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第七章 新たな旅立ち
六十三話 新チーム誕生
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コカトリスを一撃必殺で倒したルガは冒険者たちに持て囃され、さらには奴隷の身分から解放してもらえるという希望も手に入れたのだ。
遠くからその様子を見ていた優しい奴隷使いのエイクリーがルガのもとへやってきた。
「驚いたな、あんなものを見せられるだけでなくお前たちにも再会するだなんて」
エイクリーはそう言ってルガたち五人に話しかける。
「「「「あっ」」」」
冒険者たちは驚き、一斉に声を上げる。
「久しぶりだな、元気そうで何よりだ」
冒険者のリーダー核のアースが最初に喋る。
「久しぶりだなぁ、おやっさん」
「お久しぶりです、師匠!」
この冒険者四人はエイクリーとの再会を心の底から喜んでいた。
「おやっさん、こんなところで働いてたのかよ」
アースは気軽にエイクリーに話しかけていた。
その後、ルガは冒険者の四人とエイクリーの会話を聞いてわかったことがある。それは、どうやらエイクリーというのは過去に冒険者をやっており、この国に貢献した五人組のパーティ、ダークウィスパーのうちの一人で、元Aランク冒険者だったという。
しかし、彼らのパーティは不慮の事故で二人が殉職、一人が行方不明、もう二人は体に傷を負い辞職という凄惨な過去があったという。
ルガはその後、エイクリーに連れられて奴隷の証である腕輪を外してもらい、その日は冒険者と同じ宿に泊まった。
そして、時はルガたちがこの星に墜落した時まで遡り、ジョセフたちはひと気の少ない畑だらけの村に墜落し、これからのことに対して頭を抱え込んでいた。
「あー……空が青い。」
そう言ったのは死んだ魚の目をしたタイカだった。タイカは倒れた宇宙船の上に仰向けになって寝転がり、ぼんやりと空を眺めている。
「ダメだ、タイカはもう使い物にならねえ、誰か機械に強いやつはいねーか」
「無理ですね、この中で機械いじりが得意なのはヤスケさんとジョセフさんくらいしか…」
ロスはそう言ってジョセフとヤスケに目線を向けるが、二人とも断った。
「無理だ、俺は機械いじりじゃなくて武器の整備だから、なおせん!」
ジョセフのセリフを聞いていたヤスケは。
「そんな自信満々に言わないで下さい」
ジョセフは反論する。
「ならオメーは出来んのかよ」
「無理ですよ、私がいじれる機械は通信器や家電製品くらいなので」
ヤスケのセリフを聞いたロスはまた、目線を変えてタイカの方を見る。
「あー……空が青い。」
「確かに、雲ひとつないわね。」
「快晴って言うらしいぞ。」
「詳しいな。」
タイカの隣にリア、ユウ、エフィの順番で宇宙船の上に並んで寝転がっていた。
「あなたたち何やってるんですかこんな時に」
ロスは座った目でこの四人を見ていた。
「だってこんなの治しようがないじゃない。私が竜の姿になって運んでもいいけど、爪が鋭いから余計傷つくわよ?」
リアは宇宙船から降りてロスにそう言う。ロスは言葉が出なかった。次にエフィが地面に着地して言った。
「斜め四十五度の角度で叩いたら意外と直ったりするかもしれんぞ?」
「お前それどこで覚えたん?」
すかさずジョセフはツッコミを入れた。
すると、近くを通りかかった地元の百姓が。ジョセフたちを見るなり。
「アンタらいくとこがねえならうちに来るか?」
百姓の男はそう言ってジョセフたちを家に招待してくれた。ジョセフたちはルガが見つかるまでこの家の手伝いをすることとなった。
次の日の朝、リアとタイカの二人は各地を回り、情報収集を行なった。それ以外の五人は、泊めてもらっているお礼として畑作業に従事している。
五人とも、炎天下の中いつもとは違う服装で畑作業をしていた。その福は風通しがよく、まさに炎天下の作業にピッタリな作業服だった。
作業用の服と言ってもとてもやはり、簡素なもので、男は皮や布にベルトを巻いただけの服装で、女はワンピースのような服に上からショールを羽織った感じの服装だった。
昨日、家に泊めてくれた百姓の名前はウークと言い、あの家の主人でその妻にカットがいる。この二人は60代くらいの老夫婦で20代の娘が二人いる。
