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コミック1巻発売記念SS
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今日は起きた時から何か違和感があった。
「おはよう、アイーダ。朝食の準備ができているわよ」
ベッドの上で起き上がったままぼうっとしていると、侍女のソフィアさんが声をかけてくれる。
「珍しいですね、寝坊ですか? いつもならすでに起きて掃除を始めているのに」
同じく侍女のエルさんがカーテンを開ける。
「何だか胃がムカムカと気持ち悪くて……」
吐くというほどではないが、どことなくお腹がムカムカする。まるで車に酔ったみたいだ。車なんてこの世界に来るずっと前から乗っていないけど。
「寝酒でも飲み過ぎたんじゃない?」
「ソフィアさんじゃあるまいし、アイーダさんに限ってそんなことはありえないですよ~」
私はつい同意して頷いてしまう。
まだ私たちが清掃女中だった頃、晩餐会の打ち上げでソフィアさんが二日酔いになったことがある。
自分がどれほどお酒が飲めるか分からないけれど、すぐに酔いが回るので、強くないことは確実だ。だからいつも他の誰かが飲む時に、付き合い程度にたしなむくらいにしている。
昨夜は陛下も来ていないし、侍女さんたちも飲まなかったので、それが原因ではない。
「昨夜食べ過ぎたのかもしれません。今朝はちょっと控えようと思います」
最近というか側妃になって以来、出される料理の品数が増えたので、ついつい食べる量が増えていた。自分でも気付かない内に、食べ過ぎてしまったのだろう。
「あなたたち、どうしたの? アイーダ、早く食べないと朝食が冷めてしまうわよ」
アスティさんが寝室を覗く。私たちがなかなか寝室から出てこないので、しびれを切らしたようだ。アスティさんは清掃女中時代の先輩で、厳しいところもあるがとても愛情深い人である(たぶん)。
「アイーダの体調が悪いみたいよ」
「食事も果物やスープだけにした方がいいかもしれませんね~」
「そうなの? 風邪かしら。幸い、今日は特に予定もないし、安静にしていなさい。今、手洗い用の水と石鹸を用意するわ」
ソフィアさんとエルさんの報告を受けたアスティさんは盥とお気に入りの石鹸を持って来てくれた。今日は寝室で食事を取ることを許可してくれるらしい。
「はい、石鹸」
「ありがとうございま――うっ」
石鹸を受け取った瞬間、私は吐き気を覚えて口を押えた。
「大丈夫!?」
「気分が悪いなら、この盥に吐いちゃってくださいっ」
「いえ、大丈夫です」
心配して駆け寄ってきたソフィアさんたちを手で制した。
気持ちが悪くなったのは、一瞬だ。
「微熱があるようね。頭痛は?」
アスティさんはそう尋ねながら私の両目下の皮膚を引っ張った。貧血かどうかを確認しているようだ。
そこから怒涛の質問ラッシュが始まった。
「あ、少しあります」
「最近、食の好みが変わっていたわよね。この寒い時期によくのぼせているし」
「まあ、そうですけど」
「月のモノは?」
「そういえば、今月は、まだ……」
聞かれるままに答えていたが、その質問で「あれ?」と思った。
もしかして、私?
「まさか、おめでた!?」
導き出された答えを口にしたのはソフィアさんだった。
赤ちゃん? 私のお腹の中に赤ちゃんがいるの?
このムカつきは、つわり?
私は自分のペタンコのお腹を両手で触る。身に覚えはあるけれど、実感は全くない。
「えーっ! アイーダさんのお腹の中に赤ちゃんが!?」
「二人とも、静かに。まだそうと決まったわけじゃないわ。まだこの情報は極秘よ。国を揺るがすことになるかもしれないんだから」
アスティさんの言葉に、浮かれていた二人は神妙に頷く。
そこまで驚くばかりだった私も、次々と気がかりなことが頭に浮かんできた。
王妃様は、この妊娠をどう思うだろうか。
陛下にはまだ子供がいない。もし私の妊娠が本当なら、そしてその子が男の子なら、王位継承権を持つことになる。
私の子供が、このロズシェイン国の王様になるの?
異国の、というか異世界の血が混じった子が王位を継げるの?
