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手紙の真相

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 けれど、私は軍神と共にあり、軍人との婚姻が望まれるだけの存在だ。
 自分の望む相手と結ばれるわけはない。
 それは今目の前で私の言葉を待ってくださっている清らかな我が君主も同様だ。

「ヴィルヘルム様に宛てたものでした」
 私は真実を口にする。
「そう」

 ウィリエール様の瞳に、黒い影が走った。
「ヴィルヘルムが軍の司令塔になればいい。そうすれば、ミリアはヴィルヘルムと婚姻出来るよ。軍神の巫女として」
「そ、そんなことは」

「ごめんね、ミリア。僕が勝手に勘違いして強要したようなものだ。君の純潔を奪ってしまったね」
 ウィリエール様は首を横にふるのだ。

「ミリアはヴィルヘルムと結ばれるべきだったのに」
「ウィリエール様、それは」

「でも、大丈夫だよ。ミリアはヴィルヘルムと婚姻出来る。いやな思いをさせてごめん。お兄様達のことは僕が何とかする」
「ウィリエール様、私は決していやな思いなんてしてはおりません」

「ミリアは僕の近衛兵だから、逆らえないだけだよ」
「違……」
「しばらくはここに来ない方がいいよ」

「な、なぜですか?」
「僕はミリアが好きだから、そばにいれば、触れたくなってしまう」
 ウィリエール様は頭を振る。

「夢みたいな時間だったよ。ありがとうミリア」

 最後通牒のようだと思った。
 ウィリエール様の微笑みに力がなく感じたのは気のせいじゃない。

 来ない方がいい、と言って追い立てられてしまい、私はウィリエール様の部屋を辞する。
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