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☑出会い☑
出会い
しおりを挟む八俣彰人と、オレ、狩野玲二の出会いは遡ること3年前。
そのときオレは、健康で普通の高校生をやっていた。
実家は貧乏だったが、そこそこ地元で有名な少年サッカーチームに所属していた経歴を買われ、推薦で入学。入学費、授業料免除により、このままサッカーにうちこむも自由、高校生活をトコトン楽しむも自由、っていう贅沢な身分だった。
事実、サッカー入学のオレは、何かとそのことを指摘され目立っていたばかりか、今までなかったほどに、モテた。
当時まだ付き合っていた子はいなかったけど、そろそろ誰かと付き合って、恋愛を楽しみたいなんて思い始めたとき、ちょうどその頃だ。
廊下で偶然出会った彰人に声をかけられて、オレの高校生活はおかしくなってしまった。
たった一度きりの高校生活、あまーいラブロマンスも少しは期待していたのに、しかもチャンスは何度もあったのに、仲良くなった女の子は彰人自ら誘惑し、自分の元におこうとした。
そしてオレに近づこうとした男は、しばらくすると学校に来なくなった。近づこうたって、彰人じゃあるまいし、オレにどうこうしようと近づいたわけじゃなくて、単に仲良くしようぜっというノリで近づいてきたんだろうに。
彰人は、「何か」をして、そういったやつ等を一掃してしまった。何があったのかは分からない。怖くてきけなかったからな。
彰人はオレになぜか執着していた。なぜだか分からない。
初めて出会ったとき、
「1年C組出席番号12番狩野玲二。お前は、類まれなる美しさを身にまとっている。俺のものになれ」
偉そうに、何人もの取りまきをつれながら、そいつはそう言った。イカレタ野郎だ。
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