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28 お給仕
しおりを挟む部屋の家具へ布をかける。
5日以上、小屋を開けるときは、そうしている。埃が被るのが、面倒だから。
「さて、行くかな。」
先日狩った肉を、ギルドへ納めに。
小屋へ結界をはり、回りの確認をする。
昼には着くように、朝少し早めに出た。
町には、昼少し前に着き、ギルドが休憩にはいる前に、受付に出すことが出来た。
結果は、夕方になるとの事だったので、取り合えず前の飯屋へ入った。
「ミートボールのパスタと野菜のスープ、お待たせ。」
珍しく女将さんが、運んできた。
「給仕の子、どうしたの?」
女将さんが、片眉毛をあげて「今日は、お休みなんだよ。体調が悪くてね…。」
これから、忙しくなる時間に女将さんと、大将だけじゃ大変だ。
「俺、手伝おうか?夕方まで、暇だし。」
「ありがたいわ、これから混んでくるから。」
俺は、テーブルに出されたものを持ち、カウンターへ移動し、急いで食べた。
女将さんが、食べ終わった食器を下げながら「じゃあ、サロンしたらよろしくたのむね。」
「すまんな。助かるよ。」
中から、大将が声をかけてきた。いつも、美味しいもの食べさせてもらっているし、なんせ、暇だし。
「頑張ります。」
俺は、サロンを着けて、ぽっけに紙と鉛筆を入れて、いざ出陣。
「いらっしゃいませ。」
ギルドの受付時間が、終わったとたん、店に人が流れ入ってきた。
俺は、間違えな様に確認しながら、注文を取り女将さんに紙を渡し、出来た料理を運ぶ。食べ終わった食器も下げ、一時置き場に置く。わかっているのか、客も気を使ってくれて、文句も言わず待っていてくれる。
「いつから、給仕さんになったんだ?」
ギルド長と補佐が、声をかけてきた。注文を取りながら「大将と女将さん二人だって言うから、手伝いに。結果が出るまで、暇なので。」
「今日は、こっち泊まるのか?」
「そのつもりなんですが、宿屋によってないので…。」
「俺んちこいよ。」
「考えておきます。二人ともミートボールパスタとハーブ焼きですね。」
俺は、紙をもって女将さんに渡した。女将さんは、オーダーをさばきながら、会計もこなし、食器をシンクへ運ぶ。大将を労う声をかけ、俺に的確な指示を出す。そして、食器も洗ってた。
あっという間に、お昼の時間が過ぎ、お客が引いていった。
「ご苦労様。助かったよ。」と、大将が置くから出てきた。
「これでも飲んで、ゆっくりしてくれ。」酒の入ったジョッキを出して着た。
「ホントに、助かったわ。ありがとうね。」
女将さんは、伝票と売上チェックをしながら、大将に「休憩して、お願い。」と、声をかけていた。
女将さん、すごい。
さて、俺は宿を探すか、ギルド長のところへ行くか…。
ギルド長だな…宿代も浮くし、風呂あるし、たぶんするだろうし…。
そう、思いながら大将とゆっくり酒を飲んだ。
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