ミナミに至っては地面をころころと転がされる羽目になった。
その全てをお構いなしに手足に纏わりつき、手甲と具足に姿を変える。
「この刀……。まあいっか」
忌々し気に手甲を睨むも、今はヒスイと黒チンパンジーをどうにかするが先決。
呼雷針(こらいしん)第二形態・雷鎧(らいかい)。
鎧と言っても、腕と脚しか守ってくれないけれど。
攻撃範囲は基本形態に劣るが、珍しく使い手を守る構造にもなっている。まあ、残念なことに鬼にはあまり通用しなかったが。
(呼雷針は悪くない。俺自身が、弱すぎるんだ)
ぎゅううっと拳を握る。
なんとか上体を起こしたミナミがフリーの謎の力に驚きつつも、立ち上がろうと苦戦している。さっとホクトが近づき、肩を貸すと邪魔にならないよう離れていく。……邪魔? 彼は弱いんだ。一緒に戦うべきだろう。何故俺は、
ふと疑問が浮かぶも、ミナミがかすれた声を出す。
「なんでしょう……? フリーさんのあれ。まさか魔九……?」
「その前に怪我の状態を報告しろ」
どさっと血濡れのミナミを墓石の近くに落とすと、ホクトの耳に鉄を殴りつけたような轟音が届いた。
「えっ」
振り向くと、フリーの拳がヒスイにめり込んでいるところだった。――いや、違う。ヒスイは錫杖で直撃を防いでいる。
同じ魔研の仲間が拵えた、特殊な金属の錫杖。重いが鉄の何倍もの強度を誇る。容易く曲げられはしない。これがないと、ヒスイは奪った魔九来来の一切を使用できないのだ。ゆえに手放さない。
「ぐ、お、おおおおおっ」
ヒスイの足が、ごりごりと地面をえぐって後ろへと轍を刻む。呆れたことに、この鍛え上げられた肉体をもってしても、威力を殺しきれない。手甲に包まれているとはいえ、細枝のような拳の一撃が。
(やはり身体強化! フロリア様も、複数のっ……!)
そこで、ヒスイの身体が後ろへ飛んだ。
背中に硬い木の感触。それも一瞬のことで、激甚たる痛みと共に破壊音が響き、
『ギュイイッ』
自身が呼び寄せた魔獣の声を遠くに聞きながら、ヒスイは夏エリア外へとぶっ飛ばされる。
「……ぐっ」
このままでは木々や地面との入れ代わり立ち代わりの衝撃に、肉体が耐えきれないはずだ。どれほど鍛えようと、ヒスイは鬼に成れないのだ。物言わぬ挽肉になって終いだろう。その顛末を悟ったヒスイは、苦痛と酸欠に喘ぎながらも魔獣に指示を出す。
「わしを守れ!」
錫杖を中心に、新たに召喚された黒亡手長猿(こくぼうてながざる)たち。凄まじい速度で吹き飛ぶヒスイにしがみつき、彼を守るようにその身体を覆い尽くしていく。数体の黒亡手長猿がヒスイを包み込み、黒い球体と化した直後。木立に激突し、折り飛ばし、それを数回繰り返してから、ヒスイの身体は地面に跳ねた。
「……ッ」
雪と冷えた腐葉土が巻き上げられ、辺りに降り注ぐ。優しげな顔を苦痛に歪めつつも、ヒスイは身を起こす。彼の盾となった魔獣は挽肉と化し、ヘルメット代わりに頭を守っていた鞠虫は液状化していた。緑色の体液が、血のようにヒスイの頭から顎に流れる。頑丈な魔獣を盾に使っても砕けた足。錫杖で身体を支え、無理矢理歩こうとする。
「は、はは……。変形する刀など、お、面白いでは」
ないですか。そう続けようとしたヒスイの眼前に、感情のない見開かれた金緑の目が現れる。
フリーはすでに、拳を振りかぶっていた。
――死。
ヒスイの頭に、幼い頃の映像が流れる。走馬灯だろうか。最後に思い出すのは、組織を裏切り毒蜀杖(どくしょくづえ)を盗み出して逃げた記憶。
