32 / 51
第三部
そそのかす者と罪びとと
しおりを挟む
そのとき不意に、ステンドグラスの向こう側に、光りが迫ってくる。フィアは強い気配を感じ、構えた。何本もの光の矢が降り注ぎ、ステンドグラスが割れて飛び散っていくのだ。
そして咄嗟に飛びのくが、降り注ぐ破片のすべてを防ぐには、間に合いそうにない。ゼクスに肩を抱かれる。ゼクスが片手を前に出せば、まるで盾のような形に、光りが走り、二人を囲んでいく。ガラスの破片を跳ね返した。
「ありがとう」
「外だ」
と言われ、聖堂の外に出る。瓦礫だらけになった王都の街並みが広がっていた。建物は崩れ落ち、石畳の床はひび割れている。月の光が降り注ぎ、荒廃した街並みを照らし出していた。
「ここはどこだ?」
「え?」
「ここは王都ではないな」
広がっている光景は王都のように見えたが、街並みの向こうに聳え立つ峰や、緑深い森を見れば王都ではないと事が分かる。
「ここは、ティアトタン。私の母国の都かもしれない」とフィアは言う。見渡せば、いくつもの光が飛び交い、街に降り注いでいく。その度に、街が崩れていくのだ。
これは、前戦争だ、とフィアは思う。城の方向を伺う。この光景は、幼少の頃、フィアが見たものだったのかもしれない。
子どもたちの声がして、一人の男児がキャッキャと声をあげながら、剣を振るえば、街に稲妻が走り、塔が崩壊した。
「聖堂にいた子どもね」
「ああ。あの子どもは、ロンと呼ばれていた」とゼクスは言う。恐らくあちこちに、あの子どもたちが散らばっているな、と視線を四方に向けながら言うのだ。あちこちで光りが爆ぜ、火の手があがっていた。
「ゼクス、あなたはここにはいないの?」とフィアは思ったことを尋ねる。
あの場には、幼いゼクスの姿もあったのだ。ここに来ている可能性もある。
「覚えはない。だが、あの生意気な子どもが、大人しく言うことを聞くとは思えない」
「生意気な子ども?自分のことなのに、随分と冷静ね」
「もし、いるならば。天邪鬼な行動をしている可能性が高いな」と言うのだ。
「天邪鬼な行動?」
フィアは当時のことを思い出そうとする。城の外で光が爆ぜたのを見ただけ、だと思っていた。けれど、あの日―――――。
稲妻が絶え間なく光っては消えて、と繰り返しながら城の方へと進んでいく。夜空を舞うように、屋根の上を飛んでいく一人の子ども姿が見えた。
「あれだな」とゼクスが呟く。剣を振り回しながら、光っては消えてを繰り返しながら移動していく動きは、流れ星のようですらある。
「え?」
「追うぞ、出来れば奴に追いつきたい」
「いや、それは難し」言いかけたところで、
「では、失礼する」
と強引に抱き抱えられる。ゼクスは壁を蹴り、屋根の上を飛んでいくのだ。毎度毎度、にべもなく抱きかかえられるので、
「面倒になれば、抱きかかえればいいと思って。私の足が遅いと思っているでしょ?」とフィアは不満を述べる。
「では、足の速さに自信がおありなのか?」と少し意地悪に切り返されてしまい、言葉につまってしまった。
フィアは力にこそ自信はあるが、素早さにはそれほど自信はない。
くるくると宙を舞い、遊ぶように飛んでいく少年の後を追っていけば、城にたどり着く。城の窓に少年は飛び込んでいくのだ。
「あの部屋は?」
すぐさま、少年が窓から飛び出してくる。と言うよりも、飛ばされてきたといった印象だ。しかし、少年は再び、同じ窓に入っていく。そして再び、飛ばされてくるのだった。
「何をしているんだ?」
とゼクスが呟くが、フィアにはなぜ少年が飛ばされてくるのかだけは、分かる。
「あの部屋は、私の部屋。結界が張られているの」
「なるほど?」
「お父様が張った結界だし、そう簡単には、解けないと思うけど」
と見守っていたが、その後の挑戦により、結界を越えて少年が中に入っていく。
解けたな、とゼクスが呟き、なぜ、とフィアも呟くのだ。
「きゃああああ!」
