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観られてる…
1 怖い
しおりを挟む石原と付き合いはじめてから、季節がいくつか過ぎたとき、ふと目についたものがあった。
部屋のソファーに座ると前にテレビが置いてあり、テレビの横のキャビネットの上には、観葉植物が2つ置いてあり、その前に祖母がかわいいからと衝動買いした、何焼きだっけかの焼き物の地蔵が置いてある。
「こんなの置いたっけ?結構大きいな。」
地蔵の後ろに陶器の箱が置いてあった。
よくみると側面にガラスが、いくつか嵌め込まれている。
「キャンドルホルダー?」
上の部分にロウソクが、のっていた…。
地蔵の後ろから、それを取り出すとガラスの部分がなんだかおかしい。
上の部分がはずれるみたいなので、かぱっとはずしてみたら、黒い機械が入っていた。
取り出すとレンズがついていた。
「…カメラ…盗撮…。」
俺は、怖くなった。
よく見ると電池式だった。
赤く光っているということは、撮影されてる?
仕組みがよくわかならないけど、怖いからこの間もらったチョコレートの紙の袋へ入れ、もとの場所へともどした。
他にもあるかもと思って、部屋や脱衣所、廊下を見たがわからなかった。
[石原、俺だけどちょっと話したい事が…あるんだ。また連絡する。]と、石原の携帯の留守電に伝言を残した。
それから、ちょっとしてから石原から電話があり、部屋に来てくれることになった。
「どれだ?」
着て早々に石原に紙袋の中身を見せた。
「これは俺が預かるよ。不動産屋に言った?鍵の事。」
「あぁ、担当の人が提携している所を手配してくれるって。」
「そうか、いつくるんだ。」
「もうくるよ。」
「そうか。」
石原が来てくれて本当によかった。
俺は、動転してしまってどうしていいかわからなかった。
お茶を飲んで一息ついているところへ、鍵屋がやってきた。
あっという間に鍵を交換し、颯爽と帰っていった。
玄関に鍵をかけてから、部屋に戻ると携帯片手に石原がソファーに転がっていた。
「さっきお茶だったから、コーヒーでも飲む?」
「いいよ、座って膝枕してほしい。」
俺は、軽く息を吐くと、ソファーに座り太腿に石原の頭をのせた。
石原のお頭を撫でながら、「今日は来てくれてありがとうね。」と、お礼を言った。
「大事なお前の為だもの、気にするなよ。」と、携帯をいじりながら石原が、俺の方へ目線を俺へ向ける。
「そうだ、夕飯食べてく?材料ちょっと買いにいかないといけないけど。」と、俺が声をかけると石原が、体を反転し俺の腹へ顔をくっつけてぐりぐりしてきた。
「買い物行く。」と、石原が体を起こす。
「ちょっと待ってて、着替えてくる。」
ベットルームで、着替えてから出ると石原がちょうどいいタイミングでリビングから出てきた。
「お、ナイスタイミング。行こうか。」
石原が、携帯を見ながら「おお。」と、返事しながら歩いてきた。
「危ないよ。」
「あぁ。」
石原が、携帯を胸ポケットいれてから、靴を履いているところを玄関の扉を開け放ちながら、見ていた。
外は、まだ日が高く少し暑そうだった。
スーパーで、買い物したあと棒アイスを食べながら部屋へと歩いた。
「いつから置いてあったか、気づかない俺って本当にダメだな。」
「全然気がつかんかったの?」
「いつも掃除してたんだけどなぁ。」
「でも、他にはなさそうだったんだろう?」
「…うん…見た感じは…。」
「まぁ、鍵が換わったし取り合えず、安心じゃん。」
「そうだな。」
玄関の新しい鍵は、最新式で合鍵を作るのに難しいらしい。
部屋のソファーでまた、石原に膝枕をしてやってると、携帯を見ていた石原がポツリと言った。
「鍵ほしいな。」
「えっ?」
「俺に部屋の鍵くれない?」
「なんで?」
「うーん、お付き合いしてるから?かな。」
「あげてもいいけど、居ないときこられてもね。」
「掃除とかしてあげるよ。」
「いいよ、そんなの。」
「俺の部屋の鍵あげるから。ね。」
石原は、頭を反転し俺の腹に顔をぐりぐりとながらシャツの中に手を入れ撫でてきた。
「じゃぁ、交換こね。」
石原は、起き上がるとソファーの脇に置いておいたカバンから、鍵を取り出した。
「はい。俺んちの鍵」
「えっ?スペアー持って歩いてるの?」俺は、石原に手を差し出した。
俺の手のひらに鍵を乗せて、微笑んだ。
「渡したいなと思ってたんだ…ずっと。」
「そっかぁ、じゃぁ俺のも。」
俺は、先程鍵屋からもらったを1つ石原に渡した。
石原は、嬉しそうにキーケースにしまった。
「一杯ついてるね、鍵。」
石原は、カバンにしまいながら「実家と今の部屋と会社のデスクとジムのロッカーだよ。」
「ふーん。」
石原は、俺の横に座ると「夕飯の下ごしらえしちゃおうよ。そのあと、いちゃいちゃしたい。」
と、俺をぎゅうぎゅうと抱き締めた。
「そうしよう。」と、石原の腕をさすった。
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