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第1章 麗しき姫君 (小さな物語)

あとがき 《テクノロジーを使っていないという証明を、テクノロジーで行うことが可能》

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「岩窟の聖母」は、ルーブル版とロンドン版があります。「糸車の聖母」にも、同じような構図の絵が存在します。

このように、ダ・ヴィンチは、似たような構図の絵を複数枚描いています。

その点について、H氏は、
「なぜ、ダ・ヴィンチが、正確な模写が出来たか?それは、ダ・ヴィンチがCADを使っていたからです。」
そう言い切っていました。

ところで、H氏は、科学分析により、絵画の下絵を解析する他、
絵画の科学調査のことをご存知ないのでしょうか?

例えば、赤外線照射法により、その絵には、元々、どんな下絵が描かれてあるか?が判明します。

始めの段階の絵ではどうだったか?

描いている過程の絵は?

最終的に、描かれた絵は、こうだということを、研究者グループは、実際に調査しています。

絵の具層の下にある絵を調べることは、科学調査で、解析可能なのです。

芸術家が、試行錯誤し、何度も絵を描き直し、最終的に、どのような絵に辿りついたのか?

最先端の絵画の科学分析で、判明しています。

例えば「岩窟の聖母」(ロンドン版)においては、下絵の下に、更なる下絵があることも見つかって、元々は、全く違う構図の絵であったことが分かりました。

最近では、パスカル・コット氏が、モナリザの下絵になっているにある幾つかの人物を公開していましたよね。

パスカル・コット氏の分析は、赤外線照射法とはまた違うやり方です。

コット氏によると、2004年にルーブル美術館から招へいされ、館内で「モナリザ」のデジタルデータ化を開始。独自開発した特殊なカメラと解析ソフトで、重ね塗られた部分を層ごとに分析し、以前の絵を復元したそうです。


このように、画像の科学的分析を行うことで、今後ますます、謎だとされていた絵画のミステリーが解き明かされていくでしょうね。


話は、元に戻りますが、
「ダ・ヴィンチがCADを使って絵を描いていた」なんて、、、あり得ない、馬鹿馬鹿しい話を、風潮しないで欲しいです。


現在も、世界各国の研究者グループが、絵画には、どのような下絵を描かれていたか?どのような技法で描かれているのか?など、
様々な科学的な調査をしながら、解析に取り組んでいます。

最終的に描かれてある絵画とは、異なる違う表情を見せてくれる下絵の新発見は、次々に行われているのです。

つまり、ダ・ヴィンチの絵は、
テクノロジーを使って描いた絵ではないという証拠を、テクノロジーを使った調査(絵画の科学分析結果)で見ることが出来ます。


「テクノロジーを使っで描いていないという証明を、テクノロジーで行うことが可能」 という、
ややこしい話で、すみません。



絵画の科学分析方法は、こちらのサイトを参照して下さい。


http://www.mmca.go.kr/jpn/contents.do?menuId=2030013120





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