長女の方はホラビという名前で街へ出稼ぎに行き、月に一度帰ってくるそうな。次女のラキは家で畑の手伝いをしている。
「ふぅー、畑作業は骨が折れますね。」
「音を上げるのはまだはえーぞ」
ヤスケとジョセフは畑を耕し、畝を作っていた。そして、ロスとユウとエフィの三人は作物の収穫を行なっていた。
「ウークさん、次は何をすればいいですか?」
ロスはウークに聞いた。
「それじゃあ、あっちの方でマリスパイパーを植えるための作業をしてもらおうかの」
ウークの指す方に彼の妻のカットがいる。彼女は大きなカゴを持ち歩いており、カゴの中身が今にもこぼれ落ちそうな雰囲気だった。
すると、カットは転びそうになり、その拍子にカゴを落としてしまった。しかし、ユウの咄嗟の判断で彼女が転ぶことはなかった。
地面に落ちたカゴの中からはみんなにとって馴染みのある野菜が大量に入っていた。
ヤスケはそのうちの一つを拾って言った。
「馬鈴薯ですね、」
「バレイショ?」
「じゃがいものことですよ、ユウさん」
ロスはそう言ってユウに説明した。ユウはなるほど。と、相槌を打ってじゃがいもをカゴの中に入れた。
「ありがとうねぇ。」
カットはユウにお礼を言ってユウたちと一緒にじゃがいもをカゴの中に入れる。
その後も農作業を続けている中、ユウはふと空を見上げて言う。
「ルガ、今何してるんだろう」
その頃のルガはちょうど裁判を終えて拘置所に戻ったところだった。
それから時間は進み、ルガたちがこの星に墜落して3日目が経つ。
この町はロンドという名前の都市で中心には王宮がある。いわゆる王都って奴だ。
ここヴリト王国では近年、戦争が終結したばかりで元々あった複数の国が一つの国にまとめられたと聞いていた。
朝早く起きたルガはさっそく、ギルドへ行き、冒険者の登録をしてもらった。
朝イチのギルドは人が少なく、そこにいたのはルガと受付係りのお姉さん、この二人だけだった。
「それではルガさん、こちらにお名前をお書き下さい」
係のお姉さんはその書類を受け取ると奥の部屋から鉄のプレートを持ってきて。
「これを首におかけください。これで登録完了です」
するとルガは鉄のプレートを見て言った。
「これだけ?もっと、試験的な物とかは…体力検査とか」
「昇格や襲名の場合は試験などを行いますが冒険者登録をする際は名前を記入してもらうだけで結構なのです」
立て続けにルガは質問する。
「それじゃあ、依頼とかは?」
「あちらの掲示板にさまざまな依頼が貼っております。最初はみんなFランクなのでそれなりに簡単な仕事から初めて行くんですよ」
「ちなみに、Fランクの仕事ってどういうものがあります?」
そのあとも、ルガと係のお姉さんの二人で会話をしていると、だんだん人数が増えてきた。ルガは昨日出会ったパーティを待つためにギルドでのんびりと待っていた。
すると五人の冒険者がルガに声をかけてきた。その五人は昨日出会ったアースたちとは別の人たちだった。
「あの…すみません、Fランク冒険者の方ですか?」
「そうだけど、なにか?カツアゲならやめとくんだな。金なんて持ってないぜ」
ルガは話しかけてきた男に対してそう言って答えた。
「ち…違います、僕たち最近ギルドに登録して冒険者になったばかりなんです。それで僕たちと一緒にFランク冒険者同士パーティを組んでもらえないかと思ったんですが…」
それに対してルガはいいよ、と応えてその冒険者たちと一緒に狩へ出かけることとなった。
「やった!これで難しいクエストもこなせる!」
男はそう言ってパーティの冒険者たちと喜び合っている。
ルガに声をかけてきた男はロミオという男で名家の生まれだそうだ。冒険者の初心者とは思えないほど体力や筋力がついており、なおかつ剣術も見事なものだった。
ロミオの後ろにいるのがロザという女性で魔法使いだった。
ロザの隣にいるのはベンヴォーリオという女性がいる。職業柄は剣士でロミオの幼馴染でとても仲がいいという。
ベンヴォーリオの隣にはバルサザーという男がいてベンヴォーリオと同じ剣士で、ロミオの大親友でもあり兄的存在とも言える人物だった。
最後にバルサザーの隣にマキューシオという女性がいてこの人もベンヴォーリオやバルサザーと同じでロミオの親友だった。
