上 下
80 / 316
神様、聖者、素晴らしい人達

映画監督の大林宣彦さん

しおりを挟む
また、素晴らしい方がお亡くなりになり、とても残念です。


NHKニュース|NHK NEWS WEB
社会

映画監督の大林宣彦さん 肺がんで死去 82歳
2020年4月11日 3時52分

映画「転校生」や「時をかける少女」など、若者たちの情感をみずみずしく描いた作品で人気を集め、晩年まで反戦を訴え続けた映画監督の大林宣彦さんが、10日夜、肺がんのため東京都内と自宅で亡くなりました。82歳でした。

大林宣彦さんは広島県尾道市出身で、大学を中退したのち、昭和38年に画家の藤野一友さんと発表した初の16ミリ作品「喰べた人」でベルギー国際実験映画祭の審査員特別賞を受賞しました。

3000本を超えるコマーシャルを手がけて新たな映像表現に挑戦し、昭和52年に独特な映像美の映画「HOUSE」で商業映画の監督としてデビューしました。

ふるさとの尾道市で撮影した「転校生」「時をかける少女」それに「さびしんぼう」は「尾道三部作」と呼ばれ、若者たちの情感をみずみずしく描いた作品でロケ地を巡る若者が増えるなど、人気を集めました。


作品の中では若手の俳優を重要な役に抜てきし、小林聡美さんや原田知世さんなどが、一躍、有名になりました。

また、その華麗で独特な映像使いから「映像の魔術師」との異名で知られる一方、映画作りにおいてはスタッフの団結力の強さから「大林組」と呼ばれ、名作を生み出してきました。

平成16年に紫綬褒章、平成21年に旭日小綬章を受章し、去年、文化功労者に選ばれています。

社会派としても知られる大林さんは、作品や講演会で反戦や平和の大切さを訴え続け、特定秘密保護法をめぐって「表現の自由を守り通さなければいけない」などと訴えていました。


平成28年から製作を始めた「花筐/HANAGATAMI」では、撮影開始直後にがんが見つかりましたが、治療を続けながら作品を完成させ、おととし(平成30年)キネマ旬報ベスト・テンの監督賞を受賞した際には「あと30年は映画を作ります」と意欲を見せていました。

その後、広島に原爆が投下されるまでの日本の戦争をテーマに描いた「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」が去年秋の東京国際映画祭で公開され、レッドカーペットに登場した大林監督はNHKのインタビューに対し、「皆さんがびっくりするような映画になりました。『これが映画か、映画でこんなことができるのか、すごいな』と驚いてください」と話していました。

映画会社によりますと、大林監督は10日午後7時23分、肺がんのため東京都内の自宅で亡くなったということです。

82歳でした。

「花筐」に見る反戦の思い


大林宣彦さんは晩年、戦争を色濃く反映した作品を続けて作ってきました。

※  画像省略


このうち、平成29年に公開された「花筐/HANAGATAMI」は太平洋戦争の足音が迫る中、若者たちの青春と戦争の理不尽さに苦しむ様子を映像美とともに描き出した作品です。

映画で戦争を描く理由について、大林監督は、幼いころの戦争体験と戦争の記憶が忘れられてしまっている危機感にあると、NHKのインタビューで語っていました。

大林さんは幼少期の戦争体験について、「戦争に賛成も反対もないですよね。あるのは日常で、しかもあしたは死ぬのが当たり前だった時代なんですよ。だから死ぬことも怖くない」と振り返ったうえで、「戦争に負ければ潔く死のうと思っていたのが、日本の大人たちがひょう変しちゃうんです。誰も死なない。誰も反省しない。戦争のことなんか忘れて。僕も間違いだらけの生き方をしてきた。だから自分の間違いを反省してよりいい方向にしようって思って、『すばらしい未来を作ってくれ』と伝えられたらなと思うんです」と話していました。


また、この作品では、戦争と隣り合わせの感覚を感じてもらうため、何度もことばを選び直したといいます。

そのことについて大林さんは、「劇中に出てくる『お母さん、この国はまた戦争を始めました。僕たちはまた死にます』というせりふ。人間というのは戦争の消耗品だから、何度も何度も殺されているんですよ。実感がある人間は実感を伝えなきゃいかん」と指摘していました。

そして、「忘れられた歴史、しかし確かにあった歴史を実感として、わがこととして受け止めることで、もう二度と戦争なんか嫌だということになってくるわけです。死ねないんです、そういうことをちゃんと伝えておかないとね」と、映画作りに対する揺るぎない信念を語っていました。


遺作は新型コロナの影響で公開延期

大林宣彦監督の遺作となった「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」は、大林監督が亡くなった10日、全国の映画館で公開される予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で公開が延期されています。

大林監督は映画の公開に向けて「太平洋戦争の純真な軍国少年であった体験を元に、様々なジャンルの映画にその思いを潜めつつ『厭戦映画』を作り続けて来ました。時代はいつか、個人映画ばかりになり、僕が願った映画作りの世になりました。その個人の自由と権力者の不自由の証を、愉しんで下されば、と。僕の正体が炙り出されれば、愉しいかな」などとコメントを寄せていました。



※ ニュース転載ここまで。


大林宣彦さんは、映画で戦争を描く理由について、幼いころの戦争体験と戦争の記憶が忘れられてしまっている危機感にあると、NHKのインタビューに答えられていたそうです。

戦争体験を忘れてしまう世代…戦争を知らない世代…  世代交代が行われても、大切なことを、受け継いでいきたい。

大切なことを、若い方達へ受け継ぎたい。

そういう感想を持ちました。


大林宣彦さんの冥福をお祈り致します。






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

バーチャル女子高生

廣瀬純一
大衆娯楽
バーチャルの世界で女子高生になるサラリーマンの話

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

処理中です...