40 / 46
4 2回目
1 抱き締める
しおりを挟む私が住んでいた街は、高い城壁に囲まれた大きな街だった。
劇場や闘技場等の娯楽施設もあり、人の往来が多く賑わいがあった。
私は、西の区域に住んでいた。
街は東西南北中央と別れており、中央には城があった。
城には領主が住んでおり、東西南北にはそれぞれのまとめ役がおかれていた。
私には、兄が3人姉が2人の年の少し離れた6番目の末っ子で、前の記憶の一部を家族に言ったとき「面白そうな物語だね、どこで聞いてきたの?」と、言われた。
これは、話してはいけないことなんだと思った。
家は鍛冶屋で父と兄が営んでいた。姉たちは嫁に出ていたが母と縫製の仕事をしていた。皆、家の近くに住んでいて仕事が忙しいと兄姉親戚に預けられた。
兄夫婦のケンカや仲直りするところや従兄の彼女とのお出掛けをこっそり見たりしていた。
なぜか物作りには興味を示せない子供だった。
「いろいろな子供が生まれるから、子育ては楽しいわ。」と、母が私の頭を撫でながらよくいってた。
本当は、縫製の仕事を覚えさせたかったようが、私は仕事としてやっていくには微妙だった。
素人としては上手いが、職人としては…。
それは突然だった。
従姉の商品を契約先のお店へ、納品の手伝いについて行ったときだった。
そこの娘さんと、初めて会った。
[[…もしや…。]]
そのまま、何も言わず抱き締めた。
「あら、お友だち?」
「「うん、今なった。」」
彼女の家は、洋品屋だった。
彼女にあったと言うことは、彼らも…と思った。
だけど、こんな近くは無理かなとも思った。彼女と同じ所にいるのだって凄いのに…。
生まれ変わったとしても、同じ街や地域にいるとは限らない、ましてや人とは限らない…虫かもしれないしね。
虫…面白いかも…むふふ…虫…ひひひ。
彼女と初めて、待ち合わせをした。
城の前の中央広場。
城の前が円形状に広くなっておりそこで、お祭りがあったり行商の市がたったりした。
城の門番の横で、待ち合わせした。
門番の人と一緒に立って待っていると、彼女がやって来た。
会うのは、二回目だとうのにすぐに彼女だとわかった。
前の時とは全然顔が違うのに、不思議だ。
門番の横で、再会を喜びあい抱き締めた。
門番の人も両手を広げ「俺も!」と私たちに笑いかけた。
「「あら、やだわぁ。」」
「ダメかぁ。」
「「うふふふ。」」
「お出掛け気を付けてな。」
私たちは笑顔で門番に手を振り、手を繋ぎ広場へと足を踏み立たした。
「「きゃはははは、今のはいい出来事だったわぁ。」」
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【R18】淫魔の道具〈開発される女子大生〉
ちゅー
ファンタジー
現代の都市部に潜み、淫魔は探していた。
餌食とするヒトを。
まず狙われたのは男性経験が無い清楚な女子大生だった。
淫魔は超常的な力を用い彼女らを堕落させていく…
ねえ、私の本性を暴いてよ♡ オナニークラブで働く女子大生
花野りら
恋愛
オナニークラブとは、個室で男性客のオナニーを見てあげたり手コキする風俗店のひとつ。
女子大生がエッチなアルバイトをしているという背徳感!
イケナイことをしている羞恥プレイからの過激なセックスシーンは必読♡
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる