獣狂いの王子様【完】

おはぎ

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僕の晴れの日 2

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「父上は、この日のために来たの?」


お披露目が終わり、早々と部屋に戻ってきたレンに、僕は聞いた。


「あぁ、都合を付けてもらった。……それにしても、ニア。よく似合っている。」


すりっとレンの手が僕の頬を撫で、熱を帯びた金色の瞳で全身を見つめられる。


「あ、ありがとう。この国の正装って白で綺麗だね。レンの服はまた違うんだね、初めて見た。」

気恥ずかしくなりながら返すと、


「それは今日のためだけの正装だ。何だ、気付いてなかったのか。そんなに私の色で包まれているのに。」

腰に腕を回されて抱き寄せられ、言われた言葉にはっとした。

……た、確かに。あ、刺繍も金色……!え、あ……!

そして、レンが着ている服の色が、自分の良く知る色であることに気付き、お互いがお互いの色に包まれていたのだと知る。

……何か恥ずかしい!

お互いがお互いの色を身に纏ってみんなの前であんな……!

「……ん?ねぇ、式って、もっとこう、儀式みたいなものじゃないの?」

何が何だか分からないままで流れていったが、結婚式ってもっと格式ばったものではないのだろうか。ふと、思い出しながら疑問を持つ。

「基本的には番となる者たちが誓えば、それで終わりだ。今回は、君を着飾りたいと使用人たちに言われてな。私色に染めると言うから許可しただけだ。ついでに民にも披露しておこうと思ってな。」

誓えば終わり、使用人たちが僕を着飾りたい、服も決められて……?何も知らなかったのだが?

「僕だけ何も知らなかった……。」

「すまない、君を驚かせたかったんだ。それに、私も楽しみにしていた。」

光るとキラキラと反射する生地を使った僕の服に、レンは指を滑らせながら満足気に口角を上げる。

「可愛い、私の番。」

するっと背中に手を回したかと思うと、途端に服が緩み、慌てて布を押さえた。

「え、この後はどうする……ちょっ、待って!」

「まずは君を愛させてくれ。もう限界だ。」

はだけてくる布を押さえても、腰に巻かれている布をずらされ、手がそこから差し込まれる。太ももを撫でられ、後ろに回った手で感触を楽しむようにお尻を揉まれる。

「レンっ……んぅ……!」

言葉を紡いだ時、噛みつくように唇が重なり、舌で歯列をなぞられ上顎を舐められ、奥に引っ込んだ僕のそれと強引に絡め取られて息が漏れる。

「はっ……は、ぁ……っ……!」

息が苦しくて、逃げようとした後頭部に手が差し込まれると、深く口付けられ、身体の体温が上がる。

「レ……ン……はぁっ……は……ぁ……。」

離された時、至近距離で獰猛に光る金色の瞳と目が合い、ぼやける視界で呼吸を整える僕は、逃げられないと息を飲んだ。

「……ニア。君が私の色に染まっているのを見るのは、案外クるものがあるらしい。」

はぁ、と息を吐き出したレンは、僕の顔の横に頭を埋めると、耳元でそう囁いた。耳にかかる熱い息に、僕は思わずビクつく。

「ひっ……んん……。」

耳を口に含まれて、熱い舌で舐められ、直接響く水音に腰が疼いて身を捩らせる。そんな僕を逃がさないと腰を密着させられ、緩く立ち上がっているところが擦れて声が漏れた。

「あぁ……っ……ふっ……そこ、当てないで……っ!」

耳を舐められながら、僕の足の間にレンの足がぐっと入れられて、そこに刺激を与えられる。

「ニア。気持ち良いな?」

「んっ……耳元で、しゃべんないで……!」

力の入らない僕は、レンにもたれかかるように身体を預けており、離れると布が落ちてしまう。レンはそんな僕を抱き抱えると、寝室へと足を進め、ベッドにそっと降ろされる。覆い被さってきたレンは、自分の服のボタンを外しながら、唇を振らせてきた。布をかき分けた中に手を入れられ、すでにピンと立っている飾りを指先でいじられる。

「んっレン、あぅ……っ……あぁっ……!」

片方は指でいじられ、もう片方は口に含まれて舌先で転がされ、下に伸びた手は、硬くなっているところを容赦なく掌で包み遊ばれる。同時に与えられる強い快感に、身体はびくびくと刺激に合わせて揺れる。

