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女性恐怖症男子の保護者活動
嫉妬の顛末2
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リビングに来ていた白那に、それとなく、
「こんなニュース出ていたけど、これ白那だよね?」と聞いてみる。白那はPCの画面に出した記事を読んで、え、と驚きの声をあげた。
「こんなの知らない」
と言うのだ。となれば、取材とは聞かされずに記事を書かれた可能性が高い。美女?これ見て来た人、絶対怒るよね、と白那は笑う。
俺が「美女だよ、偽りなし」と言えば、「嘘ばっか」と言って照れるので可愛い。
聞いていいのか迷いながら、これ、どこでやった施術?と聞いてみる。サロンじゃないように見えるから、と言ってみると、白那も少し躊躇ったようにしながら、
「知り合いの施術ルーム。協力してって言われていて」
と言う。
「知り合い?」
「瑠璃也も知っている人って、彰文くんが言ってたんだけど」
「ああ」ため息が漏れてしまう。どう考えても、静馬だ。日埜静馬だね、と俺が言えば、白那は頷いた。
「私の力が必要だって言われて、手伝ったときもあって。この記事はそのときのだと思う」
「白那の力?」
「そう。私には具合の悪いところが見えるし、それを一時的に緩和させる力があるみたい。だから、日埜くんにはときどき協力してくれって言われることがある」
日埜くん、と白那は静馬のことを呼んでいるらしい。正直心は穏やかじゃなかった。さらに、白那が切り出した話題で、俺の心はより穏やかさを失う。
「あの。瑠璃也、少し話は変わるけど」
とおずおずと切り出した白那は、俺の目を見て、何やら話しにくそうにしながら、言う。
「瑠璃也にとって、どこからが浮気になる?」
と聞いてくるのだった。
「浮気?」
頭の中でその意味を理解するのに時間がかかる。
「浮気したの?」と返すと、白那は顔を赤くして、多分してない、と言って顔の前で手を振る。多分ってなんだよ?
「瑠璃也からしたら、何が浮気になるのかなって」
「それはそういう機会が近々想定されるって、匂わせに感じられるんだけど」
俺が言うと、白那に躊躇いが感じられた。何か言いたいようでいて、言えないような雰囲気だ。
「日埜くんのところに行くのは、浮気?」
じっと見つめて聞いてくる。こういうときの白那は確信犯的でズルい。
「浮気じゃない」
「施術で身体に触れるのは?」
「もちろん、浮気じゃないよ」
「じゃあ、どんなのが浮気?」
と白那は聞く。
白那がなんでこの話をするのか分からない。じりじりと自分の中で小さな燻ぶりを感じる。静馬の存在が、白那の向こうに想像されるからかもしれない。
「静馬と、俺としたことと同じことをして、白那が同じかそれ以上感じてたら浮気。感じてなければ浮気じゃない」
苛立ちをこめた気持ちをそのまま口にしたら、白那の表情が固まった。
「こんなニュース出ていたけど、これ白那だよね?」と聞いてみる。白那はPCの画面に出した記事を読んで、え、と驚きの声をあげた。
「こんなの知らない」
と言うのだ。となれば、取材とは聞かされずに記事を書かれた可能性が高い。美女?これ見て来た人、絶対怒るよね、と白那は笑う。
俺が「美女だよ、偽りなし」と言えば、「嘘ばっか」と言って照れるので可愛い。
聞いていいのか迷いながら、これ、どこでやった施術?と聞いてみる。サロンじゃないように見えるから、と言ってみると、白那も少し躊躇ったようにしながら、
「知り合いの施術ルーム。協力してって言われていて」
と言う。
「知り合い?」
「瑠璃也も知っている人って、彰文くんが言ってたんだけど」
「ああ」ため息が漏れてしまう。どう考えても、静馬だ。日埜静馬だね、と俺が言えば、白那は頷いた。
「私の力が必要だって言われて、手伝ったときもあって。この記事はそのときのだと思う」
「白那の力?」
「そう。私には具合の悪いところが見えるし、それを一時的に緩和させる力があるみたい。だから、日埜くんにはときどき協力してくれって言われることがある」
日埜くん、と白那は静馬のことを呼んでいるらしい。正直心は穏やかじゃなかった。さらに、白那が切り出した話題で、俺の心はより穏やかさを失う。
「あの。瑠璃也、少し話は変わるけど」
とおずおずと切り出した白那は、俺の目を見て、何やら話しにくそうにしながら、言う。
「瑠璃也にとって、どこからが浮気になる?」
と聞いてくるのだった。
「浮気?」
頭の中でその意味を理解するのに時間がかかる。
「浮気したの?」と返すと、白那は顔を赤くして、多分してない、と言って顔の前で手を振る。多分ってなんだよ?
「瑠璃也からしたら、何が浮気になるのかなって」
「それはそういう機会が近々想定されるって、匂わせに感じられるんだけど」
俺が言うと、白那に躊躇いが感じられた。何か言いたいようでいて、言えないような雰囲気だ。
「日埜くんのところに行くのは、浮気?」
じっと見つめて聞いてくる。こういうときの白那は確信犯的でズルい。
「浮気じゃない」
「施術で身体に触れるのは?」
「もちろん、浮気じゃないよ」
「じゃあ、どんなのが浮気?」
と白那は聞く。
白那がなんでこの話をするのか分からない。じりじりと自分の中で小さな燻ぶりを感じる。静馬の存在が、白那の向こうに想像されるからかもしれない。
「静馬と、俺としたことと同じことをして、白那が同じかそれ以上感じてたら浮気。感じてなければ浮気じゃない」
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