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カエル化女子と大嫌いな婚約者
婚約と、そして大嫌い2
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同じ学校の先輩やクラスメイト、先生、バンドマンや地下アイドル、地域リーグのスポーツ選手、道端の人など、好みの顔を見つけてただ騒いでいると、相手が妙に熱を帯びてしまう。最近でいえば、
「好きって言ったじゃん、何で逃げんだよ」と言われて、バンドマンに監禁されそうになったときにはさすがに焦ってしまった。
「白那は距離感がバカ、学習しろよ」
と瑠璃也は言う。うるさいな、と反論するものの、ごちゃついたときには、瑠璃也が居合わせて助けてくれることも多いので、あまり強く反論できない。
そんなある日、瑠璃也から提案された。
「俺と婚約すれば、推し活も自由にできる」と。
私が高校卒業後サロンで働き始めて、一方の瑠璃也は大学に進学と同時に、高校時代に作った会社を運営し始めたときだ。
「大学生が何言ってんの。絶対にムリ」
と私は言ったけれど、
「婚約者がいれば、無駄に誤解される危険は避けられる。白那の場合は、推し活はあくまでも推し活、リアルに恋愛する気はない、とアピールができる」
と言う。
「それ、瑠璃也にメリットあるの?」
「面倒が避けられる。これはあくまでも建前上だから、お互いに上手く利用すればいい」
と言うのだった。
瑠璃也の言う面倒はきっと、その容姿やハイスペックゆえにモテることだろう、と思う。
なぜか想像したら冷ややかな気持ちになり、「いいよ、それで」と適当に応えた。適当に答えただけなのに、なぜか、婚約指輪が用意され、両家顔合わせの場面が用意される。
あれ、そんなつもりじゃなかったのに、と思ったのは、瑠璃也の家族や会社に婚約者として紹介されたときだ。
瑠璃也のお父さんやお母さん、お兄さんや会社のスタッフたちに、
「婚約者の水樹白那。近い将来結婚する予定」
と名前を周知していく。
戸惑う私に、
「あくまでも建前上だから」と瑠璃也は重ね重ね言う。
ママに会ったときにも、「白那さんと結婚させてもらう予定です」と言う瑠璃也を見て、私は戸惑ってしまうのだ。
「瑠璃也くんなら大歓迎」
とママが色めき立つ姿を見て、私は「これは嘘だよ、ふりだよ」とつい言いたくなる。
一回キスしたきりの、腐れ縁でしかないのに。
とはいえ、みんなが婚約に関して受け入れ体勢でいてくれるのを見たら、私自身もまんざらでもない気分になった。
「好きって言ったじゃん、何で逃げんだよ」と言われて、バンドマンに監禁されそうになったときにはさすがに焦ってしまった。
「白那は距離感がバカ、学習しろよ」
と瑠璃也は言う。うるさいな、と反論するものの、ごちゃついたときには、瑠璃也が居合わせて助けてくれることも多いので、あまり強く反論できない。
そんなある日、瑠璃也から提案された。
「俺と婚約すれば、推し活も自由にできる」と。
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「婚約者がいれば、無駄に誤解される危険は避けられる。白那の場合は、推し活はあくまでも推し活、リアルに恋愛する気はない、とアピールができる」
と言う。
「それ、瑠璃也にメリットあるの?」
「面倒が避けられる。これはあくまでも建前上だから、お互いに上手く利用すればいい」
と言うのだった。
瑠璃也の言う面倒はきっと、その容姿やハイスペックゆえにモテることだろう、と思う。
なぜか想像したら冷ややかな気持ちになり、「いいよ、それで」と適当に応えた。適当に答えただけなのに、なぜか、婚約指輪が用意され、両家顔合わせの場面が用意される。
あれ、そんなつもりじゃなかったのに、と思ったのは、瑠璃也の家族や会社に婚約者として紹介されたときだ。
瑠璃也のお父さんやお母さん、お兄さんや会社のスタッフたちに、
「婚約者の水樹白那。近い将来結婚する予定」
と名前を周知していく。
戸惑う私に、
「あくまでも建前上だから」と瑠璃也は重ね重ね言う。
ママに会ったときにも、「白那さんと結婚させてもらう予定です」と言う瑠璃也を見て、私は戸惑ってしまうのだ。
「瑠璃也くんなら大歓迎」
とママが色めき立つ姿を見て、私は「これは嘘だよ、ふりだよ」とつい言いたくなる。
一回キスしたきりの、腐れ縁でしかないのに。
とはいえ、みんなが婚約に関して受け入れ体勢でいてくれるのを見たら、私自身もまんざらでもない気分になった。
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