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144 また、怒られた。
しおりを挟む浄水の視察中、暇なので男の子と一緒にぶらぶらした。
「ほら、お絵描きの人だよ。」と、遠くを指差した。
畑の合間に帽子を被った人が、座っていた。
「へぇ、本当にいるんだ。」
「あっちに行こう。」と、男の子が手を引く。
少し大きな建物がある。
「あそこに何があるの?」
「お勉強するところだよ。俺も行ってる。」
「お勉強?すごいね。」
勉強するところは、二階建ての石造りで頑丈そうな建物だった。
お勉強するところにも、さっきとは別の兄様がいた。
「ジュリ!みんなは?」
このパターン。
「この子が、ここで勉強してるって。」
「そうか。連れてきてくれてありがとう。」
「どういたしまして。」男の子は顔を赤くして、微笑んだ。
お勉強のお部屋を見せてもらっていると、やってきた。
「ジュリ、行くときは声をかけていって。」
「はい。」
「また、怒られたね。」ちょっと、嬉しそうに言われた。
「むむむ。」
お勉強するところは、計算と読み書きを覚えるところで、領内の町村に設けているとのこと。
もっと勉強したければ、王立の学園に通う足掛かりにもなるからと、兄様が言っていた。
俺の兄様達って、本当にすごいな。
浄水と下水道施設。
教育施設。
道路整備。
俺にはやはり、無理そうだ。
どうしたら領地が、良くなるのか…上手く考えられないし、出来たとしてもそれを形に出来ないだろう。
「お花きれいでしょ。俺たちでお水上げてるんだ。」
「だから、きれいに咲いてるのかな。」
花壇の前に男の子と座って、お花を見ていた。
「ジュリ兄、行くよー。」と、甥に声を掛けられた。
「イロイロありがとうね。」と、男の子にお礼を言った。
「また来てね。」
「あぁ。」と、手をふった。
また、馬車に乗せられた。
「帰りたい。」と、呟くと「もうすぐ着くよ。」と、父様に言われた。
小屋に帰りたい。
家に帰ったら、取り敢えず帰ることを言おう。
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