魂レベルでビッチです～ヤンデレ彼氏に殺されて悪役令嬢に転生したらしいので、処刑上等で自由な異世界ライフを楽しみます！～

レッツ子づくり

1

　ルイドラン家に着いた私はまず湯浴みを勧められた。リルとミリィは私付きのメイドとして一緒にこの家へやって来ている。
　二人がぴたりと付き従って来て着替えを手伝ってくれた。どの香りをまといましょうか、と言いながら、何着かのナイトドレスを勧めてくる。
　好みの香りのナイトドレスに着替えたあとは、真っ先に夫婦の寝室に通された。紗のカーテンのかかった高い天蓋のある部屋を見て、あれ、とふと思い至る。

　――――何するの、この場所？

　ベッドがあるほかには燭台があり、明かり取りの窓がある程度の部屋だ。寝るだけの部屋という印象だったけれど、まだ就寝時間にしては早い気がする。
　
　後からやって来たクラドが素肌にガウンをまとった格好だったので、うっわあああ、と心の中で叫んだ。露骨な流れに頭を垂れてしまう。
「正直乗り気じゃない。君のコイントスのせいで決まったこの婚姻も、今では裏があったのではと思っている」
　寝台に座っていた私の隣に、クラドはやって来た。

「あなた自身が裏表も確認しましたし、リル達にも立ち会ってもらいましたけど？一回じゃ不正の可能性があるとおっしゃったので、五回勝負を十回しましたよね？何か問題ありますか？」
「シュシュ、君はいつからそんなに弁がたつようになったんだい？」
「私は婚約破棄でもよかったんですよ？五回勝負では表が優勢で、婚約破棄に決定していましたよね？何で後になってルールを変更したんです？」

「そ、それは。そんなことはもういいんだ。しかし、婚礼式を行ってしまったからには、もう私たちは夫婦だ」
　んー、よくない。勝手にルールを変更するのは正当性にかけると思う。

　おもむろに身体を寄せてくるクラドは、どこか焦りの気配を帯びていた。熱心に私の胸元やデコルテの辺りを見てくる。こちらからは、クラドの均整のとれた胸板が見えてきた。

　あれ～、なんかピンクな流れ？