【R18】冒険者ですが、一人で自由にしています。

169 流される

　外が暗くなるまで、アンソニー様とテラスでぬっぷぬっぷ。

　二人で風呂に入り、腰にタオルを巻き部屋をうろうろ。

　タバコが、残り少なくなってきていることに、そわそわ。

　テラスのソファーに腰をおろし、タバコに火をつけ、ぷかぷか。

　「ふっー、どうしよう。」と、呟く。

　「お腹すきませんか？」と、声を掛けられる。

　腹も減ってるし、疲れてもいる。

　ソファーの背もたれに凭れながら、灰皿に灰を落とす。

　「飯にしましょう。明日の事を話しましょう。」

　アンソニー様は、うなずくとルームサービスを頼んだ。



　向かい合い、同じ物を一緒に食し、一緒のベットで眠りにつく。

　今まで、色々な男女とそうしてきたが、結局離れたし、疲れた。

　俺の頑張りがたいりないのか、俺の理解力がたりないのか、俺の我儘なのか…まぁ、我儘なのだろう。

　目の前に座る、見目麗しく所作の綺麗な王子さま。

　俺は、本当にどうしたらいいのだろう。


　「ジュリアン様、明日王都へ帰ります。一緒に行って…無理ですよね…。」

　「少し考えさせてください。」俺は、微笑んだ。

　はっきり言って、面倒臭い。


　俺は、ワイングラスを傾けながらそれを眺めた。


　困ったなぁ。
　


　人として、愛されることは素晴らしい事だ。

　重い愛は、重々経験してる。

　さらにそれが増えたところで…。


　「アンソニー様、お一人でお帰りください。」

　「はい。」とても、寂しそうだ。

　「今度は、私からアンソニー様に会いに行きますから。」

　信じられないと言う目で、俺を見る。

　「約束します。今年中には必ず。」

　「はい。」

　少し嬉しそうな顔で返事を返してくれた。


俺、本当に流されやすいな。


　アンソニー様の笑顔をみながら、小さく息をはいた。