と絹を裂いたような子どもの叫び声と共に、テラスの一部が崩壊する。そして、飛ばされてきた少年は落ちていく。彼が手に持っていたはずの剣がなくなっていた。
少年は、集まって来た近衛兵や騎士に囲まれてしまうが、再び屋根の上を飛んで去って行くのだ。
「彼は一体、何を?」
「どうやら、神具を置いていったな」
窓から幼い少女が、テラスから顔を出す。幼い少女は、15年前のフィアだ。手には神具と呼ばれた剣を持っていた。少年が置いていった剣のようだ。
「待って、忘れ物が!」
と少女が声をあげるが、少年の姿はもうない。黄金に光り輝くその剣は、他の子どもだちが持っていたものとは、違う。
「なんで、そんなことを?」
聖堂で見た少年の振る舞いから推測するならば、面倒事を嫌うように思えた。わざわざ剣を城まで運び、置いていく理由がフィアには分からない。
「敵国の城に、母国の重要な品物を置いていく。やりそうなことだな」
「そういう子どもだったの?」
「ああ、強制的な決め事に関しては、ことごとく逆を行くような、天邪鬼だったな。神具で都を破壊せよとでも言われたんだろう。やってやるものか、と思っていたのかもしれない」
「でも、あの剣は、恐らく。特別なものでしょ。光りを宿せば次の王位をと言われていた」
フィアが指摘するが、
「覚えていないな。既に置いて行ってしまったのだから、仕方がない」とゼクスはしれっと言い切ってしまう。
黄金の剣は、どこにあっただろう?しばらくはノインの遊び道具になっていたように思う。
フィアが去った今はどこにあるのだろう、と思う。
「これが真実であったならば。このとき、既に出会っていたんだな」とゼクスは言うのだ。
子ども達が、神具をふるい、街を破壊していく。神具を振るえば稲妻が走り、まるで街に光りの雨が注ぐようだった。
「これを見ているのは、辛い」フィアは目を伏せる。
「では、妨害しよう」
とゼクスは言う。
「これは過去でしょ?取り返しはつかない」
「やってみなければ分からない」
「あの子どもたちからは、お母様の気配がした。神具に力を宿したのはお母様なのかもしれない」
「陛下は惑わせる。惑わされた者は、ただの罪人になるのみ、と言っていたな。子どもたちを惑わせて、破壊させているのか」とゼクスは言う。
強風が吹き、フィアとゼクスは夜空を見上げた。有翼の獅子が躍るように舞い、月影に反映している。
「有翼獣?」
「お母様!?」
その言葉にゼクスがフィアの顔を見る。
「あれが、母君か?」
「フィア。あなたのそばにいるものは、相変わらず、封印し、閉じこめておきたがる。こんな箱、壊してしまいましょう」
と低音から高音までの幾重にも重なった声音で、獅子は言った。獅子の視線が注がれているのは、城のテラスだ。
獅子が「フィア」と呼んだのは、今、ここにいる自分ではなく、恐らく過去の子どもの自分なのだろう、とフィアは思う。
そして、獅子が吠えれば、子ども達がそれぞれ、放った光が集約していく。高い塔のように空へと伸びた、光の筋が街に降り注ごうとしていた。
「これに当たれば、一網打尽だな」とゼクスは言う。
「では、今の私たちも?」
二人は顔を見合わせる。仮に、自分たちがここで倒れたら、どうなるのか?と思ったのだ。
それに、このままでは、街が破壊されてしまう。
フィアは石畳の床にしゃがみ込んで、床に力を放つ。石の壁が現れ出て、ティアトタンの街をドーム状に囲んでいく。
急激にエネルギーを注ぎこんだせいで、フィアの手の爪は変形していくのだ。手足が白銀の獣の姿をとりはじめて、フィアは自分の魔力の限界を意識する。
「力が、足りない」と呟けば、床に触れている手に、ゼクスの手を重ねられた。手からエネルギーが注ぎ込まれて、石の壁が完成する。
そして、光が爆ぜた――――
そして咄嗟に飛びのくが、降り注ぐ破片のすべてを防ぐには、間に合いそうにない。ゼクスに肩を抱かれる。ゼクスが片手を前に出せば、まるで盾のような形に、光りが走り、二人を囲んでいく。ガラスの破片を跳ね返した。
「ありがとう」
「外だ」
