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4章 近づくもの遠のくもの

●悩める者

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「魔法6日目(大安)」


 変わった夢を見た。
 気がつくとわたしは、暗澹とした水面に灯火の明かりが映りこんでいる様子を見つめていた。
 ざわめきの中から、わたしのお父さんが幸太郎のお父さんやそのほかの大人と話している声を拾い上げる。
 明日の予定がとか、天候が、とか途切れ途切れに聞こえる話はわたしにとって退屈で、思わずあくびをする。
 すると、Tシャツの裾を引かれ、見ると幸太郎がそこにいた。
 小学校に入っているかいないかくらいだと思う。幸太郎はレンジャーもののキャラクターが描かれたTシャツを着ている。
 ミサキ、落っこちる、と言ってわたしの手を引っぱった。
 そう言われて始めて、欄干にもたれながら、ぼんやりしていた自分に気がつく。
 目の前には大きな湖を臨み、その淵には等間隔で灯篭が立てられ火がともされている。
 欄干のわたし木の間から、その様子が見えた。
 明日はすげーんだぞ、いっぱいカッコいいんだ!
 幸太郎は、何やら興奮して話し始め、俺なんかパンツまで準備オーケーだ!と言いながらズボンを脱ごうとしてお父さんに止められていた。
 そんな様子をまたバカなことやってる、と冷ややかに見ながら、それでもわたしの胸にもドキドキがあった。
 目の前に迫る楽しいことを待ち遠しく思う、わくわくした感情があった。
 そんな風に思っていると、一人の男の人がわたし達のほうにやって来て、まずお父さんたちに挨拶をした。
 それから、わたしと幸太郎に気づいて笑いかけてきた。
 わたしは優しい笑顔が印象的な人だ、と思った。
 ただそれだけじゃなくて、その瞬間にたちまち妙な親近感を抱いた。会ったことのある人だ、と思った。
 男の人は、振り返ると手を招いて、誰かを呼んだ。
 すると、少しして少年がやって来た。
 多分君たちと同い年だと思う。仲良くしてやってくれないか?
と男の人がそう言うと、幸太郎は少しだけ警戒するような不思議な目でその人と少年とを交互に見て、それからわたしを見た。
わたしがきょとん、としているのを見ると表情を緩め、仲良くするー、と答えた。わたしもつられてするーと頷いた。
 けれど少年はニコリともせず、そっぽを向いて少し離れたところへと歩いていってしまう。
 あーあー、ご機嫌ななめかな。
と男の人は苦笑いすると、
明日いっしょになったら、少し構ってやって欲しいんだ、と言った。
 幸太郎はにわかに活気づき、男の人に一生懸命話しかけ始め、わたしは少し離れたところで湖を眺めている少年を何となしに見た。
 灯火の明かりの下で、白く映える横顔はとても綺麗だった。
 なのに、無愛想な表情が近寄りがたい雰囲気を少年にあたえてしまっている。
 笑えば良いのに、そう思った。

 そんな夢だった。


 寝覚めに、枕もとの目覚まし時計をみると、まだ6時台だった。
 昔の出来事を振り返っているような夢のような気もするけれど、寝起きの頭で思い出そうとする記憶は朧ろげで、実際にそんなことがあったのかどうか思い出せなかった。

 7時にセットしてある目覚まし時計が鳴るまで、眠ろうと思うものの、中途半端に目が覚めてしまい、結局起きることにした。
 外の空気を取り込もうとカーテンと窓を開けると、すでに熱を帯びだした太陽光が庭の芝生を照らし出しているのが見えた。
 今日も暑くなりそうだな、と思いながら、レースのカーテンだけ引きなおし、一階に降りてシャワーで汗を流した。
 今日は部活が休みなので、午前中は中学の頃の友達と待ち合わせてラクロス部の試合の応援に行く約束をしている。
 午後は昨日約束したとおり、みんなで夏祭りに行く予定になっているけれど、松代君からの返事が来ていなかったのが少しだけ気がかりだった。
 そんなことを考えながら、郵便受けに新聞を取りにいくと、新聞の他に一枚の紙切れが入っていた。
 “夏祭りの件了解した。火恩寺で待っている。松代一誠。“
 とだけ書かれ、また印鑑が押されている。
 わざわざこれを家のポストまで持ってきたのかな?それともあのお付のじいやさんが?
 どっちにしてもご足労に違いない。
連絡先でも教えておけば良かった。

 あれから松代君とは会ってないけれど、結局、戸田さんとは話を出来たのかな。
 どうして戸田さんが松代君にあんなことを言ったのか、幸太郎を元に戻したのか、わたしには分からないことばかりだ。
 巻き込まれているのに、肝心なところには触れさせてもらっていない、そんな感じがして、少しだけ苛立ちを覚えた。
 松代君は何か知っているのかな。

