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4話 何もしなかったあとで
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僕たちは一番最初の部屋に戻ってきた
蛍光灯のうっすら黄ばんだ光が目に優しい、こちらの方がよっぽど何も考えないでいられるのではないかと思った
さてさて、最初に言っていたお話のお時間ですと平賀が仕切りなおす
「その前にお食事はどうですか?簡単なものしかお出しできませんが」
先ほどお買い物に行く途中だったと伺ったのでと繋げると、お代をいただいたりはしませんよとも言った
ありがたくいただくことにする、卵サンドだった
「お口にあうかはわかりませんが」
ふふっと笑う、なんとなくイラっとしたのでおいしかったのだがまぁまぁかなと返事をしておいた
それで、初めて何もしてみなくて感想はどうでしたか?と聞かれ、正直に思ったことを返す
あの沈んだ気持ちや沸き上がった感情を洗いざらい話したすると平賀は
そうでしょうねぇとまた笑った
「人間何もするなと言われると難しいものです、何もしないと思っても何かをしてしまっている、だって人間寝ている時でも脳は動いているし、心臓も鼓動をしている、それを起きているときになにもしない、と考えても余計色々な事を思ってしまうものです」
確かに、実際にさっきはそうだったなと思い返す
しかしそう断言されると何か悔しいものがある、ぼくは案外負けず嫌いな人間だったのかもしれない、とは言っても反論出来ることもないので思うだけに留まったが
だけどもそんな事をいってしまったらさっきの事は無駄だったのか?と聞いてみる
出来もしないことをする場所を提供するのがこのお店なのか?と
「無駄、とは違いますかね。僕は無になろうとしたときに思っていることには人間の本質や、強く思っていることが出てくるとおもっています、ここはそういう事に気付くための場所なんです」
「そうしてその時思ったことを、今こうしているように訪ねて纏める。ゆくゆくは本にできたらいいなぁなんて考えてもいますがね」
だから完全にこの時間は僕の趣味の時間と言ってもいいかもしれません、そのようなことをあの薄ら笑いを笑顔に進化させながら語っていた
本当になんか、食えない男だなとおもったが口に出すのはギリギリ踏みとどまった
「本当はもっと色々と聞きたいのですがね、約束していた時間になってしまった
これ以上は悪いですからね、お帰りになって結構ですよ。もし機会があればまたお話し聞かせてくださいね」
僕としてはもう少し話をしていてもよかったのだが、あちらからそう言われてしまうと居座るのもバツが悪い
なので僕は決められた金額を支払い、またのお越しをの声にもう来ないかも知れませんがと笑いながら返してお店を後にした
お店を出て数十メートル進んだとこで振り返り先ほどの事を思い返し妙に頭の中がスッキリしている感覚と共に、また来てみるかな何てことを思っていた
来た道を思い出しながら帰路に就こうとすると、後ろからさっきまで話していた声でおーいと呼び止められた
なにか忘れ物をしたかな?と思いながらなんですかと?と再び振り返る
「君の後ろ姿を見ていたらね、なんとなくね僕の勘がねいうんだよ」
はぁ、いまいち話がわからない
「もしよかったらさ、君ココで働かない?丁度求職中なのだろう?」
それだけ言うと平賀という男は興味がわいたら連絡してくれと言って
頭の中に本日何度目かの疑問符を浮かべるぼくに電話番号を書いた紙を握らせると返事も聞かずにまたお店のほうにと戻って行ってしまった
いや、うん。確かに求職中ではあるのだが、あの男の勘がいっていたように、僕の勘もいっている、あそこはなんかまずいと・・・・・・
伸るか反るか、気持ちは八割反る方に傾いている
そして空は僕の気持ちと同じぐらい傾いていた
蛍光灯のうっすら黄ばんだ光が目に優しい、こちらの方がよっぽど何も考えないでいられるのではないかと思った
さてさて、最初に言っていたお話のお時間ですと平賀が仕切りなおす
「その前にお食事はどうですか?簡単なものしかお出しできませんが」
先ほどお買い物に行く途中だったと伺ったのでと繋げると、お代をいただいたりはしませんよとも言った
ありがたくいただくことにする、卵サンドだった
「お口にあうかはわかりませんが」
ふふっと笑う、なんとなくイラっとしたのでおいしかったのだがまぁまぁかなと返事をしておいた
それで、初めて何もしてみなくて感想はどうでしたか?と聞かれ、正直に思ったことを返す
あの沈んだ気持ちや沸き上がった感情を洗いざらい話したすると平賀は
そうでしょうねぇとまた笑った
「人間何もするなと言われると難しいものです、何もしないと思っても何かをしてしまっている、だって人間寝ている時でも脳は動いているし、心臓も鼓動をしている、それを起きているときになにもしない、と考えても余計色々な事を思ってしまうものです」
確かに、実際にさっきはそうだったなと思い返す
しかしそう断言されると何か悔しいものがある、ぼくは案外負けず嫌いな人間だったのかもしれない、とは言っても反論出来ることもないので思うだけに留まったが
だけどもそんな事をいってしまったらさっきの事は無駄だったのか?と聞いてみる
出来もしないことをする場所を提供するのがこのお店なのか?と
「無駄、とは違いますかね。僕は無になろうとしたときに思っていることには人間の本質や、強く思っていることが出てくるとおもっています、ここはそういう事に気付くための場所なんです」
「そうしてその時思ったことを、今こうしているように訪ねて纏める。ゆくゆくは本にできたらいいなぁなんて考えてもいますがね」
だから完全にこの時間は僕の趣味の時間と言ってもいいかもしれません、そのようなことをあの薄ら笑いを笑顔に進化させながら語っていた
本当になんか、食えない男だなとおもったが口に出すのはギリギリ踏みとどまった
「本当はもっと色々と聞きたいのですがね、約束していた時間になってしまった
これ以上は悪いですからね、お帰りになって結構ですよ。もし機会があればまたお話し聞かせてくださいね」
僕としてはもう少し話をしていてもよかったのだが、あちらからそう言われてしまうと居座るのもバツが悪い
なので僕は決められた金額を支払い、またのお越しをの声にもう来ないかも知れませんがと笑いながら返してお店を後にした
お店を出て数十メートル進んだとこで振り返り先ほどの事を思い返し妙に頭の中がスッキリしている感覚と共に、また来てみるかな何てことを思っていた
来た道を思い出しながら帰路に就こうとすると、後ろからさっきまで話していた声でおーいと呼び止められた
なにか忘れ物をしたかな?と思いながらなんですかと?と再び振り返る
「君の後ろ姿を見ていたらね、なんとなくね僕の勘がねいうんだよ」
はぁ、いまいち話がわからない
「もしよかったらさ、君ココで働かない?丁度求職中なのだろう?」
それだけ言うと平賀という男は興味がわいたら連絡してくれと言って
頭の中に本日何度目かの疑問符を浮かべるぼくに電話番号を書いた紙を握らせると返事も聞かずにまたお店のほうにと戻って行ってしまった
いや、うん。確かに求職中ではあるのだが、あの男の勘がいっていたように、僕の勘もいっている、あそこはなんかまずいと・・・・・・
伸るか反るか、気持ちは八割反る方に傾いている
そして空は僕の気持ちと同じぐらい傾いていた
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