ルガはそんな彼らとさっそく最初のクエストに出ることになった。
この六人が最初に受けるクエストはスライム退治だった。六人はスライムの出ると言う森の中にあるマーサー村へ向かうべく、さっそく出発した。
その道中で、ルガと五人の冒険者たちはこんな会話をしていた。
「ところで、最近ここら辺か、どこか遠いところに隕石なんかが落ちてきたなんて噂は聞かなかったかい?」
ルガはそう言ってジョセフたちの情報が入っていないか聞き出す。先程、ギルドでも係のお姉さんにも聞いたところ良い返事が返ってこなかったため、地道に探すしかなかったのだ。
「いえ、聞いたことないです」
「それより、ルガのこと教えてよ。なんだかよくわからないけど顔隠してるし周りに言われないの?顔隠してること」
そう言ってルガに話しかけてきたのはマキューシオだった。
「それに、見るからにここら辺の人じゃないよね?どこ出身なの?」
「それはちょっと応えられないなぁ。でも、代わりに俺がここにいる今までの経緯を話すよ」
ルガはそう言って話題をずらした。
「俺は俺を含めて八人の仲間と旅をしてたんだ。だが、その途中で賊に襲われて離れ離れになったんだ。俺はその仲間を探すためにギルドに入って情報を集めているんだ」
ルガはそう言ってこの星に墜落した時の経緯を多少濁して説明した。
「他の人たちはどうしちゃったの?賊にさらわれたとか?」
「滅多なこというなっての!ルガが可哀想だろ」
マキューシオはベンヴォーリオに注意する。
「いいよ、別に」
そうして会話をしている間にルガたちは目的地の森に到着した。昼間だからか森の中は比較的明るく、モンスターが出る気配はゼロに近かった。
さらに、森の中をしばらく歩いていくうちに数匹のスライムが出てきた。
「オッシャァ!初仕事きたぁ!」
正確にはまだ先だけど。
ロミオはそう言って剣を振り回しながらスライムの群れに突っ込む。
それ以外の仲間たちもロミオの後に続いてスライムに攻撃を仕掛ける。
ルガは後ろの方でその様子を見ていたが、ロミオたちの戦いは長時間続いた。
やがてロミオたちが戦いを終えて手を止めるとルガはロミオたちにこんなセリフを吐いた。
「ちょっと時間かかりすぎじゃないか?もっと効率良くやろうぜ」
遠くからその様子を見ていた優しい奴隷使いのエイクリーがルガのもとへやってきた。
「驚いたな、あんなものを見せられるだけでなくお前たちにも再会するだなんて」
エイクリーはそう言ってルガたち五人に話しかける。
「「「「あっ」」」」
冒険者たちは驚き、一斉に声を上げる。
「久しぶりだな、元気そうで何よりだ」
冒険者のリーダー核のアースが最初に喋る。
「久しぶりだなぁ、おやっさん」
「お久しぶりです、師匠!」
この冒険者四人はエイクリーとの再会を心の底から喜んでいた。
「おやっさん、こんなところで働いてたのかよ」
アースは気軽にエイクリーに話しかけていた。
その後、ルガは冒険者の四人とエイクリーの会話を聞いてわかったことがある。それは、どうやらエイクリーというのは過去に冒険者をやっており、この国に貢献した五人組のパーティ、ダークウィスパーのうちの一人で、元Aランク冒険者だったという。
しかし、彼らのパーティは不慮の事故で二人が殉職、一人が行方不明、もう二人は体に傷を負い辞職という凄惨な過去があったという。
ルガはその後、エイクリーに連れられて奴隷の証である腕輪を外してもらい、その日は冒険者と同じ宿に泊まった。
そして、時はルガたちがこの星に墜落した時まで遡り、ジョセフたちはひと気の少ない畑だらけの村に墜落し、これからのことに対して頭を抱え込んでいた。
「あー……空が青い。」
そう言ったのは死んだ魚の目をしたタイカだった。タイカは倒れた宇宙船の上に仰向けになって寝転がり、ぼんやりと空を眺めている。
「ダメだ、タイカはもう使い物にならねえ、誰か機械に強いやつはいねーか」
「無理ですね、この中で機械いじりが得意なのはヤスケさんとジョセフさんくらいしか…」
ロスはそう言ってジョセフとヤスケに目線を向けるが、二人とも断った。
「無理だ、俺は機械いじりじゃなくて武器の整備だから、なおせん!」
ジョセフのセリフを聞いていたヤスケは。