と言われ、聖堂の外に出る。瓦礫だらけになった王都の街並みが広がっていた。建物は崩れ落ち、石畳の床はひび割れている。月の光が降り注ぎ、荒廃した街並みを照らし出していた。
「ここはどこだ?」
「え?」
「ここは王都ではないな」
広がっている光景は王都のように見えたが、街並みの向こうに聳え立つ峰や、緑深い森を見れば王都ではないと事が分かる。
「ここは、ティアトタン。私の母国の都かもしれない」とフィアは言う。見渡せば、いくつもの光が飛び交い、街に降り注いでいく。その度に、街が崩れていくのだ。
これは、前戦争だ、とフィアは思う。城の方向を伺う。この光景は、幼少の頃、フィアが見たものだったのかもしれない。
子どもたちの声がして、一人の男児がキャッキャと声をあげながら、剣を振るえば、街に稲妻が走り、塔が崩壊した。
「聖堂にいた子どもね」
「ああ。あの子どもは、ロンと呼ばれていた」とゼクスは言う。恐らくあちこちに、あの子どもたちが散らばっているな、と視線を四方に向けながら言うのだ。あちこちで光りが爆ぜ、火の手があがっていた。
「ゼクス、あなたはここにはいないの?」とフィアは思ったことを尋ねる。
あの場には、幼いゼクスの姿もあったのだ。ここに来ている可能性もある。
「覚えはない。だが、あの生意気な子どもが、大人しく言うことを聞くとは思えない」
「生意気な子ども?自分のことなのに、随分と冷静ね」
「もし、いるならば。天邪鬼な行動をしている可能性が高いな」と言うのだ。
「天邪鬼な行動?」
フィアは当時のことを思い出そうとする。城の外で光が爆ぜたのを見ただけ、だと思っていた。けれど、あの日―――――。
稲妻が絶え間なく光っては消えて、と繰り返しながら城の方へと進んでいく。夜空を舞うように、屋根の上を飛んでいく一人の子ども姿が見えた。
「あれだな」とゼクスが呟く。剣を振り回しながら、光っては消えてを繰り返しながら移動していく動きは、流れ星のようですらある。
「え?」
「追うぞ、出来れば奴に追いつきたい」
「いや、それは難し」言いかけたところで、
「では、失礼する」
と強引に抱き抱えられる。ゼクスは壁を蹴り、屋根の上を飛んでいくのだ。毎度毎度、にべもなく抱きかかえられるので、
「面倒になれば、抱きかかえればいいと思って。私の足が遅いと思っているでしょ?」とフィアは不満を述べる。
「では、足の速さに自信がおありなのか?」と少し意地悪に切り返されてしまい、言葉につまってしまった。
フィアは力にこそ自信はあるが、素早さにはそれほど自信はない。
くるくると宙を舞い、遊ぶように飛んでいく少年の後を追っていけば、城にたどり着く。城の窓に少年は飛び込んでいくのだ。
「あの部屋は?」
すぐさま、少年が窓から飛び出してくる。と言うよりも、飛ばされてきたといった印象だ。しかし、少年は再び、同じ窓に入っていく。そして再び、飛ばされてくるのだった。
「何をしているんだ?」
とゼクスが呟くが、フィアにはなぜ少年が飛ばされてくるのかだけは、分かる。
「あの部屋は、私の部屋。結界が張られているの」
「なるほど?」
「お父様が張った結界だし、そう簡単には、解けないと思うけど」
と見守っていたが、その後の挑戦により、結界を越えて少年が中に入っていく。
解けたな、とゼクスが呟き、なぜ、とフィアも呟くのだ。
「きゃああああ!」
と絹を裂いたような子どもの叫び声と共に、テラスの一部が崩壊する。そして、飛ばされてきた少年は落ちていく。彼が手に持っていたはずの剣がなくなっていた。
少年は、集まって来た近衛兵や騎士に囲まれてしまうが、再び屋根の上を飛んで去って行くのだ。
「彼は一体、何を?」
「どうやら、神具を置いていったな」
窓から幼い少女が、テラスから顔を出す。幼い少女は、15年前のフィアだ。手には神具と呼ばれた剣を持っていた。少年が置いていった剣のようだ。
「待って、忘れ物が!」
と少女が声をあげるが、少年の姿はもうない。黄金に光り輝くその剣は、他の子どもだちが持っていたものとは、違う。
