上 下
97 / 325
第12章 モナ・リザ新たなる出発

新たなるモナ・リザへ

しおりを挟む
先の章で詳しく触れたが、モナ・リザ新たなるタイトルに向けて…という活動を、はじめて8年の月日は、流れた。


ある日、自分の活動を振り返り、改めて思うこと。


腕をくみ、微笑むあの女性を、聖なる母として、再出発させてあげたい!


ダ・ヴィンチの心に寄り添い、ダ・ヴィンチが絵を描いたあの時に、時計の針を逆戻りさせ、モナ・リザという概念を外したい、そう願う。


レオナルドは、来世で再び、カテリーナの魂に出会えることを祈っていた。


不遇な幼少期の自分を嘆き、「来世の母」を描くことにより彼の心は、慰められた。


母の温もりを知らずに育った子供時代、
その切ない感情を、大人になっても、ずっとレオナルドは引きずっていた。


その母に、大人になって再会、
僅かの間だが、母と生活を共にした。


母を看取って、何年か経過した後、モデルとして目の前に現れた、ジョコンダ夫人に、亡き母の面影を感じ、レオナルドは、目の前にいる彼女を描く事が、どうしても出来なかったのだ。


依頼された物を製作することなど、どうでもよくなったレオナルドは、自分自身の為に、一つの作品を作りあげることに、没頭したのだ。


レオナルドが、その絵に
自身が付けていたタイトルは


「来世の母」



だから、モナ・リザではない。


母を根源に描かれている以上


モナ・リザというタイトルは間違っている。



絶対に、モナ・リザではない。



こんなことを、書きながらも、

モナ・リザとして生きた、あの絵の歴史の重みを、

ずっしりと感じる。


そして、その歴史に比べれば、
私の主張は、なんてちっぽけなんだろう…。
とも思う。


いくら偽りのタイトルでも、『モナ・リザ』は揺るぎようがないタイトルになっている。



私は、モナ・リザにサブタイトルを付けるよう、ルーブル美術館に働きかけをしようと思っている。



モナ・リザはモナ・リザではないという証拠集めは、充分すぎるほど、出来ている。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

実録!我が家のネコ事情 【写真有り】

羽兎里
エッセイ・ノンフィクション
動物はもう飼わないと決めいてた我が家に、ある日突然飛び込んできた新しい家族。 写真を整理していて、つい書いてしまい、もったいないので投稿始めます。 不定期投稿で、いつぶちッと終了するか分からない、気まぐれな作品です。 気が向いたら覗きに来てください。 2021年1月8日 1話から少々手直ししました。 【猫写真有り】

子宮頸がんになりまして

☆よこやん☆
エッセイ・ノンフィクション
がんが見つかったのは30歳。さあこれから結婚、出産を本格的に考え始めた矢先の出来事でした。 今若い世代から増えている子宮頸がん。 当時の闘病、心情などを描いていきます。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

処理中です...