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(大丈夫なのこれ……?)
「食事をしながら自己紹介としようか。始めてくれ。」
伯爵の合図とともに食事が運ばれてくる。
銀の食器にレースが敷かれ、その上にまた銀の食器が置かれてスープが入っている。
(1つの料理に皿が2枚!?)
絶対美味しいやつだなと感じとったが、この場で騒いではいけない。落ち着け、フリじゃないぞ、絶対だぞ。
頭の中を料理の感想が次から次に駆け巡るが、必死に自制する。頑張れ俺。
その後も温野菜のサラダや肉料理と続くと、
「私はこの街の管理を任されているミルフォン・ジェイクウッド。こちらは妻のルイーダ。長男で9歳のミカエルに長女で7歳のイザベラだ。」
ルイーダさんは銀糸のような美しい輝きの長髪に、垂れ目でおっとりとした印象の美人だ。
ミカエル君は父親譲りのプラチナブロンドの髪を短く切りそろえ、母親譲りの垂れ目が可愛らしい。
イザベラちゃんは銀髪を肩まで伸ばし、クリクリとした大きな目と長いまつ毛が特徴だ。
2人とも大人になったらさぞかしおモテになるでしょうな。
「お初にお目にかかります。シルバーⅡ階級冒険者のヨールと申します。」
「ふふ、緊張せずともよい。まずは食事を楽しんでくれ。」
(そりゃ無理ってもんですぜ旦那……。)
最後に紅茶? とデザートが出てきた。英国式のアフタヌーンティーセットのような、3段プレートの食器に焼き菓子が乗っていた。
自分の暮らしとかけ離れた目の前の光景についていけず、言われるがままされるがままで、頭の中は真っ白だ。
食事を終えると、伯爵がゆっくりと口を開く。
「今回の依頼なんだが、子供達と遊んでやってほしい。これから家庭教師が来るので、魔法の授業を一緒に受けてくれればいいよ。珍しい闇属性を見たいと言うのでね。」
「謹んでお受けいたします。」
その後俺は、執事に案内され子供達の部屋へ案内されると、ミカエル君が話しかけてきた。
「ヨールと言ったな、レベルとステータスを教えろ。」
流石貴族、上からきやがるぜ。教えてやるか、この俺のステータスってやつをな!
(ステータス)
黒川 夜
レベル:14
属性:闇
HP:13
MP:13
攻撃力:6
防御力:6
敏捷性:6
魔力:6
頭に浮かぶこの哀れな数値をそのまま伝える。
「嘘をつくな! 私がレベル1の時よりも低いではないか。」
「嘘ではありません、ミカエル様。私は夜になるとステータスが増えるのです。昼間の貧弱さをお見せしましょう。」
(シャドークロー)
俺は頭と両耳と右手にスキルを発動する。プレスリースタイルだ。ちゃんと武器にもなりますよと示すのに手にも出しておいた。
左手の人差し指で頭の爪に触れると、ジジジジと音がする。バフのおかげで流石に少し痛くなってるな。
「わはははは、なんだその姿は! 本当に弱いのだな貴様。気に入った、僕とイザベラの弟子にしてやろう!」
(良かった、子供にはうけたぞ。)
俺に9歳と7歳の師匠ができた。
「食事をしながら自己紹介としようか。始めてくれ。」
伯爵の合図とともに食事が運ばれてくる。
銀の食器にレースが敷かれ、その上にまた銀の食器が置かれてスープが入っている。
(1つの料理に皿が2枚!?)
絶対美味しいやつだなと感じとったが、この場で騒いではいけない。落ち着け、フリじゃないぞ、絶対だぞ。
頭の中を料理の感想が次から次に駆け巡るが、必死に自制する。頑張れ俺。
その後も温野菜のサラダや肉料理と続くと、
「私はこの街の管理を任されているミルフォン・ジェイクウッド。こちらは妻のルイーダ。長男で9歳のミカエルに長女で7歳のイザベラだ。」
ルイーダさんは銀糸のような美しい輝きの長髪に、垂れ目でおっとりとした印象の美人だ。
ミカエル君は父親譲りのプラチナブロンドの髪を短く切りそろえ、母親譲りの垂れ目が可愛らしい。
イザベラちゃんは銀髪を肩まで伸ばし、クリクリとした大きな目と長いまつ毛が特徴だ。
2人とも大人になったらさぞかしおモテになるでしょうな。
「お初にお目にかかります。シルバーⅡ階級冒険者のヨールと申します。」
「ふふ、緊張せずともよい。まずは食事を楽しんでくれ。」
(そりゃ無理ってもんですぜ旦那……。)
最後に紅茶? とデザートが出てきた。英国式のアフタヌーンティーセットのような、3段プレートの食器に焼き菓子が乗っていた。
自分の暮らしとかけ離れた目の前の光景についていけず、言われるがままされるがままで、頭の中は真っ白だ。
食事を終えると、伯爵がゆっくりと口を開く。
「今回の依頼なんだが、子供達と遊んでやってほしい。これから家庭教師が来るので、魔法の授業を一緒に受けてくれればいいよ。珍しい闇属性を見たいと言うのでね。」
「謹んでお受けいたします。」
その後俺は、執事に案内され子供達の部屋へ案内されると、ミカエル君が話しかけてきた。
「ヨールと言ったな、レベルとステータスを教えろ。」
流石貴族、上からきやがるぜ。教えてやるか、この俺のステータスってやつをな!
(ステータス)
黒川 夜
レベル:14
属性:闇
HP:13
MP:13
攻撃力:6
防御力:6
敏捷性:6
魔力:6
頭に浮かぶこの哀れな数値をそのまま伝える。
「嘘をつくな! 私がレベル1の時よりも低いではないか。」
「嘘ではありません、ミカエル様。私は夜になるとステータスが増えるのです。昼間の貧弱さをお見せしましょう。」
(シャドークロー)
俺は頭と両耳と右手にスキルを発動する。プレスリースタイルだ。ちゃんと武器にもなりますよと示すのに手にも出しておいた。
左手の人差し指で頭の爪に触れると、ジジジジと音がする。バフのおかげで流石に少し痛くなってるな。
「わはははは、なんだその姿は! 本当に弱いのだな貴様。気に入った、僕とイザベラの弟子にしてやろう!」
(良かった、子供にはうけたぞ。)
俺に9歳と7歳の師匠ができた。
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