魂レベルでビッチです～ヤンデレ彼氏に殺されて悪役令嬢に転生したらしいので、処刑上等で自由な異世界ライフを楽しみます！～

ビッチ、殺されました

3

「どうせ最後なんだから、思い出を作ろうよ」
　そう言われて私の家で、最後の夜を過ごすはずだった。
　ベッドの上でまるで小鳥のような軽やかなキスをしたとき、彼はとても切なそうな顔をする。長い睫毛を伏せて眉根を寄せていた。

「アァ、ワキューズ……」
（どうしてこうなったの？）

　英語のフレーズを口にするので、私の胸にも来るものがある。
「いつもカッコつけてる、イキってるってと言われるから気をつけているんですけど。感情が高まるとつい英語の方が出てきてしまって……」
　と付き合う前の彼が話していたのを思い出す。

　――――今は、悲しいからそのフレーズが出てきたの？

　そんなに悲しい？いつも怒るし、君の不機嫌は大体私が原因なのにね。

　この関係がどんな始まりだったのかを思い出そうとしたら、彼がやや強引に首を吸って来た。
　その後はいつもどおり服を脱がせるのも雑で強引な、焦り気味のナイトルーティンのはじまり方だ。

　積極的に動くと、「慣れているのは隠して、ビッチは嫌いだよ」と怒られるので自分からは頑張らない。
　今日もザ、俎上のマグロでいかせてもらいますよ、と思うのだった。