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第二十七話・一番背の高い人
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キミカゲにお小遣いをもらったおかげか、財布の紐が緩んでいるようである。リーンとフリーは食べ物が売っている笠を見かけると、必ずと言っていいほど寄り道していた。
甘味は避けていたが、フリーはお金の使い方を学んでいる節があり、ニケも頭上からたまに助言をしている。
「ふぅ。次は何を食うかな」
手のひらサイズもある握りずしを頬張りながらも、リーンは他の店を探している。片手には甘酒二号も持っているのに、まだ満腹には遠いのか……。
お守りを買いに行くと言っていたはずなのに目の前の誘惑に勝てず、お店をふらふらしている。そのせいでなっかなかお守り処(社務所)へたどり着けない。
先ほどまでなら急かしていただろうが、すっかり胸のつっかえが取れたニケは、頬杖をついて優雅に二人を見下ろしている。
「お前さんたちは疲れないか?」
「平気~」
「俺様も! なんか祭りの食い物って、普段より美味く感じるな。ぼったくり値段なのについ買っちまうわ!」
野暮なことを言うな。
フリーは赤身の乗った握りずしを頭上に持っていく。
「ニケも食べる? このマッグロとか言うの、美味しいよ。きっと小金魚みたいな見た目をしている魚なんだろうなぁ」
のほほんと小金魚サイズのマッグロを想像しているであろう青年に、小金魚どころかフリーよりもでかいぞ、と二人は言いたかった。
ニケは一瞬ためらったものの、齧りかけの握りずしを受け取る。
「まったく。食べかけを渡すなんて。フリーのクセに」
文句の割にそれほど嫌そうではない。それどころか好きな子からの飲みさしでももらったかのように、しっかりと両手で持っている。
フリーは失礼な行為だったのかと反省し、返却を申し出る。
「あ! ごめんね? 新しいの買ってくるから、返して?」
「うるさい。これは僕のだ」
もぐもぐとお寿司を頬張る。
訳が分からず目が点になる肩車している人。
連れふたりのやり取りを見て、リーンはぷっと吹き出す。
「可愛いとこあんな、ニケさん」
「むっ」
顔を赤らめる。何か言い返そうとしたが、お米で頬がぱんぱんに膨らんでおり、声が出なかった。
リーンは猫舌かと思うほど、甘酒に息を吹きかけている。
「フリーも甘酒飲んでみないか? 身体に良いらしいぜ?」
「そういう売り文句で、本当は身体に良くないってオチでしょ? お酒でしょ?」
「って、キミカゲ様がおっしゃってた」
「なら身体に良いんだね」
あっさり信じた。翁が言っていたと言えば、フリーは何でも信じそうだ。ニケも似たような覚えがあるので、やっぱりフリーには僕がついていないとな、と強く頷く。
「でも甘いのは、いいや。ありがとう」
「じゃあ、僕にください」
お、いいねぇとリーンが腕を伸ばして背伸びして甘酒の入った器を渡す。
頭上で飲み食いされても、フリーは一切嫌な顔を見せない。気にした様子もなく何かを探すように首を動かしている。
「どうした? ニケさんが乗ってるからあんまり首を動かすなよ。ゲソ焼きでも探してんのか?」
「げそ? いえいえ。ディドールさんと会うかなと思ってたんだけど、以外と会わないね」
友達と来ているって話だし。歩く花束みたいな人だから、視界に入れば気づくはずなのだけれど。
「うえっ!」
急に出てきた名前に、リーンが焦るようなにやけたような、変な声を出した。顔も瞬時に赤くなる。
「……そ、そうだな。ど、ドールさんは食べ歩きより神楽とかを楽しみに祭りにくるおヒトだから。この辺には、いねぇよきっと……」
後半がごにょごにょとしてほぼ聞こえない。
そういえば神楽というのは、神社のどこでやるのだろうか。
訊くと、リーンはある方角を示した。
「あっちの神楽殿(かぐらでん)だよ。舞台のような場所さ」
