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似たもの同士
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そして、その日は城の中にあるランスの工房に案内され、
「君に耳飾りをプレゼントしたいんだ。付けてくれる?」
と言われる。
工房の中には様々な鉱物や金属、工具が置かれていた。
「まさか、爆発する耳飾りじゃないですよね?」
ブレスレットに視線を注ぎながら、やや警戒しつつ言えば、ランスはくすり、と微笑んだ。
「君は、あんなバカげた嘘を本当に信じているの?」
「え、嘘なんですか?」
「爆発させる意味はある?ただのこけおどしだよ」
ランスは私のブレスレットの輪郭をなぞって見せる。すると少しだけ緩んで、簡単に手が抜けるようになった。
「細工づくりの腕輪だよ」
「え~種明かししちゃっていいんですか?」
「たしかに、ブレスレットが爆発しないなら、私のところに来る意味はないな。そうすれば、非情なシュシュは、もうここに来てはくれなくなるということだね」
ランスは大仰に肩をすくめてみせる。
「人聞きが悪いですよ!ランス様とは友達だし、ブレスレットどうのじゃなくても来ます。協力するってお約束しましたし」
「私は君の友達なんだね」
「え、違うんですか?王子の友達を名乗るのはおこがましいのかな」
「君の言う友達は、肉体関係を含むの?」
率直に聞かれてしまって、少し困ってしまう。友達の分類はしたことがない。
「エッチなことする友達もいましたよ。でも、基本的には恋人がいたら浮気はしない主義だったんです」
「基本的には?」
「恋人と上手くいかないと、しちゃうかな。私はこらえ性がないんです。すぐに別れたくなるから、相手には大事にしてないって思われるみたいですね。でも私からすれば、いい雰囲気じゃない付き合いが苦手なだけなんです。相手が笑ってないと、私も楽しくないから」
「君は優しい人だと思う。でも人との関係には波があるのが普通だよ。いい時も悪い時もあるはずだ」
「相手の悲しい顔を見ていると、笑顔が見れる未来が来るって信じるのは、とても難しいですよ。私の性格に原因があると分かっているなら、余計と難しくって、逃げたくなる」
今、前世のことを暴露してどうするんだろう?と思う。
「君に耳飾りをプレゼントしたいんだ。付けてくれる?」
と言われる。
工房の中には様々な鉱物や金属、工具が置かれていた。
「まさか、爆発する耳飾りじゃないですよね?」
ブレスレットに視線を注ぎながら、やや警戒しつつ言えば、ランスはくすり、と微笑んだ。
「君は、あんなバカげた嘘を本当に信じているの?」
「え、嘘なんですか?」
「爆発させる意味はある?ただのこけおどしだよ」
ランスは私のブレスレットの輪郭をなぞって見せる。すると少しだけ緩んで、簡単に手が抜けるようになった。
「細工づくりの腕輪だよ」
「え~種明かししちゃっていいんですか?」
「たしかに、ブレスレットが爆発しないなら、私のところに来る意味はないな。そうすれば、非情なシュシュは、もうここに来てはくれなくなるということだね」
ランスは大仰に肩をすくめてみせる。
「人聞きが悪いですよ!ランス様とは友達だし、ブレスレットどうのじゃなくても来ます。協力するってお約束しましたし」
「私は君の友達なんだね」
「え、違うんですか?王子の友達を名乗るのはおこがましいのかな」
「君の言う友達は、肉体関係を含むの?」
率直に聞かれてしまって、少し困ってしまう。友達の分類はしたことがない。
「エッチなことする友達もいましたよ。でも、基本的には恋人がいたら浮気はしない主義だったんです」
「基本的には?」
「恋人と上手くいかないと、しちゃうかな。私はこらえ性がないんです。すぐに別れたくなるから、相手には大事にしてないって思われるみたいですね。でも私からすれば、いい雰囲気じゃない付き合いが苦手なだけなんです。相手が笑ってないと、私も楽しくないから」
「君は優しい人だと思う。でも人との関係には波があるのが普通だよ。いい時も悪い時もあるはずだ」
「相手の悲しい顔を見ていると、笑顔が見れる未来が来るって信じるのは、とても難しいですよ。私の性格に原因があると分かっているなら、余計と難しくって、逃げたくなる」
今、前世のことを暴露してどうするんだろう?と思う。
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