ミナミを押さえていた黒亡手長猿がこちらにかけてくるのが見える。だが、丹狼(たんろう)も同時に駆け出しているのだ。到底間に合わないだろう。すべてがスローになり、飛来する拳をヒスイは他人事のように眺めていた。
ニタニタと笑い、草履で全身傷だらけのミナミの横顔を踏みつける。動けばこの者の頭を踏み砕くという脅し。貝殻柄の布がほどけ、彼の水晶突起が露わになっていた。
「くっ」
人質を取られては動けない。白い手に血が滲むほど拳を強く握り締める。
ミナミの頭部を見たヒスイが、おやっと興味深そうに眺めた。
「ん? おや、えーっと。なんだったかな……。そうそう! 無貝(むかい)族だったか。通りで愛嬌があるわけだ」
指示を待っている人形のように、黒猿たちもミナミを押さえつけたまま動かない。
踏みつけたまましゃがむと、ヒスイはミナミの頭部に手を伸ばす。
「……ん…っ」
ごつい手が、敏感な部位を無遠慮に掴む。声を上げるまいと唇を噛みしめるミナミに、気を良くしたヒスイは手の動きを速くする。
「んん? ほれほれ。そう我慢せずともよい」
「…………んっ……あ……」
悩ましげな声を上げ、ミナミの身体がびくりと震える。
「これはいい。このまま皆様の眼前で嬲ってやろう」
ホクトが背中の包みに手を伸ばす。すぐさまヒスイが意地の悪い挑戦的な目を向けてくるが、彼は構わずそれを掴んだ。
「ホクトさん? ミナミさんが」
人質にされているというのに。
まったく構わないと言いたげな表情の彼に、フリーは思わず縋り付いて止める。
「フリーさん。お構いなく」
「構いますよ!」
愕然としつつ、よろよろとフリーが離れる。このヒト、青真珠村でもそうだったがミナミに容赦なさすぎではなかろうか。
「ヒスイとやら。それを殺すなら殺すがいい。だが、お前の命はそれまでっす」
強がりを、と嘲笑うヒスイの表情が徐々に青ざめ、ひくひくと口元が引き攣っていく。
「まさか、貴方様は。その黒の羽織は!」
気づいたのか、ヒスイが目を見開く。黒の羽織は竜の子分の証。それを殺すということは、オキンに喧嘩を売ると同義。間違いなくヒスイはこの世から消える。
まだ死にたくないらしい。ヒスイは明らかに動揺した。
今しかない。
「走れ!」
刀を呼ばずに黒雷だけを落として、自身を強化するフリーの魔九来来(まくらら)。ピシャアと空を裂くような音と共に、特殊な雷がフリーに落ちる。もちろん頭上で陣取っていた鞠虫(まりむし)を、完全に黒焦げにして。
煙を上げる魔蟲が地面に落ち、灰のように崩れた。
「――なんっ」
衝撃波から腕で顔を庇うホクトが目を開けた時には、フリーはヒスイの腹を蹴り上げていた。
電光石火の一撃。
「ぐぼっっっ」
口から血を吐き木に叩きつけられる。派手に揺らされた木が、ぼとぼととヒスイの身体に木の実を落とす。
だが、同時にフリーも顔を歪める。
――硬いっ。
全身が筋肉に覆われているヒスイ。分厚いゴムを蹴ったような感触だ。強化をかけていなかったら足が駄目になるところだった。このまま殴っていたら、四肢が使い物にならなくなる。
ならば、手甲のようなもので覆えばいい。
「落ちよ!」
「……ごほっ。くそっ」
ヒスイが刀召喚を妨害しようと動くが、一手遅い。
凄まじい速度で降ってきた刀。その落雷じみた衝撃で持ち主もヒスイも魔獣もバランスを崩し、ミナミに至っては地面をころころと転がされる羽目になった。
その全てをお構いなしに手足に纏わりつき、手甲と具足に姿を変える。
「この刀……。まあいっか」
忌々し気に手甲を睨むも、今はヒスイと黒チンパンジーをどうにかするが先決。
呼雷針(こらいしん)第二形態・雷鎧(らいかい)。
