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女性恐怖症男子の初恋
すべては彼女のために4
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人のことは言えないけれど、白那も大概距離感がバカだと思う。
「グイグイ行ったら勘違いするに決まってるだろ。それに、あいつの顔、俺より好きなわけ?」
そうやって、塩顔イケメンの退散後に言ったら、
「え、瑠璃也の顔の方が好きだけど」
と白那は答える。
だったら、何でさっき無視したわけ、と聞く前に、
「でも瑠璃也、女の人といたし。別に私たち関係ないし」
と言うのだった。白那が引き離すようなことを言うと、ギュッと距離を詰めたくなる欲求に駆られる。
「明日、ここに来て」
と俺は白那のスマホにマップとイベントのサイトを送った。明日は、母が運営している料理教室で、初めてビュッフェ形式の教室が開講する予定だった。行ったその日に、自分が食べてみたくて、作ってみたい料理の手順を学べる教室だ。和洋中、イタリアンやフランス料理、アジアンダイニング系まで幅広いメニューが選べるのが教室の一押しポイントになっている。
頭の端にあっただけでまったく行くつもりはなかった。けれど、距離を詰める手札がまったくない状態だったので、適当に放り込んだ案だ。
「え?なんで?」
白那はマップを確認して、こちらを見る。
「明日は、ライブに行こうかと思ってたんだけど」
「何の?」
「インディーズバンドの」
白那は気まずそうに視線を逸らす。バンドのライブに行くのなんて、普通のことなのに、こうして気まずそうにされると、こちらも気まずい気分になるのは、なぜだろう。恐らく、顔が好みなボーカルだか、ドラムだかがいるんだろうとは思う。
「推しはボーカル?」まったく興味はないけれど、話の流れで聞いてみれば、
「ベース」
と白那は素直に答えるので、正直ムカッとした。
「じゃあ、明日」
と強引に約束を取りつける。ちょっと!と白那は非難の声をあげたけれど、聞こえないふりをした。
「グイグイ行ったら勘違いするに決まってるだろ。それに、あいつの顔、俺より好きなわけ?」
そうやって、塩顔イケメンの退散後に言ったら、
「え、瑠璃也の顔の方が好きだけど」
と白那は答える。
だったら、何でさっき無視したわけ、と聞く前に、
「でも瑠璃也、女の人といたし。別に私たち関係ないし」
と言うのだった。白那が引き離すようなことを言うと、ギュッと距離を詰めたくなる欲求に駆られる。
「明日、ここに来て」
と俺は白那のスマホにマップとイベントのサイトを送った。明日は、母が運営している料理教室で、初めてビュッフェ形式の教室が開講する予定だった。行ったその日に、自分が食べてみたくて、作ってみたい料理の手順を学べる教室だ。和洋中、イタリアンやフランス料理、アジアンダイニング系まで幅広いメニューが選べるのが教室の一押しポイントになっている。
頭の端にあっただけでまったく行くつもりはなかった。けれど、距離を詰める手札がまったくない状態だったので、適当に放り込んだ案だ。
「え?なんで?」
白那はマップを確認して、こちらを見る。
「明日は、ライブに行こうかと思ってたんだけど」
「何の?」
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白那は気まずそうに視線を逸らす。バンドのライブに行くのなんて、普通のことなのに、こうして気まずそうにされると、こちらも気まずい気分になるのは、なぜだろう。恐らく、顔が好みなボーカルだか、ドラムだかがいるんだろうとは思う。
「推しはボーカル?」まったく興味はないけれど、話の流れで聞いてみれば、
「ベース」
と白那は素直に答えるので、正直ムカッとした。
「じゃあ、明日」
と強引に約束を取りつける。ちょっと!と白那は非難の声をあげたけれど、聞こえないふりをした。
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