「なんで、そんなことを?」
聖堂で見た少年の振る舞いから推測するならば、面倒事を嫌うように思えた。わざわざ剣を城まで運び、置いていく理由がフィアには分からない。
「敵国の城に、母国の重要な品物を置いていく。やりそうなことだな」
「そういう子どもだったの?」
「ああ、強制的な決め事に関しては、ことごとく逆を行くような、天邪鬼だったな。神具で都を破壊せよとでも言われたんだろう。やってやるものか、と思っていたのかもしれない」
「でも、あの剣は、恐らく。特別なものでしょ。光りを宿せば次の王位をと言われていた」
フィアが指摘するが、
「覚えていないな。既に置いて行ってしまったのだから、仕方がない」とゼクスはしれっと言い切ってしまう。
黄金の剣は、どこにあっただろう?しばらくはノインの遊び道具になっていたように思う。
フィアが去った今はどこにあるのだろう、と思う。
「これが真実であったならば。このとき、既に出会っていたんだな」とゼクスは言うのだ。
子ども達が、神具をふるい、街を破壊していく。神具を振るえば稲妻が走り、まるで街に光りの雨が注ぐようだった。
「これを見ているのは、辛い」フィアは目を伏せる。
「では、妨害しよう」
とゼクスは言う。
「これは過去でしょ?取り返しはつかない」
「やってみなければ分からない」
「あの子どもたちからは、お母様の気配がした。神具に力を宿したのはお母様なのかもしれない」
「陛下は惑わせる。惑わされた者は、ただの罪人になるのみ、と言っていたな。子どもたちを惑わせて、破壊させているのか」とゼクスは言う。
強風が吹き、フィアとゼクスは夜空を見上げた。有翼の獅子が躍るように舞い、月影に反映している。
「有翼獣?」
「お母様!?」
その言葉にゼクスがフィアの顔を見る。
「あれが、母君か?」
「フィア。あなたのそばにいるものは、相変わらず、封印し、閉じこめておきたがる。こんな箱、壊してしまいましょう」
と低音から高音までの幾重にも重なった声音で、獅子は言った。獅子の視線が注がれているのは、城のテラスだ。
獅子が「フィア」と呼んだのは、今、ここにいる自分ではなく、恐らく過去の子どもの自分なのだろう、とフィアは思う。
そして、獅子が吠えれば、子ども達がそれぞれ、放った光が集約していく。高い塔のように空へと伸びた、光の筋が街に降り注ごうとしていた。
「これに当たれば、一網打尽だな」とゼクスは言う。
「では、今の私たちも?」
二人は顔を見合わせる。仮に、自分たちがここで倒れたら、どうなるのか?と思ったのだ。
それに、このままでは、街が破壊されてしまう。
フィアは石畳の床にしゃがみ込んで、床に力を放つ。石の壁が現れ出て、ティアトタンの街をドーム状に囲んでいく。
急激にエネルギーを注ぎこんだせいで、フィアの手の爪は変形していくのだ。手足が白銀の獣の姿をとりはじめて、フィアは自分の魔力の限界を意識する。
「力が、足りない」と呟けば、床に触れている手に、ゼクスの手を重ねられた。手からエネルギーが注ぎ込まれて、石の壁が完成する。
そして、光が爆ぜた――――
6
お気に入りに追加
103
あなたにおすすめの小説
【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。
早稲 アカ
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。
宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。
彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。
加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。
果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?
