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第8話 塔内を見学
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メイラさんの後ろについてしばらく歩いていくと、中庭に出た。
そよぐ風に乗って、ふわふわと漂う綿毛。
手を伸ばしたら……
「ダメ~ッ」
メイラさんの声に驚き、慌てて手を引っ込める。
「塔内の植物には極力近寄らないで。毒が含まれてるかもしれないから。ここには毒草もあるし、無毒の草も誰かの研究で成分が変わってる場合もあるの」
ひぇ~っ、
綿毛がふわふわと目の前に漂ってきたら、触っちゃうよ。
「あーっ、残念。メイラちゃん、なんで止めちゃうかな~。せっかくの機会だったのに」
どこからともなく艶やかな迫力美人さんが出てきた。彼女も黒いローブ姿。
「カルメさん、綿毛に何か仕組んでました?」
メイラさんの麗しい顔がヒクヒクしてる。
「うん、もちろん仕組んでた。新人ちゃんなら触ると思ったんだけど、う~ん、残念」
残念と言いながらも、妖艶に微笑むカルメさんは余裕たっぷり。全く残念そうに見えない。
「これから温室に行くんでしょ?ゆっくり見ていってね」
ニッコリして去っていった。
「温室でも植物に触らないよう気をつけて」
入室前にメイラさんから注意が入る。
温室はムシムシと、なかなかの湿気。
「温室の植物への水やりやエサやり当番は、大変よ。暑いし、気持ち悪いし」
ブルブル武者震いするメイラさん。
過去に何かありました?
でも確かに、ここを掃除するとなると汗だくになりそう。
ピトッ
隣を歩くナタリアのおでこに何かが着地した。
どぎついショッキングピンクに黒と赤の模様が入った禍々しい蝶?蛾?
これだけ派手だと、毒がありそう。
「キャーッ取って、取って~」
ナタリアもおでこに何かいる感触はあるようで、でも下手に動けず、涙目だ。
「動かず、待ってて。触っちゃダメよ」
メイラさんが走って誰かを呼びに行ってしまった。
スーザン、エマ、私はナタリアを見守ることしかできない。
「何を騒いでいるんだ!」
低い圧のある声が響き、鋭い目つきの男性が現れた。
彼、怒ってる? こわっ。
私たちを見て、ナタリアを見て、手のひらをサッと振ると、禍々しいものが消え失せた。
「あっ、ありがとうございます」
ヘトヘト座り込むナタリアに、駆け寄る私たち。
「ああ」
ほんの少しだけ口角があがった?
鋭かった目が、優しげに見える。
なに? ドキドキするんだけど。
彼が立ち去る時、一瞬視線が絡み、ボウッと心臓付近が熱を持った気がした。
一体何だったんだ。
さっきの彼って最後に現れた白い紙を渡してくれた面接官じゃなかった?
それにしても魔術師様って、一人一人個性が強くて、関わるだけで、どっと疲れるんだけど……
メイラさんがさっき別れたばかりのカルメさんを連れてきた。
「あれ? ナタリアさん、大丈夫だったの?」
「目つきの鋭い男性がやってきて、手を振ると消えました」
エマが説明してる。
「あ~、さっきイーサン様とすれ違った。
彼に消されちゃったのぉ~。まっ消されたものは仕方ない。また作ればいっか」
カルメさん、悔しそうだが、全然めげてない。
あの蝶、何だったんだろう……
どぎつい模様で、いかにも有害な感じだったけど……
さっきの魔術師様はイーサン様というのね。
メイラさんについて食堂や図書室、医務室、実験室などあちこち見学して回ったのだが、何度かイーサン様とすれ違った。
彼はあちこち動き回る仕事をしているんだろうか。
彼とすれ違うたびに、体がポカボカするように感じる。
「ねぇ、何かポカボカしない?」とみんなに聞いてみたけれど、
「えー、別に。ああ、いっぱい歩いたから?」とナタリア。
「そう?私は何ともないけど」とスーザン。
「運動不足なの?今日は早めにお風呂入って休んだらほうがいいよ」とエマ。
何か期待していた答えと違った。
最後に管理課で明日から担当する仕事の確認へ向かう。
メイラさんが代表で確認してくれた。
「明日からしばらくは食堂で働くことになったわ」
食堂の仕事は、辻馬車で一緒だった人に向いてそうと言われたんだった。
私でも何とかなるんじゃないかな……
寮での夕飯は鳥肉と野菜のトマト煮込み、ふかふかの白パンにグリーンサラダ。
トマトの酸味が疲れた体に染みわたる。
今日、感じたことを各々 教育係のメイラさんに伝える。
早速 ナタリアが話し出した。
「中庭に風が吹いてて驚きました」
「そうだよね。私も初めて見学した時は驚いたな~。中庭も外と同じような環境になるよう調整されてるらしいよ」
「図書館が広くてステキでした。私たちも利用できるんですよね?」
エマは瞳を輝かせてる。
「エマさんは本が好きなのね。休日に借りに行くといいよ」
「私は実験室を覗いて見たかったな。危ないからダメなんですよね?」
スーザンは実験室を覗きたいのか……
私も少し見てみたいかなぁ。
「そうね。仕事で担当する時しか入れない決まりよ」
私が一番びっくりしたのは……
「メイラさん、魔術師様って暗い髪色に赤い瞳ばかりじゃないんですね。今日 すれ違った方々はいろんな髪色、瞳の色でした」
「そうよー。魔力とその人の持つ色は関係ないらしいよ」
父さんもブラッドリーも暗い髪色に赤い瞳だったから、魔力がある人はてっきりそうなんだと思ってた。
私に魔力がないのも中途半端な瞳の色と薄い髪色だからなのかと……関係ないんだ。
その夜は、すごく疲れていたんだろう。
まぶたを閉じると、あっという間に眠ってしまった。
そよぐ風に乗って、ふわふわと漂う綿毛。
手を伸ばしたら……
「ダメ~ッ」
メイラさんの声に驚き、慌てて手を引っ込める。
「塔内の植物には極力近寄らないで。毒が含まれてるかもしれないから。ここには毒草もあるし、無毒の草も誰かの研究で成分が変わってる場合もあるの」
ひぇ~っ、
綿毛がふわふわと目の前に漂ってきたら、触っちゃうよ。
「あーっ、残念。メイラちゃん、なんで止めちゃうかな~。せっかくの機会だったのに」
どこからともなく艶やかな迫力美人さんが出てきた。彼女も黒いローブ姿。
「カルメさん、綿毛に何か仕組んでました?」
メイラさんの麗しい顔がヒクヒクしてる。
「うん、もちろん仕組んでた。新人ちゃんなら触ると思ったんだけど、う~ん、残念」
残念と言いながらも、妖艶に微笑むカルメさんは余裕たっぷり。全く残念そうに見えない。
「これから温室に行くんでしょ?ゆっくり見ていってね」
ニッコリして去っていった。
「温室でも植物に触らないよう気をつけて」
入室前にメイラさんから注意が入る。
温室はムシムシと、なかなかの湿気。
「温室の植物への水やりやエサやり当番は、大変よ。暑いし、気持ち悪いし」
ブルブル武者震いするメイラさん。
過去に何かありました?
