上 下
18 / 35
☑らぶ問答集☑

らぶ問答集

しおりを挟む


第6章 実例検証

理解しがたいことが多々ある。それらについて明確な答えが欲しい。と端書がしてある。



「問Ⅰ」
まずひとつ。
熱のこもる場所、例えば首筋や手首などに口付けをする行為を慣習にしていたのだが、ある日を境に近づくと噛むぞ、と言ってくるようになった。
また間合いをとり、警戒する小動物のような行動をとるようにもなった。そのような行動を見るのはやぶさかではないのだが、肌に触れられないのはひどく不満だ。そうした場合の最良の対処法というものが知りたい。


「美希生先生の解答例Ⅰ」
噛まれてみましょう。
案外趣味に合うかもしれないです。
とにかく、彼が噛むぞと言うのは、触られるのが嫌なわけだからじゃないんです。たぶん。ふぉーりんらぶへの戸惑いとかそうじゃないとか、そんなもんです。触りまくりちゅーしまくしで噛まれてみましょう。





「問Ⅱ」
 ふたつ。
 問Ⅰでも口付けについて触れたが、そうして一方的に唇を触れさせる行為だけではなく、唇を交わす行為を一般的にキス、と呼ぶものだが、今議論している……らぶ道?においては、キスという行為は初期の段階であると小耳に挟んだ。具体的には、クラスメイトの田村という生徒が、
「C組の狩野とはキスなんかとっくにしたんだろ?フレンチどころか、ベロチュー?」
と尋ねてきたので、とっくにというニュアンスから、判断した次第だ。だが俺には、そのキスの低位置がどうも理解できない。
 唇というものは、頭部のうちの、顔面に位置する器官のひとつであるが、それは下半身の生殖器よりも遙かに上部にあり、また脳に近いことから、脳からの統御がしやすいと理解する。つまり理性の影響を多く受けると考える。理性で制御可能なものが何故、物理的な刺激のみでも活性可能な部位よりも初期の段階に値するのか、理解しかねるのだ。
 キスという行為が初段階に置かれている事情を知りたい。



「美希生先生の解答例Ⅱ」
 ちゅー>えっちの人は、わたしが考えるに、食にこだわりがあるんだと思います。彰人くんもそうなのかもしれないですね。一方でえっちは排泄行為と近いと考える人もいるようです。えっちは、感情がなくてもできるという発想の場合には、そうかもしれませんよね。
 ちゅーが大切な人は、嫌いなものを食べるのがやなのと一緒で、嫌いな人とちゅーするのはやなもんです。だけど、ちゅーを大事にしてる人は、嫌いでもない人とちゅーするのもやなんですね、きっと。
 大大大(中略)大好きな人としかちゅーしない。グルメマスターなんです。
 めざせグルメマスター。わたしは応援してます。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

執着攻めと平凡受けの短編集

松本いさ
BL
執着攻めが平凡受けに執着し溺愛する、似たり寄ったりな話ばかり。 疲れたときに、さくっと読める安心安全のハッピーエンド設計です。 基本的に一話完結で、しばらくは毎週金曜の夜または土曜の朝に更新を予定しています(全20作)

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

エリート上司に完全に落とされるまで

琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。 彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。 そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。 社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。

『これで最後だから』と、抱きしめた腕の中で泣いていた

和泉奏
BL
「…俺も、愛しています」と返した従者の表情は、泣きそうなのに綺麗で。 皇太子×従者

処理中です...