「はぁ、はぁ……ん、何で……。」

達しそうになった時に、刺激を止められ、涙目でレンに縋った時、ズンっと硬く熱いものが後孔に押し当てられ、気付いた瞬間にはそれが自身の中へと入ってきた。

「あっ、あっ、んぅ……あぁっ……!」

「っニア、ほら、我慢しなくていい。」

腰を打ち付けられながら、敏感なところを擦られ突かれ、口付けながら言われた言葉と同時に達した僕は、体の熱が少し落ち着く。

「……え、あっ、待って、あぁ……っ!」

そんな僕におかまいなく、再び中を突かれる感覚に声が上がる。

「……一度で、終わるはずないだろう。」

不敵に笑ったレンの瞳の熱は冷めず、捕食者の視線を向けられ、かき抱かれながら、再び快感ばかりが与えられて僕は意識を飛ばした。




「あっ……レン、レン……お願い、んん……っ!」

「……っニア。はぁ、可愛いな。ほら、腰が揺れているぞ。」

気付いた時、いつの間にかレンの上に跨り、快感を拾おうと自分で腰を揺らしていた。両手はレンの指に絡められており、腰を下ろす度に刺激が走り、声が漏れる。

「んぅ……あっ、もう、レンがしてぇ……っ!」

安定しない刺激にじれったさを覚え、レンにお願いする僕を、絡めた手でそのまま押されて形勢逆転される。僕を見下ろすレンは、容赦なく腰を打ち付け、ひっきりなしに僕は声を上げ続けたのだった。



―――――――――――――




「やりすぎですよ。ニアノール様は、リューン国王ともお話したかったのではないですか?」

……僕たちは、あれから3日間寝室にこもって致していたらしい。

宰相様が扉を叩き、部屋の外に出たレンと何やら話をしていた。戻ってきたレンは僕の身体を拭いて服を着せると、抱き上げてソファに降ろした。

……僕はちなみに、声は掠れて出ないし、身体に至っては怠すぎて動けない。

横抱きにされた僕は、顔をレンの胸に押し付けられており、存在は感じるが宰相様の姿が見えない。ソファの向かい側に座ったであろう宰相のラント様は、まずそう切り出したのだった。

「全く、今日帰られる予定だから、リューン国王様に一目だけでも会わせてあげなくていいんですかと聞いたじゃないですか。」

宰相のラント様が呆れたように言っているのが聞こえる。

……あれ、誰が帰るって?リューン国王とは父上なのでは?

僕は顔をラント様の方に向けようともぞもぞすると、

「こら。大人しくしておけ。」

後頭部に手を差し込まれて、頭のてっぺんに口付けられ窘められる。どうあっても僕は顔を出してはいけないらしい。

「けほっ……父上、げほっ……帰る……?」

何とか視線だけレンに向けて、頑張って言葉を出して聞く。

「……あぁ、今日国に帰るらしい。ニア、ほら水だ。」

そう言ったレンが、何故か自分で水を飲んだかと思うと、口付けられ、開かれた唇から水が流れてきて思わず飲み込んだ。僕は、離れていった唇を追おうとレンの胸に手を付き、首を伸ばそうとしたところで、

「……こほん。」

咳払いが聞こえ、はっと我に返った。その瞬間、恥ずかしさで全身が一気に熱くなり、レンの胸に顔を押し付け出来る限りきゅっと小さく縮こまった。

……わぁぁぁ!!僕は何を……!

レンとずっと引っ付いていたから、距離感や触れ合いに対し抵抗がなくなっている。人前で何てことをしてしまったのだ。……僕はもうここに住みます。レンの腕の中で覚悟を決めた。

「もういいのか?ニア、まだあるぞ。」

耳にわざとちゅっと音を立ててキスをしてくるレンの声は嬉しそうで、余計に居たたまれない。

……ちょっと放っておいて欲しいのだが!?

「陛下、ニアノール様を離したくないのは分かりますが、挨拶ぐらいさせてあげては?」

「……ニアは声が出ない。」

「わざと出せなくした人が何を言ってるんですか。ニアノール様、お会いになりませんか?今、下でお待ちになられていますよ。」

「……あ、会います。」

父上が帰るらしいと思い出し、何とか声が出るようになった僕を抱えるレンの手に、少し力が入ったのが分かった。

……?

違和感はあったが、僕は立ち上がったレンに慌ててしがみついた。僕はそのまま、レンの胸に顔を埋めた状態で立ち止まるのを待った。扉が開かれた部屋に入っていくのを感じながら、僕は少し顔を上げた。

「……リューン国王、待たせたようで悪かった。本日、帰国するのだな。道中、気を付けるように。」

入った部屋で、淡々と言うレンに、僕はもぞもぞと何とか父上の方に顔を向けた。

「お気遣いいただき、ありがとうございます。そう警戒されずとも、もう隠してることは何もありませんよ。」

苦笑する父上がレンにそう言い、

「ニア、お前にとったらここはまさしく天国のような国だろう。だが、王と共に生きることは国そのものとして生きることだと自覚しなさい。もし何かあったら…いや、お前は何かあっても我が国には帰ってこないだろうな。まぁとにかく、しっかりやっていきなさい。」

僕を見て、穏やかに続けた。

「私の心労について色々と言いたいことはあったが、もういいさ。幸せそうだし、水に流してやる。」

「何言ってるんですか、父上。僕が心労を掛けるわけないじゃないですか。あと、何かあっても僕はこの国にいます。出るわけないじゃないですか。」

獣人たちで溢れる国から出るなんて、そんなことする訳ないじゃないかとの僕の心の声は、きちんと伝わったらしい。引き攣った顔で父上が笑った。

「この通りの息子です。どうか、よろしくお願いします。」

そう締め括った父上は、僕たちに見送られて王宮を後にしたのだった。



――――――――――



「ねぇ、レン。どうしたの、何か変だったよ。」

父上が帰った後、僕はいっそう離れなくなったレンに聞いた。

「……リューン国王が来た時に、少し話をした。君と、他の王族を数年後に取り換えてもらう予定だったとな。」

酒も入っていたから、口を滑らせたんだろう、と続いたレンの言葉に思わず固まった。

「あ、あ、それはその……。」

まさか、なかったことにしたであろう話を、父上がうっかり口を滑らして言ってしまったとは。

「分かっている、もうそんなつもりはないと。もし番を奪われるようなことがあれば、獣人は容赦しない。原因となったものを狩りつくすだろう。」

……リューン国が危機です。心労とか言っておいて、父上の方がやらかしているじゃないか。

割と過激な僕の番。いや、獣人自体が結構過激な生物なのか?でも戦っているところも見てみたいなと、現実逃避という名の考えが出てくる。

「えっと、まさか僕を受け入れてくれるとは思ってなくて。僕みたいなのは、基本的に成人したら国を出ることが多くて。」

「全て聞いた。歴代の王族にも、君のように特化した趣味嗜好を持つ者がいたと。皆、王族の身分を捨て、国を出て好きに生きているのだと。」

……おぉ、もうこれは全部知っている感じだ。全部言っちゃったんだ。父上、何が心労だ!

心の中の何人もの僕は、父上に見立てた人形の上からティーカップを傾け、紅茶を浴びせて溺れさせている。ちょっとしたホラーだ。僕よ、静まりたまえ。

何とか深呼吸して自分を落ち着かせる。

「そう、僕も成人したら出て行くつもりだったよ。まぁ、出て行くっていっても、もともと僕が行きたかったのはこの国だから…。」

……あれ、そうだった。そもそも、僕はまず国を出たら、ジーン国に行きたかったんだった。その後、動物と共存しているというラモール国に行こうと思ってたんだった。

「ねぇレン。新婚旅行って行くの?行くんならラモール国に行きたい!」

「……待て、ニア。話が飛びすぎだ。どこから新婚旅行の話になったんだ。」

間違えた、先走ってしまった。

「あのね、ジーン国とラモール国は絶対に行きたかった国でね、ラモール国は動物がいっぱいなんだって。動物がいっぱいなんだよ?町中に動物がいるんだって。可愛いよね。」

「ニア、だから……。はぁ、もういい。もう君は私の番で、この国の王族となったのだから。ラモール国に行く段取りは、また後日だな。」

先になぜラモール国に行きたいかを伝えるべきだったと思い直して説明したが、レンはそんな僕に苦笑しそう返してきた。

「君がこの国を愛してくれているのは分かっている。…今となっては、君が獣狂いと言われる特性を持っていることに感謝だな。」

……そりゃ愛してますが?もう僕はこの国の王であるレンと婚姻を結んだんだからね。頼まれたって出て行かないから。王族だってことを前面に出して居座ってやる所存です。

僕は胸を張って言うと、それを聞いて珍しくレンは声を上げて笑ったのだった。





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