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カエル化女子と好きな人
新しい仕事3
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静馬は言うには、水樹家と日埜家は協力して社会的影響力の強い人たちの施術を行っていた歴史があるらしい。癒しの力は水樹家でも女性しか持たず、しかも水樹家では女性が生まれる確率がとても低いため、知る人ぞ知る力だと言われているようだ。
静馬に会って古民家サロンで施術をした日はとても疲れてしまう。施術を終わった私を見て、静馬は、「手を貸してください、そうすればその疲れを払えます」と言って握手を求めてくる。ただ、静馬に触れられると、例によって例のごとく、ツウっと寒気がのぼってくるのだ。
少しだけ触れて、離すと、
「ガード固いですね」
と苦笑いをされる。
古民家サロンで施術をした日は特に、瑠璃也と寝る前のハグをすると、瑠璃也にたくさんの黒いもやがまとわりつく。
その様子を見ているといつも、瑠璃也を汚してしまった、と思うのだ。だから瑠璃也とハグをするのを躊躇するようになる。触れるのは嫌じゃないし、寧ろもっと触れたいと思うのに、触れるのが怖い日々が続く。
黒いもやのことは近くに相談できる人がいなかったので、水樹家の力について知っていそうな静馬に聞いてみる。静馬には私にとっての黒いもやは、黒い粉として見えるらしい。
古民家サロンでの施術のあと、私の周りに黒い粉が浮かんで見えるのだ、と静馬はいう。
「水樹さんがもう少し長く触れてくれるなら、黒い粉をしっかり払えますよ」
と静馬は言うのだ。
「男性に触れられるのダメなんです」と言えば、「施術で触れるのに?」と驚かれる。けれど、すぐに、「瑠璃也は大丈夫なんですよね?」と切り返してくるのだ。
私が頷くと、
「じゃあ、俺も触っても嫌がられないように、頑張ろうかな」
と言う。何をどう頑張るのだろう?と思っていたら、瑠璃也と同じような提案をしてくるのだ。
「低刺激で慣れていきましょう?そうすれば、黒い粉をしっかり払ってあげられます」
静馬はそう言った。
黒い粉がまとわりつかなければ、瑠璃也とハグをしても、黒いもやが瑠璃也につくことはなくなる。そう思ったら、少しだけ頑張ってもいいかもしれない、と思った。指先を触れるだけ、手の平を重ねるだけだった接触で、慣れていく間に、静馬に対する警戒心も少しずつ解消されていく。
「黒い粉がそのままだったらどうなるか知っていますか?」
と聞いたら、
「災いが来るとか、寿命が縮まるとか言われていますね」と静馬が言った。私は黒いもやに包まれる瑠璃也を想像して、気持ちが少し沈んだ。
静馬に会って古民家サロンで施術をした日はとても疲れてしまう。施術を終わった私を見て、静馬は、「手を貸してください、そうすればその疲れを払えます」と言って握手を求めてくる。ただ、静馬に触れられると、例によって例のごとく、ツウっと寒気がのぼってくるのだ。
少しだけ触れて、離すと、
「ガード固いですね」
と苦笑いをされる。
古民家サロンで施術をした日は特に、瑠璃也と寝る前のハグをすると、瑠璃也にたくさんの黒いもやがまとわりつく。
その様子を見ているといつも、瑠璃也を汚してしまった、と思うのだ。だから瑠璃也とハグをするのを躊躇するようになる。触れるのは嫌じゃないし、寧ろもっと触れたいと思うのに、触れるのが怖い日々が続く。
黒いもやのことは近くに相談できる人がいなかったので、水樹家の力について知っていそうな静馬に聞いてみる。静馬には私にとっての黒いもやは、黒い粉として見えるらしい。
古民家サロンでの施術のあと、私の周りに黒い粉が浮かんで見えるのだ、と静馬はいう。
「水樹さんがもう少し長く触れてくれるなら、黒い粉をしっかり払えますよ」
と静馬は言うのだ。
「男性に触れられるのダメなんです」と言えば、「施術で触れるのに?」と驚かれる。けれど、すぐに、「瑠璃也は大丈夫なんですよね?」と切り返してくるのだ。
私が頷くと、
「じゃあ、俺も触っても嫌がられないように、頑張ろうかな」
と言う。何をどう頑張るのだろう?と思っていたら、瑠璃也と同じような提案をしてくるのだ。
「低刺激で慣れていきましょう?そうすれば、黒い粉をしっかり払ってあげられます」
静馬はそう言った。
黒い粉がまとわりつかなければ、瑠璃也とハグをしても、黒いもやが瑠璃也につくことはなくなる。そう思ったら、少しだけ頑張ってもいいかもしれない、と思った。指先を触れるだけ、手の平を重ねるだけだった接触で、慣れていく間に、静馬に対する警戒心も少しずつ解消されていく。
「黒い粉がそのままだったらどうなるか知っていますか?」
と聞いたら、
「災いが来るとか、寿命が縮まるとか言われていますね」と静馬が言った。私は黒いもやに包まれる瑠璃也を想像して、気持ちが少し沈んだ。
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