 昨晩、幸太郎から午前中はサッカー部の友達を誘って祭りの準備に行ってくる、とメッセージが入っていた。普段のやり取りとは、何にも変わった様子もない。
 昨日はあのあと、幸太郎と迎えに来てくれた火恩寺君と一緒に帰った。帰りに幸太郎とどう接すれば良いのか、と部活の間中考えていたのに、幸太郎は何ら変わった様子がなかったので、逆にわたしの方が戸惑ってしまった。
魔法がかかっているからしょうがない、と幸太郎に言ったものの、わたしは正直なところ、かなり引きずっていた。

 あんなタイミングでキスされて、すっかり忘れるっていうのは難しい。
 幸太郎は何を思ってあんなことをしたんだろう?
 それに何であんな悲しそうな顔をしたんだろう?
 昨日わたしが昼ごはんに食べた穂波君特製のハンバーグの味を味わいたかったから、キスしたとか?
 実はわたしが知らないだけで、幸太郎にとってキスは挨拶程度で、家族、友達だれかれ構わずちゅっちゅしているとか。
 ……想像したら少し気持ち悪くなってきた。
 考えれば考えるほど昨日の出来事が記憶に絡まっていって、頭から離れなくなるのだった。


 そんな考えを頭に置きながら、中学の頃の友達に会ったら、思いがけず幸太郎の話が出た。
 ラクロスは高校生の部活という単位だとマイナースポーツ扱いらしく、地域に専用のコートがないため、毎回、サッカー場のピッチにテープでラインを引いて行われるようだった。
 ちょうどグラウンドの外を大きく囲む観戦席ならぬ、観戦用の芝生にシートを敷いて、人心地ついていた。
 試合が始まる時間には間に合ったようで、シャツと巻きスカートの選手たちが整列していた。
 うちの高校は赤と黒のチェックのスカートに赤いナンバーの書かれたシャツで、相手チームは緑で脇に白のラインスカートで、緑のナンバーのユニフォームだった。

 ほとんどの選手が目に防具を付けているので、誰が誰だが分かりづらかったけれど、一人ボブのまほりは遠目に分かった。
「何かまほり一人浮いてるっぽいねー、何か小柄だし。平気なの?」
 そう麻美が言う。
「でもシュートのパワーがものすごいらしいよ。それに当たり負けしないみたいだし」
「すごいね、まほりちゃん」
 と佑香。
「パワーの出どころが筋肉じゃなさそうなのが怖いけどねー」
 沙紀もそう言うと、
「じゃあ何なの?」
 麻美がそう返し、
「霊的な何かでしょ?」
「やめてよー沙紀ちゃん、そういう怖いの……」
 佑香が反応する。
 豪快な麻美に、服装センスがある意味すごい沙紀、おっとりのんびりな佑香、そしてまほりとわたしの5人で過ごすことが多かった。

 趣味も性格もバラバラだけれど、クラスが一緒になった縁で何だか知らないうちに仲良くなってしまった5人だ。
 わたしとまほり、そして他の三人でそれぞれ同じ高校に入学した。
 高校に行ってからすぐは集まって遊んだこともあったけれど、最近は会っていなかった。
何だか、懐かしいなとかみ締めていたら、
「ミサキ、コータローとまだ仲いいの、やっぱ?」
「そうそうそれ聞きたかった」
 麻美がそう聞いてきたのをきっかけに、沙紀も話しに乗ってきた。佑香は何だか微妙な顔をして二人を見ている。
 そういえば麻美と沙紀は、中学の頃から何かと幸太郎のことを聞いてきたっけ。
「仲良いっていうか、もう腐れ縁のレベルだと思うよ……」
 実は、昨日の一件で幸太郎のことが良く分からなくなっているけれど、さすがにキスのことを言う気にはなれなかった。
「何だ、付き合ってないの?」
「うっそ、じゃあ佑香の一人勝ちってこと?えー1000円も賭けなきゃよかったー」
「もうーわたしは賭けてないからね。そういうの良くないって思うし」
 何だか嫌な予感がして、
「この流れからって、もしかしなくても……賭けてたの?」
 そう尋ねると、麻美も沙紀も作り笑いを浮かべる。
 ははは、あたりぃ。

「二人とも変わってないね……」
 この二人は、中学の頃もこの手の賭けを何度もしていた。しかもその多くが何故か幸太郎とわたしをダシにしていたのだ。
「ごめんね、ミサちゃん。止めるように言ったんだけど……」
 そして二人の間に入る佑香、というのもわたし達の中では良くある光景だった。
「でも、何でよりにもよって、コータローと付き合うとか付き合わないとかなの?中学の頃から結構やってたけど」
 わたしが聞くと、二人は顔を見合わせ、
「もう時効かもね」
「ま、そうだね。もううちらも高校生だし」
 そう言う。
「時効って何?」
「中学の頃、うちらコータローに告ってふられてるんだよね。それで――――」
「はあっ!?」
 自分でも驚くくらい大きな声が出てしまう。
「ミサちゃん目が飛び出てるよ……」
「だ、だって、そんなのわたし聞いたことないし!それによりによって何でコータローに告白するの?色々が色々分からないんだけど……」
「予想通りの反応過ぎて、面白いくらいだよ、ミサキ」
「うん、本当に」
 頭が混乱しているわたしに対して、二人は何だか冷静だ。