溺愛の始まりは魔眼でした。騎士団事務員の貧乏令嬢、片想いの騎士団長と婚約?!
参
恋愛
男爵令嬢ミナは実家が貧乏で騎士団の事務員と騎士団寮の炊事洗濯を掛け持ちして働いていた。ミナは騎士団長オレンに片想いしている。バレないようにしつつ長年真面目に働きオレンの信頼も得、休憩のお茶まで一緒にするようになった。
ある日、謎の香料を口にしてミナは魔法が宿る眼、魔眼に目覚める。魔眼のスキルは、筋肉のステータスが見え、良い筋肉が目の前にあると相手の服が破けてしまうものだった。ミナは無類の筋肉好きで、筋肉が近くで見られる騎士団は彼女にとっては天職だ。魔眼のせいでクビにされるわけにはいかない。なのにオレンの服をびりびりに破いてしまい魔眼のスキルを話さなければいけない状況になった。
全てを話すと、オレンはミナと協力して魔眼を治そうと提案する。対処法で筋肉を見たり触ったりすることから始まった。ミナが長い間封印していた絵描きの趣味も魔眼対策で復活し、よりオレンとの時間が増えていく。片想いがバレないようにするも何故か魔眼がバレてからオレンが好意的で距離も近くなり甘やかされてばかりでミナは戸惑う。別の日には我慢しすぎて自分の服を魔眼で破り真っ裸になった所をオレンに見られ彼は責任を取るとまで言いだして?!
※結構ふざけたラブコメです。
恋愛が苦手な女性シリーズ、前作と同じ世界線で描かれた2作品目です(続きものではなく単品で読めます)。今回は無自覚系恋愛苦手女性。
ヒロインによる一人称視点。全56話、一話あたり概ね1000~2000字程度で公開。
前々作「訳あり女装夫は契約結婚した副業男装妻の推し」前作「身体強化魔法で拳交える外交令嬢の拗らせ恋愛~隣国の悪役令嬢を妻にと連れてきた王子に本来の婚約者がいないとでも?~」と同じ時代・世界です。
※小説家になろう、ノベルアップ+にも投稿しています。※R15は保険です。
王妃となったアンゼリカ
わらびもち
恋愛
婚約者を責め立て鬱状態へと追い込んだ王太子。
そんな彼の新たな婚約者へと選ばれたグリフォン公爵家の息女アンゼリカ。
彼女は国王と王太子を相手にこう告げる。
「ひとつ条件を呑んで頂けるのでしたら、婚約をお受けしましょう」
※以前の作品『フランチェスカ王女の婿取り』『貴方といると、お茶が不味い』が先の恋愛小説大賞で奨励賞に選ばれました。
これもご投票頂いた皆様のおかげです! 本当にありがとうございました!
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
国王陛下、私のことは忘れて幸せになって下さい。
ひかり芽衣
恋愛
同じ年で幼馴染のシュイルツとアンウェイは、小さい頃から将来は国王・王妃となり国を治め、国民の幸せを守り続ける誓いを立て教育を受けて来た。
即位後、穏やかな生活を送っていた2人だったが、婚姻5年が経っても子宝に恵まれなかった。
そこで、跡継ぎを作る為に側室を迎え入れることとなるが、この側室ができた人間だったのだ。
国の未来と皆の幸せを願い、王妃は身を引くことを決意する。
⭐︎2人の恋の行く末をどうぞ一緒に見守って下さいませ⭐︎
※初執筆&投稿で拙い点があるとは思いますが頑張ります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる