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第十三章 ヤコク・西
百七十二話 大禍時家・序
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彼らの放つ威圧にジョセフたちも少し緊張している。その様子を見てジョセフは。
「話には聞いたことあるが、相変わらず凄え覇気だ。普通なら腰抜かしてもおかしくないんだけどな」
「お父様、お母様、お兄様、何も全員で来なくても」
「向日葵、売られた喧嘩は相手ごと滅ぼすのが掟よ」
「今まで好き勝手やられたらしいからな、今度はこっちが好き勝手する番だ」
「向日葵、おそらく俺たちの出る幕はもう無い」
今喋っていた三人のうち真ん中を歩いている女性は大禍時日和、大禍時家当主であり純也と向日葵の母、代々祓い屋を家業として行っていたが、あることを理由に廃業し、今では警察のような機関の最高司令役を担っている。
その右隣を歩いているのは大禍時清秀、日和の夫であり、妻とともに家業を営んでいる。旧氏名は神野悪五郎であり種族は妖怪である。
そして左端を歩いているのは大禍時純也、大禍時家の長男でルガたちとはユニホームタウンで会ったことがある。
彼らがこちらへ近づいてくるにつれて背後のオーラがより鮮明に見えてくる。そのオーラの正体は彼らの配下にある妖たちであり、先頭を歩く主人の後を命令に忠実に従うかのようについてきている。
「それがなんだって言うんだやっちまえ!お前ら」
アオバは捨て台詞を吐き、彼らにカラクリを差し向ける。
「私はあの蛇をアナタはあの巨人を純ちゃんはあの蜘蛛をお願い」
「「承知」」
すると今まで後ろで待機していた妖たちが一斉にロボットに襲いかかるも、決着はすぐについた。
三人に目掛けて攻撃を仕掛けたイソヒメのロボットは急に体が動かなくなり、鉄装甲のボディが凹み出した。それだけでなく無機物であるにもかかわらず苦しそうにもがきだし、やがて首と体が分離した。トドメに日和が背負っていた薙刀を取り出しイソヒメロボットの体を下から上へと真っ二つに切り裂いた。頭と体が千切られた上に体を真っ二つにされたロボットはその場に落ちてただの鉄クズとなった。
イソヒメのロボットがくたばった後、日和の隣で本物の磯姫が、
「事切れたか、私の偽物め」
「ウフフッありがとう磯姫」
と日和が彼女の頭を撫でる。
その場にいる全員が日和のそれに気を取られているうちに、夫・清秀の方はすでにことが済んだ後だった。彼は妻の方を見て微笑んでいる。ダイダラボッチのロボットだったであろう、立方体の鉄塊が彼の右の手のひらでポンポンと飛び跳ねていた。
「嘘だろ⁉︎妖怪イソヒメ機10が一瞬でやられた⁉︎ダイダラボッチの方に至ってはどこに行った⁉︎いや、しかし!まだジョロウグモのやつが…」
アオバがそう言った瞬間ジョロウグモのロボットの全身がバラバラになる瞬間を目撃した。
純也本人は一切手を触れておらず、左手を前にかざしているだけでジョロウグモのロボットも鉄クズになってしまった。それに驚いたアオバは急いでその場を立ち去った。
アオバの偵察ロボが拠点へ戻る際、先ほどまでの光景に驚天しながらも冷静さを取り戻そうと次の作戦を考え始める。
すると、いきなり目の前が真っ暗になる。何事かと思いアオバ本人は画面に顔を近づけると
「次はお前だ」
と、おどろおどろしい声で警告される。アオバは背筋が凍り咄嗟に通信を切った。
「話には聞いたことあるが、相変わらず凄え覇気だ。普通なら腰抜かしてもおかしくないんだけどな」
「お父様、お母様、お兄様、何も全員で来なくても」
「向日葵、売られた喧嘩は相手ごと滅ぼすのが掟よ」
「今まで好き勝手やられたらしいからな、今度はこっちが好き勝手する番だ」
「向日葵、おそらく俺たちの出る幕はもう無い」
今喋っていた三人のうち真ん中を歩いている女性は大禍時日和、大禍時家当主であり純也と向日葵の母、代々祓い屋を家業として行っていたが、あることを理由に廃業し、今では警察のような機関の最高司令役を担っている。
その右隣を歩いているのは大禍時清秀、日和の夫であり、妻とともに家業を営んでいる。旧氏名は神野悪五郎であり種族は妖怪である。
そして左端を歩いているのは大禍時純也、大禍時家の長男でルガたちとはユニホームタウンで会ったことがある。
彼らがこちらへ近づいてくるにつれて背後のオーラがより鮮明に見えてくる。そのオーラの正体は彼らの配下にある妖たちであり、先頭を歩く主人の後を命令に忠実に従うかのようについてきている。
「それがなんだって言うんだやっちまえ!お前ら」
アオバは捨て台詞を吐き、彼らにカラクリを差し向ける。
「私はあの蛇をアナタはあの巨人を純ちゃんはあの蜘蛛をお願い」
「「承知」」
すると今まで後ろで待機していた妖たちが一斉にロボットに襲いかかるも、決着はすぐについた。
三人に目掛けて攻撃を仕掛けたイソヒメのロボットは急に体が動かなくなり、鉄装甲のボディが凹み出した。それだけでなく無機物であるにもかかわらず苦しそうにもがきだし、やがて首と体が分離した。トドメに日和が背負っていた薙刀を取り出しイソヒメロボットの体を下から上へと真っ二つに切り裂いた。頭と体が千切られた上に体を真っ二つにされたロボットはその場に落ちてただの鉄クズとなった。
イソヒメのロボットがくたばった後、日和の隣で本物の磯姫が、
「事切れたか、私の偽物め」
「ウフフッありがとう磯姫」
と日和が彼女の頭を撫でる。
その場にいる全員が日和のそれに気を取られているうちに、夫・清秀の方はすでにことが済んだ後だった。彼は妻の方を見て微笑んでいる。ダイダラボッチのロボットだったであろう、立方体の鉄塊が彼の右の手のひらでポンポンと飛び跳ねていた。
「嘘だろ⁉︎妖怪イソヒメ機10が一瞬でやられた⁉︎ダイダラボッチの方に至ってはどこに行った⁉︎いや、しかし!まだジョロウグモのやつが…」
アオバがそう言った瞬間ジョロウグモのロボットの全身がバラバラになる瞬間を目撃した。
純也本人は一切手を触れておらず、左手を前にかざしているだけでジョロウグモのロボットも鉄クズになってしまった。それに驚いたアオバは急いでその場を立ち去った。
アオバの偵察ロボが拠点へ戻る際、先ほどまでの光景に驚天しながらも冷静さを取り戻そうと次の作戦を考え始める。
すると、いきなり目の前が真っ暗になる。何事かと思いアオバ本人は画面に顔を近づけると
「次はお前だ」
と、おどろおどろしい声で警告される。アオバは背筋が凍り咄嗟に通信を切った。
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