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第1章 麗しき姫君 (小さな物語)
いざ対決! ⑪
しおりを挟む姫君は、お昼過ぎに、
中広間にお現れになりました。
画家の申し出で、
色々とチェックしたいことがあるので、
「やはり姫君を間近で見て、今日もデッサンをしたい」
とのことでした。
深々と頭を下げ、
「姫君、昨日は、さぞかしお疲れでしょう。
本日もよろしくお願いします」と言い
姫君を直に見ながら、
入念に、細かな描写で、描き進めていました。
一方、未来人は
姫君に、軽く挨拶をしたものの、それ以降、姫君を見ることは一度もありませんでした。
未来人は、完成された写真を元に絵を描いているので、その場に姫君がいようがいまいが、関係ないのです。
ただ、ひたすらに、パソコンに向かっている未来人、
写真に写しだされた姫君の姿を、忠実に
絵画風に変化させていく工程は、
確かに見事ではありますが、なんとなく無機質な空気が漂っているのでした。
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