王妃様は私の妊娠をどう思われるだろう。折に触れて交換している手紙では「待ち遠しい」と書いていたけれど……。
そして何より――陛下は喜んでくれるのだろうか。
その夜、陛下が部屋にやってきた。仮面を外した顔を見て、少しやつれてしまったように感じた。詳しくは分からないけれど、色々な国の制度などを新たに制定しているせいで多忙を極めているためだろう。
今日は早めに休んだ方が良さそうだ。
陛下が寝酒を飲んだ後、「もう休みましょう」と言って寝室へ向かう。
陛下は誘われたと思ったようで、私を後ろから抱きしめた。
「キヨカ」
吐息が耳にかかり、身体の力が抜けて、何も考えられなくなる。
だけど、今日はそんな気になれない。
だって、もしかしたら、私のお腹の中には……。
「止めてください」
「なぜ拒む?」
腕の中から逃れようとすると、陛下が問う。その声は、とても硬い。
はっとしてその顔を見る。表情は読めないけれど、陛下はきっと私の言葉に傷ついている。
人に拒絶されることに耐えられないのだ。
私のように心を許してしまった相手には、特に。
「違います。嫌なわけじゃないんです。ただ……」
「ただ、何だ?」
陛下が重ねて問う。
私は何と言えばいいのか分からず口ごもり、そして全てを話すことにした。
この人に隠し事はしたくない。しちゃいけない。
「まだ確定ではないですけど、お腹に赤ちゃんがいるかもしれないからです。もちろん、陛下の子です」
確定ではないと言いながらも、私は確信していた。
私は、陛下の子供を身籠っていると。世界で一番愛している人の子供を。
「子供……?」
陛下の腕が離れた。まるで、戸惑っているような、困ったような顔をしている。
その表情を見て、私はショックを受けた。どこかで、陛下は喜んでくれるかもしれないと
一縷の望みを持っていたからだ。
「すみません」
「なぜ謝る」
「だって、陛下が困った顔をしているから」
子供なんていらない……そう言っていたはずなのに、どうしてそんな期待を抱いてしまったのだろう。
だけど、もし本当に妊娠していたとしたら、私は産んでみたいと思う。
陛下が許してくれないんだったら、どこかでひっそりと子供を産んで育てようか。私の養父であるシグルトさんは重臣だから立場上無理かもしれない。だけど、星見亭だったら、受け入れてくれるかもしれない。それがダメなら……。
「待て。また何か突飛なことを考えているだろう」
あれこれと思案している私を、陛下は抱きしめた。
「そうじゃない。確かに驚きはしたが、困ってはいない。ただ、俺は親の愛を知らずに育った。そんな俺が子供を愛せるはずがない」
耳に響く声は、わずかに震えている。
陛下がこれほど胸の内を見せてくれるのは珍しい。
私は陛下を抱きしめ返した。
「陛下は、愛を知っています」
誰よりも寂しがりやな陛下。
拒絶されることが嫌で、自ら周囲を拒絶してきた人。
それは陛下の愛が届かなかったせいだ。陛下は誰よりも人を愛したいと願っている。
行き場を失っていた愛を一身に受けた私は、それを知っている。
「気付いていないだけで、陛下は皆に愛されています」
「またそれか」
「私は陛下に愛を教えてもらいました。そして、私が陛下に愛を教えてあげました」
二人の日々は確実に愛を重ねてきた。
うぬぼれではなく、陛下は私を愛してくれている。私も陛下を愛している。
「子供を持つ自信がないなら、私だって一緒です。だって、妊娠しているかもって知ったばかりなんですよ? 今から自信たっぷりな方がおかしいです」
不安なら、私にもある。
流産なんてせずにちゃんとお産までこぎつけることができるだろうか。出産の痛みに耐えきれるだろうか。考え出したらキリがない。
だけど、陛下と話しているだけで根拠のない自信が湧いてきた。
どうしても子供が欲しかったわけじゃない。だけど、授かった命を失うつもりもない。
だったら、産むしかないだろう。
母は強しってよく聞くけど、私もすでに強くなっているのかもしれない。
「私の国には『案ずるより産むが易し』という言葉があります。物事は事前に考えるよりも難しくないっていう意味なんですけど。愛せるかどうかは、無事に生まれてから考えればいいんです。それまでは考えても意味ないと思いませんか」
もし陛下が愛せないというのなら、私がその分惜しみない愛を与えよう。きっと杞憂だと思うけれど。
「お前は……」
陛下は目を見開き、そして表情を緩めた。
「お前は、後ろ向きなんだか前向きなんだか分らんな」
「それって褒め言葉ですよね」
