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新しい世界とは
しおりを挟む「わざと嫌がらせをしているだろ?」
と言えば、ルークは首を振る。
「ラウリィは過剰防衛だ。怖いんじゃないか?新しい世界に行くことが」
「新しい世界ってなんだ?」
「それは、接触に決まってる」
イゾルデをトリスタンに横づけにしてきて、ルークはじっとこちらを見つめてくる。ポテンシャルを秘めていたとはいえ、中々に美男子になったなぁ、と感心してしまった。乙女ゲームではメインヒーローポジションを、争えそうだ。
「分かった。じゃあ試しにしてみてくれ」
とオレは言う。
ルークがオレのシャツの襟を掴み、額と額を合わせて来た。
目を目が合って、さすがのオレも少しだけ戸惑う。
「まぐわいだ。視線を交わす」
視線を合わせれば、いつもルークから逸らしていたように思うのに、今は一向に逸らさない。
「視線を交わすことは、そういった行為と同様の意味がある。そういった時代もあったらしい」
じっと見つめてきて、一度視線を外し、オレの口許を見てくる。
おお、と心の中で感激の声をあげた。
「すごいぞルーク!レベルが上がっている気がする」
一度逸らされると、物足りない気持ちになる。策士だ。
「褒める余裕がないくらい、とろとろに、ほだされて欲しいんだけどな」
ルークは再び視線を合わせてきて、オレの頬に手を置き、顔を寄せてき――――。
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