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32.デゼール王国平定
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「抗うのだ、皆のもの!!」
そう叫ぶデゼール王国国王には、だれもついていきません。
「平和的に、お話し合いで済ませましょう?」
国王陛下をそう言いながら囲い、無事デゼール王国は我が国となることになりました。
もちろん、メルハー獣国も我が国の属国とし、復活させました。デゼール王国は、王族たちの横暴で腐敗しきっておりました。国民は餓死し続け、貴族たちも兵力をそがれて子を人質とすることで抵抗できなくなっておりました。そんなデゼール王国は、わたくしたちが侵略しなくとも、まもなく崩壊したことでしょう。
「ナリアンヌ様たちが来てくれたおかげで、我が国は復活し、獣人の奴隷制も廃止され、デゼールの国民たちも生活していくことができるようになりました」
「よかったわ」
以前、観光した地域は恵まれた地域でしたが、この国の困窮は想像以上でしたわ。
「ナリアンヌ」
「メルテウス様?」
メルテウス様が手招きしていらっしゃいます。女王として、わたくしがこの国の頂点に立っております。
「これを渡したくて」
メルテウス様は、白く長い杖をわたくしに差し出します。そのてっぺんには、大きな虹色の輝く魔法石が絡みついています。
「剣にもなるんだ」
そう言って、魔法石を持って構えるメルテウス様。杖だった部分が、刀身として変化しました。
「ルーシェという名の武器だ。二度とそんな未来は来させないが、君が一人で戦うことになったときに」
「ありがとうございます、メルテウス様。これはもしかして……神具ではなくて?」
「あぁ。でも、君のものだ」
「まぁ!」
わたくしは、嬉しくて振り回します。
「これで一緒に魔物狩りに行きましょう?」
「悪役令嬢、神に不敬」
猫となったルチア様がそう言いながら、わたくしにすり寄っていらっしゃいます。
「ナリアンヌ嬢、君が幸せになるように尽力するよ」
故郷聖ルピテア王国で、殿下はそう誓われたそうです。
聖デゼール帝国。そこには、甚大な魔力を持った王配と人間兵器と例えられることのある女王がいた。その足下には、聖獣であり、この世界の臨時の神たるルチア様がいたそうだ。
そう叫ぶデゼール王国国王には、だれもついていきません。
「平和的に、お話し合いで済ませましょう?」
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「よかったわ」
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「ナリアンヌ」
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メルテウス様が手招きしていらっしゃいます。女王として、わたくしがこの国の頂点に立っております。
「これを渡したくて」
メルテウス様は、白く長い杖をわたくしに差し出します。そのてっぺんには、大きな虹色の輝く魔法石が絡みついています。
「剣にもなるんだ」
そう言って、魔法石を持って構えるメルテウス様。杖だった部分が、刀身として変化しました。
「ルーシェという名の武器だ。二度とそんな未来は来させないが、君が一人で戦うことになったときに」
「ありがとうございます、メルテウス様。これはもしかして……神具ではなくて?」
「あぁ。でも、君のものだ」
「まぁ!」
わたくしは、嬉しくて振り回します。
「これで一緒に魔物狩りに行きましょう?」
「悪役令嬢、神に不敬」
猫となったルチア様がそう言いながら、わたくしにすり寄っていらっしゃいます。
「ナリアンヌ嬢、君が幸せになるように尽力するよ」
故郷聖ルピテア王国で、殿下はそう誓われたそうです。
聖デゼール帝国。そこには、甚大な魔力を持った王配と人間兵器と例えられることのある女王がいた。その足下には、聖獣であり、この世界の臨時の神たるルチア様がいたそうだ。
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