「ああ、もちろん」
陛下は私を宝物のように抱え上げ、ベッドへ横たわらせた。
「俺は子供に何をすればいい?」
「そうですね……手を繋いで、笑いかけて、抱きしめてあげてください」
「……」
苦手なことばかりなのだろう。陛下は苦虫を嚙み潰したような顔をする。
きっと大丈夫。陛下は、いいお父さんになれる。そんな気がする。
この子が、陛下の孤独を完全に消し去ってくれるだろう。
私はお腹に手を当てた。
まだまだ未熟なお父さんとお母さんだけど、頑張るからね。
早くあなたに会いたいです。
あなたにたくさんの幸せが降りそそぎますように。
あなたを、世界で二番目に愛しています。
「おはよう、アイーダ。朝食の準備ができているわよ」
ベッドの上で起き上がったままぼうっとしていると、侍女のソフィアさんが声をかけてくれる。
「珍しいですね、寝坊ですか? いつもならすでに起きて掃除を始めているのに」
同じく侍女のエルさんがカーテンを開ける。
「何だか胃がムカムカと気持ち悪くて……」
吐くというほどではないが、どことなくお腹がムカムカする。まるで車に酔ったみたいだ。車なんてこの世界に来るずっと前から乗っていないけど。
「寝酒でも飲み過ぎたんじゃない?」
「ソフィアさんじゃあるまいし、アイーダさんに限ってそんなことはありえないですよ~」
私はつい同意して頷いてしまう。
まだ私たちが清掃女中だった頃、晩餐会の打ち上げでソフィアさんが二日酔いになったことがある。
自分がどれほどお酒が飲めるか分からないけれど、すぐに酔いが回るので、強くないことは確実だ。だからいつも他の誰かが飲む時に、付き合い程度にたしなむくらいにしている。
昨夜は陛下も来ていないし、侍女さんたちも飲まなかったので、それが原因ではない。
「昨夜食べ過ぎたのかもしれません。今朝はちょっと控えようと思います」
最近というか側妃になって以来、出される料理の品数が増えたので、ついつい食べる量が増えていた。自分でも気付かない内に、食べ過ぎてしまったのだろう。
「あなたたち、どうしたの? アイーダ、早く食べないと朝食が冷めてしまうわよ」
アスティさんが寝室を覗く。私たちがなかなか寝室から出てこないので、しびれを切らしたようだ。アスティさんは清掃女中時代の先輩で、厳しいところもあるがとても愛情深い人である(たぶん)。
「アイーダの体調が悪いみたいよ」
「食事も果物やスープだけにした方がいいかもしれませんね~」
「そうなの? 風邪かしら。幸い、今日は特に予定もないし、安静にしていなさい。今、手洗い用の水と石鹸を用意するわ」
ソフィアさんとエルさんの報告を受けたアスティさんは盥とお気に入りの石鹸を持って来てくれた。今日は寝室で食事を取ることを許可してくれるらしい。
「はい、石鹸」
「ありがとうございま――うっ」
石鹸を受け取った瞬間、私は吐き気を覚えて口を押えた。
「大丈夫!?」
「気分が悪いなら、この盥に吐いちゃってくださいっ」
「いえ、大丈夫です」
心配して駆け寄ってきたソフィアさんたちを手で制した。
気持ちが悪くなったのは、一瞬だ。
「微熱があるようね。頭痛は?」
アスティさんはそう尋ねながら私の両目下の皮膚を引っ張った。貧血かどうかを確認しているようだ。
そこから怒涛の質問ラッシュが始まった。
「あ、少しあります」
「最近、食の好みが変わっていたわよね。この寒い時期によくのぼせているし」
「まあ、そうですけど」
「月のモノは?」
「そういえば、今月は、まだ……」
聞かれるままに答えていたが、その質問で「あれ?」と思った。
もしかして、私?
「まさか、おめでた!?」
導き出された答えを口にしたのはソフィアさんだった。
赤ちゃん? 私のお腹の中に赤ちゃんがいるの?
このムカつきは、つわり?
私は自分のペタンコのお腹を両手で触る。身に覚えはあるけれど、実感は全くない。
「えーっ! アイーダさんのお腹の中に赤ちゃんが!?」
「二人とも、静かに。まだそうと決まったわけじゃないわ。まだこの情報は極秘よ。国を揺るがすことになるかもしれないんだから」
アスティさんの言葉に、浮かれていた二人は神妙に頷く。
そこまで驚くばかりだった私も、次々と気がかりなことが頭に浮かんできた。
王妃様は、この妊娠をどう思うだろうか。
陛下にはまだ子供がいない。もし私の妊娠が本当なら、そしてその子が男の子なら、王位継承権を持つことになる。
私の子供が、このロズシェイン国の王様になるの?
異国の、というか異世界の血が混じった子が王位を継げるの?
