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カエル化女子と大嫌いな婚約者

ママの告白2

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「瑠璃也くんのご両親も、フランクだし、白那に何かさせよう、家に入ってくれなんて言う感じじゃなかったけど」
 たしかに瑠璃也の両親はとてもフランクで、どんな話も面白がって聞いてくれる人たちだった。私の推し活の失敗話も、「最高に面白い」と二人して面白がってくれたのだ。いい人たちだなとは思う。

 だからといって、私と瑠璃也の関係が良好かと言えば、そうじゃない。最近は会えば言い合いになる。だから、私は瑠璃也に関して、好意的なコメントが言えないのだ。

「一見フランクなのって、マーケティングの基本じゃん。本当の目的は隠すでしょ」
「なにそれ、感情はものじゃないのよ。瑠璃也くんをご両親が過剰に薦める理由なんてないでしょ。白那はちょっと視野が狭すぎるんじゃない?」

「ママは私に瑠璃也と結婚して欲しいの?」
「結婚は二人のことだから、私からはノーコメント。でも、白那のことが好きな人が、白那のそばにいてくれた方が、私は安心なのはたしか。白那を護ってくれる人が、いれば」
 ママはなにか、言葉を飲み込んだような気がした。

「私は瑠璃也を信じられないから」
「白那はさ、ちゃんと人と付き合ったことある?じっくりその人を知ろうとしたことってある?」
 ある。と心の中では答えたけれど、その経験は私にとっての傷だ。ママがいないときに、いつも襲いかかって来る傷。

 だから、
「ないよ」と答えた。

「じゃあ瑠璃也くんとじっくり付き合ったらいいよ。そうすれば、信じられるかもしれない」
「瑠璃也とじっくりと付き合うことに魅力を感じないけどな。顔にしか興味ないし」
「それ、本当?」
「本当だよ」

「白那が一人の推しのことを話すのは珍しいけどな。いつも、対象をどんどん変えていくじゃない?瑠璃也くんのことは、高校生からだから数年単位で話しているよね。少なくとも他の推しとは同列じゃないんじゃない?」
 ママはベッドメイクを完成させていく。

「顔がドストライクだからね。顔だけならめちゃくちゃカッコイイ!十分な距離をとれるなら、全然好き。瑠璃也は触って来るから嫌い」
 私が言うと、ママはこれ見よがしに、首を横に振る。

「あーダメダメダメ。白那は相手を都合よく使いすぎ。瑠璃也くんはまともだと思うよ。白那は距離をグッと詰めた後で、逃げるから。相手は驚くと思う。本当に好きな人と結ばれるときには、ちゃんと心を開かないと」
「必要ないよ。好きな顔を遠巻きにみているだけでいい」
 ママはため息とついたあとで、そっと言った。
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