でも確かに、ここを掃除するとなると汗だくになりそう。
ピトッ
隣を歩くナタリアのおでこに何かが着地した。
どぎついショッキングピンクに黒と赤の模様が入った禍々しい蝶?蛾?
これだけ派手だと、毒がありそう。
「キャーッ取って、取って~」
ナタリアもおでこに何かいる感触はあるようで、でも下手に動けず、涙目だ。
「動かず、待ってて。触っちゃダメよ」
メイラさんが走って誰かを呼びに行ってしまった。
スーザン、エマ、私はナタリアを見守ることしかできない。
「何を騒いでいるんだ!」
低い圧のある声が響き、鋭い目つきの男性が現れた。
彼、怒ってる? こわっ。
私たちを見て、ナタリアを見て、手のひらをサッと振ると、禍々しいものが消え失せた。
「あっ、ありがとうございます」
ヘトヘト座り込むナタリアに、駆け寄る私たち。
「ああ」
ほんの少しだけ口角があがった?
鋭かった目が、優しげに見える。
なに? ドキドキするんだけど。
彼が立ち去る時、一瞬視線が絡み、ボウッと心臓付近が熱を持った気がした。
一体何だったんだ。
さっきの彼って最後に現れた白い紙を渡してくれた面接官じゃなかった?
それにしても魔術師様って、一人一人個性が強くて、関わるだけで、どっと疲れるんだけど……
メイラさんがさっき別れたばかりのカルメさんを連れてきた。
「あれ? ナタリアさん、大丈夫だったの?」
「目つきの鋭い男性がやってきて、手を振ると消えました」
エマが説明してる。
「あ~、さっきイーサン様とすれ違った。
彼に消されちゃったのぉ~。まっ消されたものは仕方ない。また作ればいっか」
カルメさん、悔しそうだが、全然めげてない。
あの蝶、何だったんだろう……
どぎつい模様で、いかにも有害な感じだったけど……
さっきの魔術師様はイーサン様というのね。
メイラさんについて食堂や図書室、医務室、実験室などあちこち見学して回ったのだが、何度かイーサン様とすれ違った。
彼はあちこち動き回る仕事をしているんだろうか。
彼とすれ違うたびに、体がポカボカするように感じる。
「ねぇ、何かポカボカしない?」とみんなに聞いてみたけれど、
「えー、別に。ああ、いっぱい歩いたから?」とナタリア。
「そう?私は何ともないけど」とスーザン。
「運動不足なの?今日は早めにお風呂入って休んだらほうがいいよ」とエマ。
何か期待していた答えと違った。
最後に管理課で明日から担当する仕事の確認へ向かう。
メイラさんが代表で確認してくれた。
「明日からしばらくは食堂で働くことになったわ」
食堂の仕事は、辻馬車で一緒だった人に向いてそうと言われたんだった。
私でも何とかなるんじゃないかな……
寮での夕飯は鳥肉と野菜のトマト煮込み、ふかふかの白パンにグリーンサラダ。
トマトの酸味が疲れた体に染みわたる。
今日、感じたことを各々 教育係のメイラさんに伝える。
早速 ナタリアが話し出した。
「中庭に風が吹いてて驚きました」
「そうだよね。私も初めて見学した時は驚いたな~。中庭も外と同じような環境になるよう調整されてるらしいよ」
「図書館が広くてステキでした。私たちも利用できるんですよね?」
エマは瞳を輝かせてる。
「エマさんは本が好きなのね。休日に借りに行くといいよ」
「私は実験室を覗いて見たかったな。危ないからダメなんですよね?」
スーザンは実験室を覗きたいのか……
私も少し見てみたいかなぁ。
「そうね。仕事で担当する時しか入れない決まりよ」
私が一番びっくりしたのは……
「メイラさん、魔術師様って暗い髪色に赤い瞳ばかりじゃないんですね。今日 すれ違った方々はいろんな髪色、瞳の色でした」
「そうよー。魔力とその人の持つ色は関係ないらしいよ」
父さんもブラッドリーも暗い髪色に赤い瞳だったから、魔力がある人はてっきりそうなんだと思ってた。
私に魔力がないのも中途半端な瞳の色と薄い髪色だからなのかと……関係ないんだ。
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