魂レベルでビッチです～ヤンデレ彼氏に殺されて悪役令嬢に転生したらしいので、処刑上等で自由な異世界ライフを楽しみます！～

喪失の危機

3

　ロアシュを見あげれば、
「あぁ、随分といいお姿じゃないですか、お嬢。舐め腐っていた使用人相手に、改めて柔肌をさらすお気持ちはいかがですか？この後どうなるかは、さすがにご存知ですよね？」
　と皮肉めいた言葉がかけられた。
「爵位を失っていなければ、オレにだって機会があったんですよ。リーブル家との縁談だって可能だったかもしれない」
　へぇ、ロアシュは悪役令嬢と結婚したかったのかなぁ？
　何だかんだモテモテだね、悪役令嬢。

　完全他人事で切なそうにこちらを見てくるロアシュを観察していたけれど、脚の間に顔を寄せてくるのを見て、ひぇええと心の声が出た。

　そこからやるっ！？内腿に舌が這ってきて、身体をよじろうとするけれど動かない。中心には触れずに、サイドから攻めてくるので手練れ感がある。首を振っていたら、

「思ったよりしおらしいんですね」
　と言ってくる。
　いや、いや、しおらしいじゃないよっ！君が動けないようにしたし、話せないようにしたんだよね？

　ロアシュが身体を寄せてきたらじんわりと太腿に当たった熱を感じ、諦めの心地になる。
　ふ～ん、完全に動けない相手でもいいんだね、出来ちゃうんだぁ？

　そう思ったらやや冷ややかな気持ちになった。

　ただただ、冷えた眼差しでロアシュを見つめる。

　ロアシュが首筋に舌を這わしてきたので、へぇ、それでいいんだぁ。こっちは話すことも出来ないのに、やれればいいんだぁ？と思うにつれて、だんだん腹が立ってきた。

　じぃぃぃと見つめて一部始終を全部目で覚えておこうと思う。後で画家を探して、一部始終を詳細に証言して絵を描いてもらえばいい。証拠になるかどうかは分からないけど、複製を作ってばらまいてやるっ。

　後で細かく描いてもらうためにも、ロアシュの容姿や一挙一動を見つめ続ける。

　ロアシュがリーミアの攻略対象がどうかは分からないけれど、「ロアシュは却下」とどこかにメモしておこう。
　動けない相手に手を出そうとする人は、おすすめできない。