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96 ニヤリ
しおりを挟む俺の腕のなかで、もぞもぞと彼が動いた。
それを利用して、そっと俺は抜け出そうとしたら、目があった。
「おはようございます。」
「おは…よう。」
彼は、にっこりと微笑んだ。
「すまない。俺、寝ぼけたかな?」
「うふふ。私が運んだんです。ぐっすり、お休みでした。」
「床で、よかったんですよ。」
「一緒に寝てダイジョブだったでしょう?」
「えぇ、まぁ。」俺は、頭をかいた。
彼は、頬を俺の胸に擦り付けた。気のせいだろうか、俺の両乳首達が真っ赤に腫れ上がっている。
「取り合えず、起きてシャワーでも浴びましょうか。」
「そうですね、お先にどうぞ。」
彼が、手を出し促した。
「じゃぁ。」
俺は、早々にシャワーを浴び出た。
タオルを巻いたまま、出てきて彼に「どうぞ。」と、声を掛けた。
彼が入っている間に水を火にかけ、窓際でタバコに火をつけた。
窓の下を仕事へ出掛ける人の波が、動いていた。
ポットが、しゅっしゅっと音を出す頃に、彼がシャワーから出てきた。
俺は、タバコの火を消すとコーヒーの準備をした。
「コーヒー淹れますね。」
「はい。」彼はぱんいちで、ベットに縁に座り、濡れた頭をタオルで拭いていた。
部屋にコーヒーのいい香りがただようと、彼が鞄から紙の袋を出してきた。
「コーヒーと、合うといいのですが。」
「どれ?」袋のなかには見たことのない、甘い香りのする物が入っていた。
「お菓子なんですが…。」
「では、一緒にいただきましょう。」
そのお菓子は、タルト生地に玉子の味わいのクリームが焼けたものが、載っていた。
「おいしいですね。」
「はい。気に入っていただけてよかったです。」
彼は、シャワーの後だからか、頬がほんのりと赤く染まっていた。
「着替えたら、一緒にギルドへ行きましょう。昨日のが、終わってると思うので。」
「はい。楽しみですね。」
彼が、笑うと…ほわほわする。
可愛い笑顔だ。
くまちゃんの金額が楽しみだ。ニヤリ。
ギルドへ行くと、お姉さんが「やりましたね。」と、ニヤリとした。
俺もニヤリと返した。
「サインをしてください。額が、すごいのでカードへ直入れです。」
「「おぉ。」」二人で、声を上げた。
高ランクの依頼を3つほど、こなした額だった。
「お疲れさまでした。」
お姉さんに見送られ、ギルドを後にした。
「それじゃぁ。いい稼ぎも出来ましたし、楽しかったです。」
「こちらこそ、ありがとうございました。あの、またお会いできますか?」
「少しの間、町にいます。縁があれば、会えますよ。」
彼は、頷きながら微笑んだ。
「私…アンソニーと、申します。」
アンソニー…王子か?!
「あなたの…お名前は…。」
「名前…。」
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