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第14章 モナ・リザとフリーエネルギー

アカデミア

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組紐文様に    REONALDI  ACADIMIA の文字が…

レオナルドのアカデミア(学園)という意味合いだろうか?







ところで、「アカデミア」について、ネットにて、とても素晴らしい解説を見つけたので、転載させて頂きます。



「アカデミア」



京都大学名誉教授・哲学者 藤澤令夫


アカデミアの由来を、今こそ心に留めおこう。時代の状況も、それを求めている。

古代ギリシァの都市国家アテナイ(アテネ)。町を囲む城壁の外、北西の郊外に、アカデモスという名の英雄神(英霊)を祀る土地があって、英霊の名にちなんで「アカデメイア」または「アカデミア」と呼ばれ、プラタナスが美しく繁る公園として、古くから人びとに親しまれていた。紀元前387年ころ、哲学者プラトンがこの地に学園を創設し、それ以来「アカデミア」(アカデメイア)は、このプラトンの学園の名前となった。

プラトンはどのような経緯で、この学園アカデミアを創設したのであろうか。アカデミアの精神とは、何であったか。

紀元前399年、プラトンの敬愛してやまなかったソクラテスが、ギリシァの世界大戦であったペロボネソス戦争終結後の政治的混乱のあおりを受けて、国の法廷に告発され、死刑に処せられた。この出来事は、それまで政治の実践を志していた当時28歳のプラトンに、大きな衝撃を与えた。同時代の誰よりも正義の人であったソクラテスが、国法の名のもとに処刑されたことへの憤り。このような不条理を根絶するためには、政治的党派の間の争いといった次元を突き抜けた、抜本的な国家社会の変革しか道はないと、プラトンは考えるようになる。

だが、その抜本的な変革とは、どのようなものであるべきか。プラトンはその方途をまさぐり求めて、あらためて亡きソクラテスの哲学の教えを省みて噛みしめながら、12年間にわたる思索と旅の遍歴時代を過ごす。考察のすえ、根本的にはこれしか道はありえないと思い定めた原則は、政治的権力と哲学的(学問的)精神との一体化、すなわち、国の統治に当る者は、知を希求してやまない哲人(philosophos)であるべきだという、のちに主著『国家』で表明された哲人政治の思想であった。

この理想の完全な実現は――特に、「哲学」がまだ一人前の仕事と認められていなかった当時のアテナイでは――不可能かもしれない。しかし少しでもこの理想に近づく努力を続けないかぎり、人類は永久に禍いと不幸から救われないだろう。そう心に決めたプラトンは、遍歴時代最後のシケリア(シチリア)への旅からアテナイに帰ると、自分の理想と目的にかなった教育を行なって有為の人材を育成するために、上述のように、学園アカデミアを創設したのである。時にプラトンは40歳。

アカデミアは何人もの政治家や立法家を世に出したが、その教育方法は、哲学的精神にもとづいて真理そのものへと「魂の目を向けかえること」を目ざす。純理想的な学問――数学・天文学・音階理論・哲学的問答法など――の学習と研究であった。こうしてプラトンの学園は、ギリシァにおける学問研究の一大センターとなる。エウクレイデス(ユークリッド)の幾何学も、その基礎はアカデミアにおいて形づくられた。

紀元前4世紀前半の時点に創立されたアカデミアは、プラトン亡きのちも代々の学頭に継承されて、紀元後の529年に東ローマ皇帝ユスティニアヌスの勅令によって閉鎖されるまで、約900年間存続した。そして学園は閉鎖されても、「アカデミア」(アカデミー)の名は今日まで、大学などの教育研究機関や、学問上の組織体を表わす普通名詞として、生き続けている。

名前だけでなく、大本にあった精神も、時代を超えて不朽である。政治家は、真の意味でのすぐれた知性をもたなければならないこと、教育とは、魂の目を向けかえること仕事であること。そのことによってのみ人間は、確かな幸福に与かりうること。――こうした理念は、今の世にこそ生かされなければならないだろう。
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