「そんな自信満々に言わないで下さい」
ジョセフは反論する。
「ならオメーは出来んのかよ」
「無理ですよ、私がいじれる機械は通信器や家電製品くらいなので」
ヤスケのセリフを聞いたロスはまた、目線を変えてタイカの方を見る。
「あー……空が青い。」
「確かに、雲ひとつないわね。」
「快晴って言うらしいぞ。」
「詳しいな。」
タイカの隣にリア、ユウ、エフィの順番で宇宙船の上に並んで寝転がっていた。
「あなたたち何やってるんですかこんな時に」
ロスは座った目でこの四人を見ていた。
「だってこんなの治しようがないじゃない。私が竜の姿になって運んでもいいけど、爪が鋭いから余計傷つくわよ?」
リアは宇宙船から降りてロスにそう言う。ロスは言葉が出なかった。次にエフィが地面に着地して言った。
「斜め四十五度の角度で叩いたら意外と直ったりするかもしれんぞ?」
「お前それどこで覚えたん?」
すかさずジョセフはツッコミを入れた。
すると、近くを通りかかった地元の百姓が。ジョセフたちを見るなり。
「アンタらいくとこがねえならうちに来るか?」
百姓の男はそう言ってジョセフたちを家に招待してくれた。ジョセフたちはルガが見つかるまでこの家の手伝いをすることとなった。
次の日の朝、リアとタイカの二人は各地を回り、情報収集を行なった。それ以外の五人は、泊めてもらっているお礼として畑作業に従事している。
五人とも、炎天下の中いつもとは違う服装で畑作業をしていた。その福は風通しがよく、まさに炎天下の作業にピッタリな作業服だった。
作業用の服と言ってもとてもやはり、簡素なもので、男は皮や布にベルトを巻いただけの服装で、女はワンピースのような服に上からショールを羽織った感じの服装だった。
昨日、家に泊めてくれた百姓の名前はウークと言い、あの家の主人でその妻にカットがいる。この二人は60代くらいの老夫婦で20代の娘が二人いる。
長女の方はホラビという名前で街へ出稼ぎに行き、月に一度帰ってくるそうな。次女のラキは家で畑の手伝いをしている。
「ふぅー、畑作業は骨が折れますね。」
「音を上げるのはまだはえーぞ」
ヤスケとジョセフは畑を耕し、畝を作っていた。そして、ロスとユウとエフィの三人は作物の収穫を行なっていた。
「ウークさん、次は何をすればいいですか?」
ロスはウークに聞いた。
「それじゃあ、あっちの方でマリスパイパーを植えるための作業をしてもらおうかの」
ウークの指す方に彼の妻のカットがいる。彼女は大きなカゴを持ち歩いており、カゴの中身が今にもこぼれ落ちそうな雰囲気だった。
すると、カットは転びそうになり、その拍子にカゴを落としてしまった。しかし、ユウの咄嗟の判断で彼女が転ぶことはなかった。
地面に落ちたカゴの中からはみんなにとって馴染みのある野菜が大量に入っていた。
ヤスケはそのうちの一つを拾って言った。
「馬鈴薯ですね、」
「バレイショ?」
「じゃがいものことですよ、ユウさん」
ロスはそう言ってユウに説明した。ユウはなるほど。と、相槌を打ってじゃがいもをカゴの中に入れた。
「ありがとうねぇ。」
カットはユウにお礼を言ってユウたちと一緒にじゃがいもをカゴの中に入れる。
その後も農作業を続けている中、ユウはふと空を見上げて言う。
「ルガ、今何してるんだろう」
その頃のルガはちょうど裁判を終えて拘置所に戻ったところだった。
それから時間は進み、ルガたちがこの星に墜落して3日目が経つ。
この町はロンドという名前の都市で中心には王宮がある。いわゆる王都って奴だ。
ここヴリト王国では近年、戦争が終結したばかりで元々あった複数の国が一つの国にまとめられたと聞いていた。
朝早く起きたルガはさっそく、ギルドへ行き、冒険者の登録をしてもらった。
朝イチのギルドは人が少なく、そこにいたのはルガと受付係りのお姉さん、この二人だけだった。
「それではルガさん、こちらにお名前をお書き下さい」
係のお姉さんはその書類を受け取ると奥の部屋から鉄のプレートを持ってきて。
「これを首におかけください。これで登録完了です」
するとルガは鉄のプレートを見て言った。
「これだけ?もっと、試験的な物とかは…体力検査とか」
「昇格や襲名の場合は試験などを行いますが冒険者登録をする際は名前を記入してもらうだけで結構なのです」