つられて首をめぐらす。
大抵は境内の中心に建てられている場合が多いが、羽梨では本殿手前の祈りの場である拝殿を神楽殿と兼ねている。拝殿と供用されているためか、本殿よりも大きい。と、ついで情報も教えてくれる。
本殿って? 拝殿って? とか、もっともっと聞きたかったが、質問ばかりもよろしくない気がしたのでリーンの説明にうんうんと頷いておく。ニケは「こいつ頷いてるだけだな」と見破っていた。
「よし。そろそろ時間だし。行くか」
フリーの顔を見て百聞は一見に如かずと悟ったリーンが、彼を神楽殿が見えるところまで連れてくる。てくてくと踏み台が歩くたびに、犬尾が揺れる。自分の足で歩かずに移動するというのは楽しいのだろう。フリーは気づかないふりをした。リーンも、指摘すれば嫌がるだろうなと、ニケの性格を読んで黙っておく。
気の早い人々が、すでに神楽殿前に陣取っている。
その前にある建物は高床式で、柱の数も少なく開放的だった。
「ほー。ここで舞われるんですね」
「ああ。そうだが……」
いつものことだが、ヒトが多い。寄り道しまくっていた自分が悪いとはいえ、もっと早くから場所取りをしておくべきだった、と毎年恒例となっている後悔を今年もしっかりとした。
ちらりとフリーを見上げる。
こいつの身長ならばたとえ最後尾でも、ちょいと背伸びをすれば問題なく神楽を拝めるだろう。正直、この点に関していえば、ニケさんが羨ましい。俺もそんな踏み台が欲しいぜ。
ジャンプすれば見えるだろうが、神楽中にぴょんぴょんしていたら他の客に迷惑だろう。
どうしたものか。せめて踏み台に出来る岩や椅子などがあれば。
キョロキョロしていると、フリーが目だけを向けてくる。首をあまり動かすなと言われたからだろうが、眼球だけこちらを向くことになるからすごい見下されている感じになる。
「先輩? 落とし物ですか?」
「ああん?」
見えないんじゃオラァ。見下されたと本能が感じたからつい喧嘩腰になってしまう。
低身長の気持ちになれや。その低身長で困ってる人を肩に乗せたばかりだろうが……などと噛みつこうかと思ったがフリーの、柳のような性格を思い出して喧嘩腰を引っ込める。どうもこいつは噛みついても乗ってこない。困った顔や怯えた仕草を取るだけだ。そのくせ、本気で怯えている気配は伝わってこないので、妙に引っかかる。
リーンは嘆息すると、素直に口にした。
「見えないんだよ」
言って、心があるかもしれない胸元を撫でる。もう、自由に空中浮遊出来ていた頃が、ずいぶん懐かしい。地に足を付けて、離れられなくなって、何年経つだろうか。
「「……」」
ニケとフリーは互いに顔を見合わせ、ようとしたが無理だった。
あきらめて各々で思案する。
急に黙り込まないでほしい。爆走マッグロみたいな先輩が静かだと、不気味だし落ち着かない。
フリーはそっとしゃがんだ。
「先輩も背中に乗りますか?」
「へ?」
思わず変な声が出た。前にいた人が不思議そうに振り返るが、リーンはフリーを見ていて気付かなかった。
「は? え?」
「おんぶしますよ。肩は埋まっているけど、背中は空いていますし」
そんな、劇場の席じゃないんだから。
と言う前に、ニケが右肩にずれた。これなら背中にしがみついてもニケで見えない、という事態にはならない。
唸りながらリーンは腕を組む。
「ありがたいんだが、よくコケてるお前に乗るのはちょっと、抵抗あるわぁ。そもそもお前、これ以上持てないだろ? 腕力ないんだし。洗濯籠運ぶだけでヒィヒィ言ってんじゃん」
そう言われるとニケも不安になってきたらしい。赤い目が半眼になる。それでも降りようとしないのは、乗り心地が良いのだろう。
フリーも自分がよく転んでいる自覚はあるので、言葉に詰まる。
それでも、翼を無くした鳥のような顔をした先輩を、放っておけなかった。
聞こえないように呟く。
「……走れ」
「――っ!」
