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第4話 さぁ、考えるんだ

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借金を返す為には、どうしたらいいのか。
まずは、支出を減らす。
次に、収入を増やす。

人件費
不本意ながら多くの使用人は、既に辞めている。
残っている人たちは、苦しい中を一緒に乗り切ろうと支えてくれている大切な存在。
今いる使用人は何としてでも守りたい。

衣服代
不必要なものは売却済。
今後のこともあり、品質を下げるのは避けたい。
今あるものを大切に使おう。

食費
品数は減らしているが、材料は変えられる。
まだまだ減らせる。
検討の余地あり。

一番減らせるのは、食費かな。

次に収入を増やす方法を考える。 
エッセン領は、木、水、果物や木の実、野菜、川魚が主な収入源。
森と泉に頼っている。

全てそのまま売っている。
一部を加工してはどうだろうか。
付加価値がつくので、売れさえすれば収入増が見込める。

あとは、何をどう加工するか。
予算も時間もない。
領民は魔法が使えない。
難しい加工はダメだ。
簡単にすぐできるものを考える。

木の加工は、手間がかかり難しい。
水は、果実水
果物は、ジュース、ジャム、お菓子
木の実は、パン、お菓子
他にも考えてみよう。

この国で受け入れられるのかわからない。
まずは試作品を作って、様子をみてみよう。

早速 現地現物を確認しよう。
果樹園へ向かおうと、馬車を探すが、見当たらない。
そうだった。
もう馬車は1台しかないんだった。
馬ももう馬車につなぐ1頭しかいない。
その馬車も、今は父が使っているのだろう。

歩いて向かうしかない。
果樹園の方向へ方向転換すると、年の離れた弟 ルーカスが駆け寄って来た。
「お姉様、どこへ行くの?僕もついて行きたい。」

ルーカスは、10歳になるかわいい、かわいい私の弟。
彼はエッセン家の跡取り。
いろいろなことを見て、知っておくのは、いい経験になるだろう。

「果樹園よ。歩いて行くけど、大丈夫なら、連れてくよ。」
私とルーカスがテクテク歩く。
その後ろを護衛として、庭師兼護衛のランスが付いてくる。

庭師兼護衛のランス。
黒髪に黒い瞳。
スラッと背が高い青年。
ランスは庭師の家に産まれた。
子供の時、急に護衛になりたいと言うようになり、時間をみつけては、護衛に混ざり訓練を受けていたそうだ。

40分程歩き、ようやく果樹園へ着いた。
はぁ、遠かった。
ルーカスがゼーゼーと息を切らしている。
私も汗だくだ。

果樹園を営む夫婦に話を聞く。 
今はりんご、栗を出荷中。
収穫した果物は仕分けされ、形や見た目の悪いものは、家族で食べたり、家畜のエサにしている。
それでも余ったものは捨てているらしい。
何とも勿体ない。

捨てている果物を見せてもらい、了承を得た上で、その一部を持ち帰る。

17歳小娘の質問にも、丁寧に答えてくれる。
いい人たちだったな。






























    
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