王妃様は私の妊娠をどう思われるだろう。折に触れて交換している手紙では「待ち遠しい」と書いていたけれど……。
そして何より――陛下は喜んでくれるのだろうか。
その夜、陛下が部屋にやってきた。仮面を外した顔を見て、少しやつれてしまったように感じた。詳しくは分からないけれど、色々な国の制度などを新たに制定しているせいで多忙を極めているためだろう。
今日は早めに休んだ方が良さそうだ。
陛下が寝酒を飲んだ後、「もう休みましょう」と言って寝室へ向かう。
陛下は誘われたと思ったようで、私を後ろから抱きしめた。
「キヨカ」
吐息が耳にかかり、身体の力が抜けて、何も考えられなくなる。
だけど、今日はそんな気になれない。
だって、もしかしたら、私のお腹の中には……。
「止めてください」
「なぜ拒む?」
腕の中から逃れようとすると、陛下が問う。その声は、とても硬い。
はっとしてその顔を見る。表情は読めないけれど、陛下はきっと私の言葉に傷ついている。
人に拒絶されることに耐えられないのだ。
私のように心を許してしまった相手には、特に。
「違います。嫌なわけじゃないんです。ただ……」
「ただ、何だ?」
陛下が重ねて問う。
私は何と言えばいいのか分からず口ごもり、そして全てを話すことにした。
この人に隠し事はしたくない。しちゃいけない。
「まだ確定ではないですけど、お腹に赤ちゃんがいるかもしれないからです。もちろん、陛下の子です」
確定ではないと言いながらも、私は確信していた。
私は、陛下の子供を身籠っていると。世界で一番愛している人の子供を。
「子供……?」
陛下の腕が離れた。まるで、戸惑っているような、困ったような顔をしている。
その表情を見て、私はショックを受けた。どこかで、陛下は喜んでくれるかもしれないと
一縷の望みを持っていたからだ。
「すみません」
「なぜ謝る」
「だって、陛下が困った顔をしているから」
子供なんていらない……そう言っていたはずなのに、どうしてそんな期待を抱いてしまったのだろう。
だけど、もし本当に妊娠していたとしたら、私は産んでみたいと思う。
陛下が許してくれないんだったら、どこかでひっそりと子供を産んで育てようか。私の養父であるシグルトさんは重臣だから立場上無理かもしれない。だけど、星見亭だったら、受け入れてくれるかもしれない。それがダメなら……。
「待て。また何か突飛なことを考えているだろう」
あれこれと思案している私を、陛下は抱きしめた。
「そうじゃない。確かに驚きはしたが、困ってはいない。ただ、俺は親の愛を知らずに育った。そんな俺が子供を愛せるはずがない」
耳に響く声は、わずかに震えている。
陛下がこれほど胸の内を見せてくれるのは珍しい。
私は陛下を抱きしめ返した。
「陛下は、愛を知っています」
誰よりも寂しがりやな陛下。
拒絶されることが嫌で、自ら周囲を拒絶してきた人。
それは陛下の愛が届かなかったせいだ。陛下は誰よりも人を愛したいと願っている。
行き場を失っていた愛を一身に受けた私は、それを知っている。
「気付いていないだけで、陛下は皆に愛されています」
「またそれか」
「私は陛下に愛を教えてもらいました。そして、私が陛下に愛を教えてあげました」
二人の日々は確実に愛を重ねてきた。
うぬぼれではなく、陛下は私を愛してくれている。私も陛下を愛している。
「子供を持つ自信がないなら、私だって一緒です。だって、妊娠しているかもって知ったばかりなんですよ? 今から自信たっぷりな方がおかしいです」
不安なら、私にもある。
流産なんてせずにちゃんとお産までこぎつけることができるだろうか。出産の痛みに耐えきれるだろうか。考え出したらキリがない。
だけど、陛下と話しているだけで根拠のない自信が湧いてきた。
どうしても子供が欲しかったわけじゃない。だけど、授かった命を失うつもりもない。
だったら、産むしかないだろう。
母は強しってよく聞くけど、私もすでに強くなっているのかもしれない。
「私の国には『案ずるより産むが易し』という言葉があります。物事は事前に考えるよりも難しくないっていう意味なんですけど。愛せるかどうかは、無事に生まれてから考えればいいんです。それまでは考えても意味ないと思いませんか」
もし陛下が愛せないというのなら、私がその分惜しみない愛を与えよう。きっと杞憂だと思うけれど。
「お前は……」
陛下は目を見開き、そして表情を緩めた。
「お前は、後ろ向きなんだか前向きなんだか分らんな」
「それって褒め言葉ですよね」
「ああ、もちろん」
陛下は私を宝物のように抱え上げ、ベッドへ横たわらせた。
「俺は子供に何をすればいい?」
「そうですね……手を繋いで、笑いかけて、抱きしめてあげてください」
「……」
苦手なことばかりなのだろう。陛下は苦虫を嚙み潰したような顔をする。
きっと大丈夫。陛下は、いいお父さんになれる。そんな気がする。
この子が、陛下の孤独を完全に消し去ってくれるだろう。
私はお腹に手を当てた。
まだまだ未熟なお父さんとお母さんだけど、頑張るからね。
早くあなたに会いたいです。
あなたにたくさんの幸せが降りそそぎますように。
あなたを、世界で二番目に愛しています。
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