毛を逆立て、ニケは反射的に耳を塞ぐがやかましい落雷音はしなかった。ただ、静電気のような光がフリーから一瞬、バチバチッと放たれただけだった。
前にいたヒトが再び振り向くが、またもやリーンの意識外だった。
甘味は避けていたが、フリーはお金の使い方を学んでいる節があり、ニケも頭上からたまに助言をしている。
「ふぅ。次は何を食うかな」
手のひらサイズもある握りずしを頬張りながらも、リーンは他の店を探している。片手には甘酒二号も持っているのに、まだ満腹には遠いのか……。
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先ほどまでなら急かしていただろうが、すっかり胸のつっかえが取れたニケは、頬杖をついて優雅に二人を見下ろしている。
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「平気~」
「俺様も! なんか祭りの食い物って、普段より美味く感じるな。ぼったくり値段なのについ買っちまうわ!」
野暮なことを言うな。
フリーは赤身の乗った握りずしを頭上に持っていく。
「ニケも食べる? このマッグロとか言うの、美味しいよ。きっと小金魚みたいな見た目をしている魚なんだろうなぁ」
のほほんと小金魚サイズのマッグロを想像しているであろう青年に、小金魚どころかフリーよりもでかいぞ、と二人は言いたかった。
ニケは一瞬ためらったものの、齧りかけの握りずしを受け取る。
「まったく。食べかけを渡すなんて。フリーのクセに」
文句の割にそれほど嫌そうではない。それどころか好きな子からの飲みさしでももらったかのように、しっかりと両手で持っている。
フリーは失礼な行為だったのかと反省し、返却を申し出る。
「あ! ごめんね? 新しいの買ってくるから、返して?」
「うるさい。これは僕のだ」
もぐもぐとお寿司を頬張る。
訳が分からず目が点になる肩車している人。
連れふたりのやり取りを見て、リーンはぷっと吹き出す。
「可愛いとこあんな、ニケさん」
「むっ」
顔を赤らめる。何か言い返そうとしたが、お米で頬がぱんぱんに膨らんでおり、声が出なかった。
リーンは猫舌かと思うほど、甘酒に息を吹きかけている。
「フリーも甘酒飲んでみないか? 身体に良いらしいぜ?」
「そういう売り文句で、本当は身体に良くないってオチでしょ? お酒でしょ?」
「って、キミカゲ様がおっしゃってた」
「なら身体に良いんだね」
あっさり信じた。翁が言っていたと言えば、フリーは何でも信じそうだ。ニケも似たような覚えがあるので、やっぱりフリーには僕がついていないとな、と強く頷く。
「でも甘いのは、いいや。ありがとう」
「じゃあ、僕にください」
お、いいねぇとリーンが腕を伸ばして背伸びして甘酒の入った器を渡す。
頭上で飲み食いされても、フリーは一切嫌な顔を見せない。気にした様子もなく何かを探すように首を動かしている。
「どうした? ニケさんが乗ってるからあんまり首を動かすなよ。ゲソ焼きでも探してんのか?」
「げそ? いえいえ。ディドールさんと会うかなと思ってたんだけど、以外と会わないね」
友達と来ているって話だし。歩く花束みたいな人だから、視界に入れば気づくはずなのだけれど。
「うえっ!」
急に出てきた名前に、リーンが焦るようなにやけたような、変な声を出した。顔も瞬時に赤くなる。
「……そ、そうだな。ど、ドールさんは食べ歩きより神楽とかを楽しみに祭りにくるおヒトだから。この辺には、いねぇよきっと……」
後半がごにょごにょとしてほぼ聞こえない。
そういえば神楽というのは、神社のどこでやるのだろうか。
訊くと、リーンはある方角を示した。
「あっちの神楽殿(かぐらでん)だよ。舞台のような場所さ」
つられて首をめぐらす。
大抵は境内の中心に建てられている場合が多いが、羽梨では本殿手前の祈りの場である拝殿を神楽殿と兼ねている。拝殿と供用されているためか、本殿よりも大きい。と、ついで情報も教えてくれる。