鎧と言っても、腕と脚しか守ってくれないけれど。
攻撃範囲は基本形態に劣るが、珍しく使い手を守る構造にもなっている。まあ、残念なことに鬼にはあまり通用しなかったが。
(呼雷針は悪くない。俺自身が、弱すぎるんだ)
ぎゅううっと拳を握る。
なんとか上体を起こしたミナミがフリーの謎の力に驚きつつも、立ち上がろうと苦戦している。さっとホクトが近づき、肩を貸すと邪魔にならないよう離れていく。……邪魔? 彼は弱いんだ。一緒に戦うべきだろう。何故俺は、
ふと疑問が浮かぶも、ミナミがかすれた声を出す。
「なんでしょう……? フリーさんのあれ。まさか魔九……?」
「その前に怪我の状態を報告しろ」
どさっと血濡れのミナミを墓石の近くに落とすと、ホクトの耳に鉄を殴りつけたような轟音が届いた。
「えっ」
振り向くと、フリーの拳がヒスイにめり込んでいるところだった。――いや、違う。ヒスイは錫杖で直撃を防いでいる。
同じ魔研の仲間が拵えた、特殊な金属の錫杖。重いが鉄の何倍もの強度を誇る。容易く曲げられはしない。これがないと、ヒスイは奪った魔九来来の一切を使用できないのだ。ゆえに手放さない。
「ぐ、お、おおおおおっ」
ヒスイの足が、ごりごりと地面をえぐって後ろへと轍を刻む。呆れたことに、この鍛え上げられた肉体をもってしても、威力を殺しきれない。手甲に包まれているとはいえ、細枝のような拳の一撃が。
(やはり身体強化! フロリア様も、複数のっ……!)
そこで、ヒスイの身体が後ろへ飛んだ。
背中に硬い木の感触。それも一瞬のことで、激甚たる痛みと共に破壊音が響き、
『ギュイイッ』
自身が呼び寄せた魔獣の声を遠くに聞きながら、ヒスイは夏エリア外へとぶっ飛ばされる。
「……ぐっ」
このままでは木々や地面との入れ代わり立ち代わりの衝撃に、肉体が耐えきれないはずだ。どれほど鍛えようと、ヒスイは鬼に成れないのだ。物言わぬ挽肉になって終いだろう。その顛末を悟ったヒスイは、苦痛と酸欠に喘ぎながらも魔獣に指示を出す。
「わしを守れ!」
錫杖を中心に、新たに召喚された黒亡手長猿(こくぼうてながざる)たち。凄まじい速度で吹き飛ぶヒスイにしがみつき、彼を守るようにその身体を覆い尽くしていく。数体の黒亡手長猿がヒスイを包み込み、黒い球体と化した直後。木立に激突し、折り飛ばし、それを数回繰り返してから、ヒスイの身体は地面に跳ねた。
「……ッ」
雪と冷えた腐葉土が巻き上げられ、辺りに降り注ぐ。優しげな顔を苦痛に歪めつつも、ヒスイは身を起こす。彼の盾となった魔獣は挽肉と化し、ヘルメット代わりに頭を守っていた鞠虫は液状化していた。緑色の体液が、血のようにヒスイの頭から顎に流れる。頑丈な魔獣を盾に使っても砕けた足。錫杖で身体を支え、無理矢理歩こうとする。
「は、はは……。変形する刀など、お、面白いでは」
ないですか。そう続けようとしたヒスイの眼前に、感情のない見開かれた金緑の目が現れる。
フリーはすでに、拳を振りかぶっていた。
――死。
ヒスイの頭に、幼い頃の映像が流れる。走馬灯だろうか。最後に思い出すのは、組織を裏切り毒蜀杖(どくしょくづえ)を盗み出して逃げた記憶。
ミナミを押さえていた黒亡手長猿がこちらにかけてくるのが見える。だが、丹狼(たんろう)も同時に駆け出しているのだ。到底間に合わないだろう。すべてがスローになり、飛来する拳をヒスイは他人事のように眺めていた。
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