カエル化したけど……最強夫婦になりました！

女性恐怖症男子の初恋

すべては彼女のために3

　その日生徒会の仕事を終えて、帰路につく途中で、
「アプリやってる？この前マッチングしたと思うんだけど」
　とスマホのアプリ画面を見せてくる女性に出会ったとき、俺は視界の隅に、白那の姿をとらえた。

　スラッとしたスタイルの塩顔イケメンに声をかけている。
　カジュアルな私服を着ている男性に、
「顔タイプです、勝手に推していていいですか」
　と聞いていた。

　何してんの、白那、と思う。
　勝手に推すのに、何で声かけてんの。
　ていうか、その距離感、俺がしたら嫌がるじゃん。と恨めしい視線を送ってしまう。

　白那は、俺にしたように同じことをしているだけなのに、なぜか、すごく、腹が立つ。声をかけてきた女性が、
「ちょっと無視しないでよ」
　と言ってきたことで、白那の視線がこちらに向いた。

　目を見開いて、俺の顔をじっと見る。その瞬間から、白那からフワッとキラキラした雰囲気が湧きあがって来るので、フラフラと近づいていきたくなった。でも、俺の腕を引っ張って来る女性の存在が、白那の目に入った瞬間、白那は俺から目を逸らす。そして塩顔イケメンと去っていくのだった。

　えええー白那、何でだよ、と内心思う。

　そして、話しかけてきた女性をやり過ごした数分後、帰り道で塩顔イケメンに迫られている白那を目撃して、撃退する流れとなった。喧嘩が得意なわけじゃないけれど、自分よりも背が低い相手ならまだ、何とかなる。少し怖い顔を作って、
「通報するけど、いいですか？」
　と軽く声をかければ、面倒事が嫌な人は去って行ってくれるのだった。塩顔イケメンも尻尾を巻いて去って行ってくれる。