立て続けにルガは質問する。
「それじゃあ、依頼とかは?」
「あちらの掲示板にさまざまな依頼が貼っております。最初はみんなFランクなのでそれなりに簡単な仕事から初めて行くんですよ」
「ちなみに、Fランクの仕事ってどういうものがあります?」
そのあとも、ルガと係のお姉さんの二人で会話をしていると、だんだん人数が増えてきた。ルガは昨日出会ったパーティを待つためにギルドでのんびりと待っていた。
すると五人の冒険者がルガに声をかけてきた。その五人は昨日出会ったアースたちとは別の人たちだった。
「あの…すみません、Fランク冒険者の方ですか?」
「そうだけど、なにか?カツアゲならやめとくんだな。金なんて持ってないぜ」
ルガは話しかけてきた男に対してそう言って答えた。
「ち…違います、僕たち最近ギルドに登録して冒険者になったばかりなんです。それで僕たちと一緒にFランク冒険者同士パーティを組んでもらえないかと思ったんですが…」
それに対してルガはいいよ、と応えてその冒険者たちと一緒に狩へ出かけることとなった。
「やった!これで難しいクエストもこなせる!」
男はそう言ってパーティの冒険者たちと喜び合っている。
ルガに声をかけてきた男はロミオという男で名家の生まれだそうだ。冒険者の初心者とは思えないほど体力や筋力がついており、なおかつ剣術も見事なものだった。
ロミオの後ろにいるのがロザという女性で魔法使いだった。
ロザの隣にいるのはベンヴォーリオという女性がいる。職業柄は剣士でロミオの幼馴染でとても仲がいいという。
ベンヴォーリオの隣にはバルサザーという男がいてベンヴォーリオと同じ剣士で、ロミオの大親友でもあり兄的存在とも言える人物だった。
最後にバルサザーの隣にマキューシオという女性がいてこの人もベンヴォーリオやバルサザーと同じでロミオの親友だった。
ルガはそんな彼らとさっそく最初のクエストに出ることになった。
この六人が最初に受けるクエストはスライム退治だった。六人はスライムの出ると言う森の中にあるマーサー村へ向かうべく、さっそく出発した。
その道中で、ルガと五人の冒険者たちはこんな会話をしていた。
「ところで、最近ここら辺か、どこか遠いところに隕石なんかが落ちてきたなんて噂は聞かなかったかい?」
ルガはそう言ってジョセフたちの情報が入っていないか聞き出す。先程、ギルドでも係のお姉さんにも聞いたところ良い返事が返ってこなかったため、地道に探すしかなかったのだ。
「いえ、聞いたことないです」
「それより、ルガのこと教えてよ。なんだかよくわからないけど顔隠してるし周りに言われないの?顔隠してること」
そう言ってルガに話しかけてきたのはマキューシオだった。
「それに、見るからにここら辺の人じゃないよね?どこ出身なの?」
「それはちょっと応えられないなぁ。でも、代わりに俺がここにいる今までの経緯を話すよ」
ルガはそう言って話題をずらした。
「俺は俺を含めて八人の仲間と旅をしてたんだ。だが、その途中で賊に襲われて離れ離れになったんだ。俺はその仲間を探すためにギルドに入って情報を集めているんだ」
ルガはそう言ってこの星に墜落した時の経緯を多少濁して説明した。
「他の人たちはどうしちゃったの?賊にさらわれたとか?」
「滅多なこというなっての!ルガが可哀想だろ」
マキューシオはベンヴォーリオに注意する。
「いいよ、別に」
そうして会話をしている間にルガたちは目的地の森に到着した。昼間だからか森の中は比較的明るく、モンスターが出る気配はゼロに近かった。
さらに、森の中をしばらく歩いていくうちに数匹のスライムが出てきた。
「オッシャァ!初仕事きたぁ!」
正確にはまだ先だけど。
ロミオはそう言って剣を振り回しながらスライムの群れに突っ込む。
それ以外の仲間たちもロミオの後に続いてスライムに攻撃を仕掛ける。
ルガは後ろの方でその様子を見ていたが、ロミオたちの戦いは長時間続いた。
やがてロミオたちが戦いを終えて手を止めるとルガはロミオたちにこんなセリフを吐いた。
「ちょっと時間かかりすぎじゃないか?もっと効率良くやろうぜ」
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