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R18(後半)

8.お嬢様、心の準備はよろしいですか?

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 ここからはR18後半、7話完結型です。
 アルファポリスで分けてはいけない事を知らず、今回急遽二つを纏めました。 
 単体でもお読みいただけますが、かなりヤンデレ化しておりますため注意です。
 コメディ要素もありますが、ヤンデレ執事とお嬢様のエッチな感じを書きたかったという・・・ただただ、作者の欲望を駄々洩れにした自己満構成でほぼ※R回です。
 本小説はムーンライトでも公開しております。作品の評価等はそちらでして頂けますと嬉しく思います。
 
 猫まんじゅう、

********************************

「お嬢様、心の準備はよろしいですか?」

 そう微笑んだセバスに抱えられ、杏里は二階にある寝室のキングサイズベットの上に下ろされた。

「わあ······」

 星一つみえない黒い空。眼下には都内の眩い光が宝石のように輝いている。

「美しいですね」
「えぇ。この世界に来て、前の世界のような美しい景色を頻繁に見れる事は減ったけれど······。また違った美しさがあるわ?」

 超高層マンションの最上階なのだ。
 この上には見上げるものがない。だから景色も別格······。
 そう思っていた杏里はベッドに膝立ちになったセバスに押し倒される。

「いえ、景色もそうですが······それと比べられない位に美しい。アンリエッタお嬢様、貴女ですよ」

 ボスんッと沈む身体、そして見上げれば黒シャツの袖を捲り上げている彼が自分を見下ろしていて、杏里は息をのんだ。

 待って、なんか舌なめずりしてるし、この人、調理しようとしてるんじゃ······。

「そ、それもXYZクッキングのスキルなの······?」
「は?いえ、仰っている意味がよく分かりませんが······そうだ、お嬢様」

 にっこりと微笑んだセバスチャンはネクタイを緩め、シャツのボタンを開け始めた。

「へ······はい······」
「お嬢様は処女だと聞きましたが?本当ですか?」

「っぶ······ちょ、ちょっと待って、そういう繊細な事を普通に聞く?!!聞きましたって、誰情報なの?······朋美······か、」

 あんのエセ親友女ああ!
 杏里の脳裏には『え?だってセバス様が教えて欲しいっていうから仕方なくだよお?てへっ』とピースサインまで出している彼女が思い浮かんで、杏里は首をブンブンと横に振った。

「はい。執事喫茶を退職する前、朋美さんが来られまして、アンリエッタ様について少し情報を吐いて頂きました」

 本当は個人情報の詮索はいけないのですけどね。と全く悪気もなく笑いながら、セバスはじっと杏里の瞳を覗き込む。

「で?どうなんです?とてもおモテになると聞きました。最近まで彼氏がいたとか?身体目当てだった為に別れたのですよね?バイトは居酒屋で、変な男によく寄ってこられるとか?」

 朋美、めっちゃ吐くじゃん。
 全部言ってるじゃん?

 杏里は遠い目をしながら、倒された身体を起こして、セバスの前に座った。

「彼氏はいた。けど、そういう関係にはなってはいないの。だから、その······まあ、いうならば、処女、という事にはなるのかもしれないわね?······───ッ!?」

 その瞬間、両手を掴んでセバスが瞳を輝かせて、杏里は若干のけ反った。

「ああ!アンリエッタ様、良かった。本当に、良かった!アンリエッタお嬢様を追って転生して、タイミングもズレてしまったし、貴女を探すのに時間もかかっていたので、もし処女を誰かに奪われていたらと心配で心配で······!もし処女を奪われていたら、相手を殺めていたかもしれません。そして、その後、あの転生に失敗した魔女狩りでも致しましょうかと······」

 セバスが嬉々とした様子で長い台詞を噛みもせずに言い切り。杏里は完全にヤンデレ化したセバスチャンを見た。

「セバス······この世界は貞操概念はないわ?そんなに重要視しなくても······私の······処女なんか······重要では······「いえ、お嬢様!お嬢様の処女は重要ですよ」

「ねえ、この処女ネタやめない?恥ずかしいのよ、意外と。それに、アナタみたいなモテる遊び人とはちがうの」

 ふんっと、顔を背ける杏里をセバスはぎゅっと抱きしめた。

「アンリエッタさま、嫉妬、してくださるのですか?」
「へ?いや、別に嫉妬では······」
「大丈夫です、私も今世では誰とも経験はございません」

「······えぇええ?!セバス、童貞なの?!!」

 目ん玉飛び出るかと思った!嘘?
 でも、そうよね?そういう意味よね?!”誰とも経験はございません”って······。

、ってことでしょ?」

 食い気味にそう聞いてきた杏里にセバスは顔を引き攣らせた。

「ま、まあ······そうですが、なんかイヤですね、そういう言い方をされるのは」

「あら?私には処女、処女、と言っておいて、自分が童貞と言われるのはイヤなの?」
「聞こえの問題です。”処女”と聞けば神聖なイメージがするのに、”童貞”と聞いてあまり神聖なイメージがしないのは本当になんなのでしょうね」

 はぁ、と溜め息をついたセバスの肩に杏里は手を乗せた。

「大丈夫よ。セバスの童貞だって尊いわ?あんなにモテるのに······ね?でも、じゃあ私達初めて同士ってこと?なんかドキドキするわ!」

 自分が童貞だと分かれば、『じゃあ一緒に頑張りましょう!』みたいなノリになるのはどうなんだ?

 セバスは俄然ヤル気になった杏里の肩を抱くとゆっくりと寝台に倒した。
 上から彼女の瞳を覗き込み、にっこりと優しく微笑みかける。

「アンリお嬢様、他人の話は聞きましょうね?私が幾度となくお教えした事ではありませんか」

 ”忘れてしまったのですか?それはいけませんね?”
 そう言いながら、セバスの手が杏里のブラウスのボタンを素早い手つきで外していく。

 目にも止まらぬ早さで裸に近づいた恰好になった杏里は唖然と彼を見上げた。

「え······?だって童貞って······言ったわよ······ね?」
「今世では······です。前世では勿論色々と学んでおりますので」

「色々と······?」
「ええ、御存じの通り、私の家は代々執事をしておりましたので。姫に仕えていた者は姫様の自慰を手伝わされていたとも······「は?ええ?いや、そんな姫いたの?それただの変態じゃない?!」

 セバスは片手を背中に滑り込ませるとブラホックを素早く外す。
 するりとそれを引き抜いて、露わになった双丘をじっくりと見た。

「いえ、昔はよくあった事のようです。何人も側室がいると欲求不満にもなりますしね。ですので、女性を満足させる腕は磨いてきたつもりです」

 そう言って彼は誰も触れた事がないであろう、その膨らみを手で覆った。そしてマッサージをするようにふにふにと揉み始める。

「っ、セバ······ス、」

 セバスにこうやって直接身体に触れられたのは······初めて。なんだか変な気分······杏里が蕩ける瞳でセバスを見上げれば、彼はにっこりとほほ笑んだ。

「大丈夫です。この世界は一夫一妻。お嬢様を欲求不満などにはさせません」
「っ、そういう事じゃないんだけどおおお?!」
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