モブ転生~最高の観客席~

とんこ

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1 今生 5回目

4 嫉妬からの

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  噴水広場に、ファイティングポーズのまま向かい合っている、男女がいた。

 「このクソが!」

 「なっ!なんて言葉を言うんだ!」

 「はぁ、クソにクソって言ってんじゃない!バカじゃないの!」

 「なっ!バカはお前だ!」

 ちょっと遅れたら、もう始まっていた。

 [なにがどうなった?]

 [もうちょっと見てて!]

 「この浮気者!私だけって言ってたくせに!」

 「はぁ?!お前だけだろうが!」

 じりじりと、円を書くように間合いを取っている。

 「じゃあ何で昨日、子爵令嬢なんかと、街に行ったのよ!」

 「子爵令嬢?一緒に行ってないけど。」

 「はぁ、見たんだからね!カフェに入るところを。」

 「カフェ…あぁ、前で会って挨拶したよ。明日の卒業式とパーティー楽しみだねって。」

 「ん?」

 令嬢が、首を傾げた。

 「うそ!やったぁ。」と、勢いよく令嬢に抱きつき、持ち上げる。

 「ちょっと!なによ!」

 「ふふふ、嬉しい。もう、可愛いなぁ。君だけだよ。」と、軽くキスをした。

 [わぉ!]

 「えっ?勘違いしてたの…。」令嬢が手で顔を覆って俯いた。

 「手を出して、約束のものだよ。」と、令嬢を下ろし 、小箱を手に乗せた。

 「開けて良い?」

 「開けてみて。」

 「まぁ!」

 「ふふふ。」

 木の陰からでは、ちょっと遠い。

  [指輪だよ。昨日、宝石商に自ら受け取りに行ったんだよ。]

 [素敵!自ら出向くなんて!]

 「君の瞳と僕の瞳の色の石で、花をモチーフに作ったんだよ。」

 「ふふ、素敵!」と、彼の首に腕を回す。

 「気に入ってくれた?僕のお姫様。」と、ちゅっと頬にキスをする。

 「勿論よ、私の王子様。」と、唇を重ねた。
 
   [勘違いからのぉラブラブ。]

   [いいわぁ。]

  [顔を覆って俯くって…可愛すぎ!]

 皆で手で顔を覆う…が、指の隙間から見てる。

  [次行くよ!]

 覆ったまま、顔を合わせ頷く。







    
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