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早速収納を試そうとするが、やり方が分からない。カバンを地面に置き、右手で触れてみるが何も起きない。
「不良品? 返品はきくのかこれ?」
もう一度カバンに触れ、今度は頭の中で(収納)と念じてみると、先程までそこにあったカバンが目の前から消えた。
「できた! さて、お願いします!」
(ステータス)
黒川 夜
レベル:21
属性:闇
HP:2900
MP:2470
攻撃力:1860
防御力:2020
敏捷性:2750
魔力:4190
スキル
・シャドークロー レベル2
・ダーク レベル2
・ナイトメア レベル1
装備
・冒険者証
・収納の指輪
「よし、思った通りだ! これで朝まで戦えるぞ!」
今来た道と逆方向に進んで行くと、すぐに階段が見つかった。5階は少し広く、攻略には90分以上かかってしまった。
(もしかすると、5階、10階、15階以降は広くなっているのかもしれないな。)
より早く進む為に、常にシャドークローを発動させることにした。視界が広がり、弓の射程外からダークをかける事ができるからだ。
また、ダークがレベル2になったことで、ゴブリンアーチャーが複数体出現しても対応が簡単になるだろう。
それから6階、7階と順調に攻略し、8階へと到達した。
「ダークがこんなに便利だったとは……。アーチャーを完全に無力化してしまったぞ。」
鏃が当たったとしても、皮膚を突き抜ける事は無いだろうが、毒が塗られている可能性がある。用心は必要だ。
しかしここまで肝を冷やす場面はあったが、ソロとは思えない早さで進んでいる。ダンジョンはパーティーで攻略するのが冒険者の常識で、小ダンジョンとはいえ1人での攻略は異例である。
どんどん進んで行くと、明るい光の漏れる通路を発見した。
(お、セーフゾーンか? ちょっと休憩もありだな。)
中を覗くと広い部屋になっていて、奥にもまた通路があった。
「お邪魔しまーす。」
暖簾を潜る真似をしながら中に入ると同時に、部屋に大量のゴブリンが突如出現した。その数なんと50体。
「お、お邪魔しました!」
急いで逃げようと振り返ったが、今入ってきたばかりの入り口は、いつの間にか壁になっていた。
モンスターハウスと呼ばれるこの罠は、セーフゾーンを模したり、中央に宝箱があったりと、冒険者を誘い込むように姿を変え、中に入ったが最後モンスターと共に閉じ込められてしまう。
(ダーク)
手当たり次第の10体にダークをかけると、視界を奪われたゴブリンは大慌てで武器を振り回す。それが周囲を巻き込み、大混乱に陥った。
「よ、よし! 作戦成功だ……。」
(シャドークロー)
壁に沿って集団に近づき、両手の漆黒の爪で端から1体ずつ確実に倒していく。囲まれないよう注意しながら、一定の距離をとりつつ、攻撃しては離れを繰り返す。
連携のとれない50体のゴブリンに成す術はなく、5分足らずで全滅してしまった。すると、壁になっていた出入り口が復活し、部屋の中央に宝箱が現れた。
「お、これはご褒美ですかな? てことは罠なんて無いよね? 頂きまーす!」
宝箱を開けると、足元に巨大な落とし穴が出現した。完全に油断していたため、直立したまま浮遊感に包まれる。
「ぎゃああああああああ」
真っ暗闇のトンネルを、重力加速度に任せて落ちていく。足元を見ると出口らしき明かりが見えた。
スクワットで沈み込んだような体勢でどしんと地面に着地すると、足の裏から膝のあたりまでビリビリと痺れを感じた。
「いやあああああああ!」
女性の悲鳴が聞こえた! 何事かと声のする方を見ると、口を大きく開けて絶叫している女性と目が合った。まずい、丸出しだ! どうする!?
