不安になって打ち明けただけ

suzu

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お付き合い

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「やばい、陽」

「?何かあったのか?」

「実はさ、前に言った気になってた子と付き合えたんだけど」

「は?」

「まじ幸せ」

 俺はそう言いながら微笑んだ。
 
「マジか……、よ、良かったな」

 俺はこの時、複雑そうに笑う陽の感情に気づかなかった。



 学校が終わり、千暁の教室に直行した。
 そして教室からひょっこりと顔を出してみた。

「あ、千暁、くん?」

 話したばっかり、付き合ったばっかりの恋人をなんて呼ぶのが正解か迷い、小声で千暁を呼んだ。

「あ!!悠先輩!」

 一応気づいてくれたみたいで、急いで支度をし、こっちに向かってきてくれた。

「ね、ねぇ、一緒に帰らない?」

 断られたくないという気持ちから少し弱気に首を傾げて言ってみた。

「?!も、もちろんいいですよ!ねぇ、怜央、瑠衣!僕先輩と帰るからー!また明日」

「あっ、もしかして、帰る人いた?」

「あ、気にしないで!彼氏優先だから!」

 その言葉に俺は心の中で胸を抑えた。

(やばい、今俺、ちょーリア充!)




 その後1ヶ月が経ち、それなりの恋人らしいやり取りをしていた。
  のだが、ただ一つ問題があった。

(俺たち、キスや行為は愚か、手すら繋いでなくない?!?)

 そう、あれから1ヶ月も経ったというのに一切何も無い。

(もしかして千暁ってそこまで俺のことが好きじゃない?ただの情で付き合ってるとか……?)
 
 さすがにやばいと思って、スマホを鞄から取り出し、検索をかけてみる。

『恋人 キス やり方』

 すると、多くのサイトやアドバイスがでてきた。

 (これ、俺できるのかな?)

 そんなことを考えながら他にある検索をかける。

(ま、まぁ、もしもの時の為にね?!俺だって千暁を傷つけたくないし?)

『男同士 ヤり方』

『男同士の仕方』

 ちょっと遠回しにだけど、調べたら出てきてしまった……。

(?!?!)

「待ってこれ……え、あ、まぁ、俺は抱く側だからいいだろうけど、抱かれる方は絶対痛いよね??」

 思わず独り言を……。

(ほんとに俺、こんなことできるかな……?まぁ、そんなムードになったら、頑張ろ!)

 そう、ポジティブは大切。



「ねぇ、陽って恋人いる?」

「え、いるけど」

「ヤり方教えて?」

「やだ」

「なんでー?」

 俺は、今陽の家にいる。

「何でもー、まぁ、実践でなら?」

「へ?なんてー」

 スマホをいじりながら話していたため上手く聞き取れなかった。

「何でもないし」

 最近、陽の様子がおかしい気がした……。

「なぁ」
 
「あっ、そういえばさ、お前の恋人に悪い噂があるんだけど」

 最近何かあった?と聞こうとするとそう遮られた。

「悪い、噂?」

(え、え、こわいんだけど)

「そうそう、結構有名なんだけどさー。言う?」

「う、ん」

 正直、怖いけど、聞きたい気持ちもある。
 まぁ、もしヤクザだった、とか実はなんたらかんたらとか、そういうのは別に気にしないからいいかなと思っていた。

「いいか?心して聞けよ?」

「あぁ、」

「久遠千暁は────」

「は?」
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