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第6話 半年前
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何がどうしてこうなった?
漣さんがお見合い相手で、私が断った?
いやいや相手が漣さんとわかっていたなら、喜んでお嫁に行きましたとも。
知らないから断ってしまったわけだし。
えっ、じゃあ、漣さんは私がお見合いを断った相手と知ってるの?
うわぁ、誤解だと伝えたいけど、今さら何を言っても無駄だよね。
断ったことは確かだし。
それに、周くんはどうしよう。
どうしたらいい?
同期だし、隣の席だし、これからも毎朝顔をあわせるんだよ?
しかも漣さんの弟なんだよね?
今日のは告白されたんだよね?
冗談と思いたいけど、本気だと念を押された。
はぁー、私はいったいどうしたらいいんだろう。
遡ること半年前
私たち家族は、元旦を祖父の家で過ごしていた。
元旦の挨拶を済ませ、みんなでお雑煮と、おせち料理に舌鼓をうつ。
お腹がいっぱいになり、そろそろ初詣へ向かうかというタイミング。
祖父に親戚一同の前で、告げられた。
「環奈ももういい歳だ。今の会社で三年働いたんだろう?そろそろ結婚を考えてはどうだ。」と。
いやいや、そんな心配いりませんよ、「お祖父様。環奈は自分の力で必ずや素敵な旦那様をみつけて参ります。それまでしばしお待ちください。」と言ったあの時のことだろう。
祖父の手には、しっかりと釣書らしきものが握られていた。
「ほーう。相手の釣書も見ずに断っていいのか?お前には、勿体無いくらい素晴らしい方だそ。」
うっ、お祖父様、それは確かにそうかも。釣書くらい見ればよかったかも。
「そうか。囲碁仲間のお孫さんで、趣味も合うと思ったのにな。では、仕方がない。私の方でお断りしておこう。」
あー、待って、お祖父様。
彼は囲碁を打てる人なの?待ってー。
と心の中で叫んだあの日。
親戚一同の前では、恥ずかしくて、恥ずかしくて。
偉そうに宣言した『自分の力でみつけて参ります。』を撤回できなかった。
その時の相手が、漣さんだったの?
『素晴らしい方』確かに。
えー、私は何て勿体無いことを…
後悔してもしきれないとはこのことだ。
漣さんがお見合い相手で、私が断った?
いやいや相手が漣さんとわかっていたなら、喜んでお嫁に行きましたとも。
知らないから断ってしまったわけだし。
えっ、じゃあ、漣さんは私がお見合いを断った相手と知ってるの?
うわぁ、誤解だと伝えたいけど、今さら何を言っても無駄だよね。
断ったことは確かだし。
それに、周くんはどうしよう。
どうしたらいい?
同期だし、隣の席だし、これからも毎朝顔をあわせるんだよ?
しかも漣さんの弟なんだよね?
今日のは告白されたんだよね?
冗談と思いたいけど、本気だと念を押された。
はぁー、私はいったいどうしたらいいんだろう。
遡ること半年前
私たち家族は、元旦を祖父の家で過ごしていた。
元旦の挨拶を済ませ、みんなでお雑煮と、おせち料理に舌鼓をうつ。
お腹がいっぱいになり、そろそろ初詣へ向かうかというタイミング。
祖父に親戚一同の前で、告げられた。
「環奈ももういい歳だ。今の会社で三年働いたんだろう?そろそろ結婚を考えてはどうだ。」と。
いやいや、そんな心配いりませんよ、「お祖父様。環奈は自分の力で必ずや素敵な旦那様をみつけて参ります。それまでしばしお待ちください。」と言ったあの時のことだろう。
祖父の手には、しっかりと釣書らしきものが握られていた。
「ほーう。相手の釣書も見ずに断っていいのか?お前には、勿体無いくらい素晴らしい方だそ。」
うっ、お祖父様、それは確かにそうかも。釣書くらい見ればよかったかも。
「そうか。囲碁仲間のお孫さんで、趣味も合うと思ったのにな。では、仕方がない。私の方でお断りしておこう。」
あー、待って、お祖父様。
彼は囲碁を打てる人なの?待ってー。
と心の中で叫んだあの日。
親戚一同の前では、恥ずかしくて、恥ずかしくて。
偉そうに宣言した『自分の力でみつけて参ります。』を撤回できなかった。
その時の相手が、漣さんだったの?
『素晴らしい方』確かに。
えー、私は何て勿体無いことを…
後悔してもしきれないとはこのことだ。
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