本殿って? 拝殿って? とか、もっともっと聞きたかったが、質問ばかりもよろしくない気がしたのでリーンの説明にうんうんと頷いておく。ニケは「こいつ頷いてるだけだな」と見破っていた。
「よし。そろそろ時間だし。行くか」
フリーの顔を見て百聞は一見に如かずと悟ったリーンが、彼を神楽殿が見えるところまで連れてくる。てくてくと踏み台が歩くたびに、犬尾が揺れる。自分の足で歩かずに移動するというのは楽しいのだろう。フリーは気づかないふりをした。リーンも、指摘すれば嫌がるだろうなと、ニケの性格を読んで黙っておく。
気の早い人々が、すでに神楽殿前に陣取っている。
その前にある建物は高床式で、柱の数も少なく開放的だった。
「ほー。ここで舞われるんですね」
「ああ。そうだが……」
いつものことだが、ヒトが多い。寄り道しまくっていた自分が悪いとはいえ、もっと早くから場所取りをしておくべきだった、と毎年恒例となっている後悔を今年もしっかりとした。
ちらりとフリーを見上げる。
こいつの身長ならばたとえ最後尾でも、ちょいと背伸びをすれば問題なく神楽を拝めるだろう。正直、この点に関していえば、ニケさんが羨ましい。俺もそんな踏み台が欲しいぜ。
ジャンプすれば見えるだろうが、神楽中にぴょんぴょんしていたら他の客に迷惑だろう。
どうしたものか。せめて踏み台に出来る岩や椅子などがあれば。
キョロキョロしていると、フリーが目だけを向けてくる。首をあまり動かすなと言われたからだろうが、眼球だけこちらを向くことになるからすごい見下されている感じになる。
「先輩? 落とし物ですか?」
「ああん?」
見えないんじゃオラァ。見下されたと本能が感じたからつい喧嘩腰になってしまう。
低身長の気持ちになれや。その低身長で困ってる人を肩に乗せたばかりだろうが……などと噛みつこうかと思ったがフリーの、柳のような性格を思い出して喧嘩腰を引っ込める。どうもこいつは噛みついても乗ってこない。困った顔や怯えた仕草を取るだけだ。そのくせ、本気で怯えている気配は伝わってこないので、妙に引っかかる。
リーンは嘆息すると、素直に口にした。
「見えないんだよ」
言って、心があるかもしれない胸元を撫でる。もう、自由に空中浮遊出来ていた頃が、ずいぶん懐かしい。地に足を付けて、離れられなくなって、何年経つだろうか。
「「……」」
ニケとフリーは互いに顔を見合わせ、ようとしたが無理だった。
あきらめて各々で思案する。
急に黙り込まないでほしい。爆走マッグロみたいな先輩が静かだと、不気味だし落ち着かない。
フリーはそっとしゃがんだ。
「先輩も背中に乗りますか?」
「へ?」
思わず変な声が出た。前にいた人が不思議そうに振り返るが、リーンはフリーを見ていて気付かなかった。
「は? え?」
「おんぶしますよ。肩は埋まっているけど、背中は空いていますし」
そんな、劇場の席じゃないんだから。
と言う前に、ニケが右肩にずれた。これなら背中にしがみついてもニケで見えない、という事態にはならない。
唸りながらリーンは腕を組む。
「ありがたいんだが、よくコケてるお前に乗るのはちょっと、抵抗あるわぁ。そもそもお前、これ以上持てないだろ? 腕力ないんだし。洗濯籠運ぶだけでヒィヒィ言ってんじゃん」
そう言われるとニケも不安になってきたらしい。赤い目が半眼になる。それでも降りようとしないのは、乗り心地が良いのだろう。
フリーも自分がよく転んでいる自覚はあるので、言葉に詰まる。
それでも、翼を無くした鳥のような顔をした先輩を、放っておけなかった。
聞こえないように呟く。
「……走れ」
「――っ!」
毛を逆立て、ニケは反射的に耳を塞ぐがやかましい落雷音はしなかった。ただ、静電気のような光がフリーから一瞬、バチバチッと放たれただけだった。
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