「コータローって、中学の頃結構モテてたんだよ。特に中2になって急に背が伸び始めた頃から、カッコいいって。ただでさえ運動は出来たし、性格がアレだから目立ってたし、まあ当然って言えば当然だけど」
「コータローはミサキと仲良かったから、わたし達とも話すこと多かったでしょ?それで良いなーって。明るいし、良い奴だしちょっとバカだけどそれもありかなーって」
「こ、告白したの?」
 すべてがすべて初耳だった。
「そう、もちろん、沙紀とはバラバラにね。後で聞いて沙紀も好きだったってこと知った」
「そうそ。ついでに、同じ理由であっさりふられたことも聞いたわけ」
「同じ理由?」
 そう口にすると、麻美が苦笑いで答える。
「ホントになーんにも聞かされてないんだね」
「けど、だったらこれ。わたし達の口から言ってもいいのかな?」
 沙紀が何やらためらうような顔をするけれど、麻美は、
「まあ、良いでしょ。うちらにとってはもう終わったことだし。今まで何にも言わなかったコータローも悪いんじゃない?」
 そう言う。
「どういうこと?」
「昔からずーっと好きな人がいるから付き合えないって言われたの」
「ずーっと好きな人?誰?」
 わたしがそう口にしたとたん、3人ともぽかんとした顔をした。

「だ、大丈夫、想像は出来たから。この反応」
 身もだえしながらそう言っても説得力はないけれど、麻美はそう言うことで自分を納得させているみたいだった。
「にしても懐かしいわ、この感じ……」
 と沙紀も言う。
「ミサちゃん、変わってないね。何だか嬉しいな」
 佑香一人何だか嬉しそうに微笑んでいる。
 幸太郎の好きな人なんて、幼なじみとしていつも一緒にいたにも関わらず、気がつかなかった。
 幼稚園から小学校まで一緒だった、里香?
 小学校から中学校まで一緒だった真美?
 大穴で中学から高校まで一緒の野上君とか?
 頭の中でそんなことを考える間もなく、
「ミサキ以外の誰がいるわけ?」
 少しだけ冷ややかな眼差しをこちらに向けながら、沙紀が言う。
 その言葉が上手く頭の中で理解されずに、頭の中でグルグルと回る。
「え、ちょっと待って沙紀。つまりその……コータローの好きな人がわたしって言いたいわけですか?」
「何で途中から敬語?そう言いたいに決まってるでしょ!」
 念を押すように沙紀は言うけれど、わたしにはいまいち沙紀の言うことが掴めなかった。
 幸太郎がわたしを好き、という言葉に条件反射的に、そんなわけないでしょ、と突っ込みが入る。
 けれど、その後に、昨日のキスがぼっと頭に浮かんでいて、慌てて払いのける。

「沙紀あんま熱くなるなって。これ以上はうちらが深く突っ込むことじゃないしね」
 それ以上その話をするつもりはないみたいで、麻美はそう言った。
「そーだけどぉ。どーせならミサキとくっついて欲しいじゃん?」
「ちょ、ちょっと待って。この話題もう終わり?コータローがわたしのこと好きとか言われても、わたし納得いってないんだけど!?」
「それも中学校の頃の話だよ。もしも今違うなら、余計なこと言ったなって感じだけど……。それにね、ミサキもさ、もうそろそろ恋愛面倒くさいとか言ってないで、告白されたら付き合ってみるくらいのスタンスで居た方が良いんじゃない?」
「麻美も、ゆき姉ちゃんとか、まほりみたいなこと言うんだね。わたしのことより自分は?」
「だって、うちら彼氏いるし。佑香はドラム命だから彼氏いらないって言ってるけど」
「ええええ!?うそっ!?何で?」
 思わず口にすると、二人の米神がぴくっと動いた。
「何でって、ミサキ……わたしと麻美には彼氏出来ないとでも?」
「マジで喧嘩売ってる?」
 と二人して凄んでみせる。怖かった。

「い、いやいや、そういう意味じゃないよ?」
 単純に意外だった。
二人が幸太郎に告白していた事実も、二人がわたしとは違って恋愛に興味があったということも。
「まあ、付き合ってみて合わないなら別れるし、合うならそのまま付き合うし、そんなもんだよ」
「ミサキは構えすぎ」
「ええー、わたしは良いと思うけどなー。ソウルが呼ばない相手と付き合っても心のビートが乱れるだけだよー」
 佑香がちょっと意味の分かりづらい例えをし始め、
「はあ、佑香はミサキとまた違った厄介さがあるよね。この前も――――」
 そんな風に話はいつのまにか逸れていき、試合開始のホイッスルとともに、話しは応援に変わった。
 それでもわたしの心は、まだ話の内容に寄りそったままで、まほりにはとっても悪いことに、試合が終了するまで、すっかり考え込んでしまっていた。

 だから、試合が終わったまほりに、ミサキの意識はわたしのほうになかったでしょ、と言われたとき、内心ドキーッとした。
 どうして分かるんだろう?という素朴な疑問とともに。
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