(股間 シャドークロー)
すぐに隠さなければという気持ちが先行し、股間に発現されたそれは、黒々とした反り立つ巨大な角となり、更なる悲鳴を呼ぶのであった……。
「不良品? 返品はきくのかこれ?」
もう一度カバンに触れ、今度は頭の中で(収納)と念じてみると、先程までそこにあったカバンが目の前から消えた。
「できた! さて、お願いします!」
(ステータス)
黒川 夜
レベル:21
属性:闇
HP:2900
MP:2470
攻撃力:1860
防御力:2020
敏捷性:2750
魔力:4190
スキル
・シャドークロー レベル2
・ダーク レベル2
・ナイトメア レベル1
装備
・冒険者証
・収納の指輪
「よし、思った通りだ! これで朝まで戦えるぞ!」
今来た道と逆方向に進んで行くと、すぐに階段が見つかった。5階は少し広く、攻略には90分以上かかってしまった。
(もしかすると、5階、10階、15階以降は広くなっているのかもしれないな。)
より早く進む為に、常にシャドークローを発動させることにした。視界が広がり、弓の射程外からダークをかける事ができるからだ。
また、ダークがレベル2になったことで、ゴブリンアーチャーが複数体出現しても対応が簡単になるだろう。
それから6階、7階と順調に攻略し、8階へと到達した。
「ダークがこんなに便利だったとは……。アーチャーを完全に無力化してしまったぞ。」
鏃が当たったとしても、皮膚を突き抜ける事は無いだろうが、毒が塗られている可能性がある。用心は必要だ。
しかしここまで肝を冷やす場面はあったが、ソロとは思えない早さで進んでいる。ダンジョンはパーティーで攻略するのが冒険者の常識で、小ダンジョンとはいえ1人での攻略は異例である。
どんどん進んで行くと、明るい光の漏れる通路を発見した。
(お、セーフゾーンか? ちょっと休憩もありだな。)
中を覗くと広い部屋になっていて、奥にもまた通路があった。
「お邪魔しまーす。」
暖簾を潜る真似をしながら中に入ると同時に、部屋に大量のゴブリンが突如出現した。その数なんと50体。
「お、お邪魔しました!」
急いで逃げようと振り返ったが、今入ってきたばかりの入り口は、いつの間にか壁になっていた。
モンスターハウスと呼ばれるこの罠は、セーフゾーンを模したり、中央に宝箱があったりと、冒険者を誘い込むように姿を変え、中に入ったが最後モンスターと共に閉じ込められてしまう。
(ダーク)
手当たり次第の10体にダークをかけると、視界を奪われたゴブリンは大慌てで武器を振り回す。それが周囲を巻き込み、大混乱に陥った。
「よ、よし! 作戦成功だ……。」
(シャドークロー)
壁に沿って集団に近づき、両手の漆黒の爪で端から1体ずつ確実に倒していく。囲まれないよう注意しながら、一定の距離をとりつつ、攻撃しては離れを繰り返す。
連携のとれない50体のゴブリンに成す術はなく、5分足らずで全滅してしまった。すると、壁になっていた出入り口が復活し、部屋の中央に宝箱が現れた。
「お、これはご褒美ですかな? てことは罠なんて無いよね? 頂きまーす!」
宝箱を開けると、足元に巨大な落とし穴が出現した。完全に油断していたため、直立したまま浮遊感に包まれる。
「ぎゃああああああああ」
真っ暗闇のトンネルを、重力加速度に任せて落ちていく。足元を見ると出口らしき明かりが見えた。
スクワットで沈み込んだような体勢でどしんと地面に着地すると、足の裏から膝のあたりまでビリビリと痺れを感じた。
「いやあああああああ!」
女性の悲鳴が聞こえた! 何事かと声のする方を見ると、口を大きく開けて絶叫している女性と目が合った。まずい、丸出しだ! どうする!?
(股間 シャドークロー)
すぐに隠さなければという気持ちが先行し、股間に発現されたそれは、黒々とした反り立つ巨大な角となり、更なる悲鳴を呼ぶのであった……。
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