49 / 180
第六章 平和の価値
四十九話 弱者
しおりを挟む
これより惑星グリトニルのナビア大陸にて第三次世界大戦最終決戦が始まった。
始めは両軍とも互角の戦いだったが、次第にオストノルレ連合軍の力が弱くなり始めていた。
それもそのはず、30万人と5万人では差が開きすぎていたのだ。しかし、本来であればオストノルレ連合軍は自軍よりも人数の多い敵軍を潰しにかかるための作戦を作り実行するはずだったが、彼らは予想よりも早く敵軍と遭遇し、作戦を立てたものの実行に移す時間がなかったのだ。
そのことから今現在、オストノルレ連合軍はミズ帝国軍に押されており、クヌートやアスケラーデン、ルガからしたら戦況は不利だった。
「戦況は報告、右翼はほぼ壊滅状態です!」
オストノルレ連合軍の兵士の一人が言った。
「なんとか持ち堪えろ!」
戦士長ラグナルはそう言い、人混みのど真ん中で剣を振り続けた。
戦場はあれに荒れておりルガやラグナル、アスケラーデンなどの強者を持ってしても戦況は有利に傾くことはなかった。その中でルガは。
「そもそも、敵軍と遭遇するはずの地点はもっとここから進んだところにあるはずだ、それなのに敵軍との遭遇が早すぎる!」
「帝国はそれだけ早く準備を済ませた、それだけのことだ」
荒れる戦況の中で誰かが言った。これの主は誰なのかは分からなかったが、そんなことをいちいち気にしていられなかった。
また、この戦況で甚だしく活躍する戦士達がいた。その中でも特に目立った三人がコーゼン王国のモッコとガート王国のガレリアとココドリロ王国のアスケラーデンだった。
コーゼン王国のモッコは常に周りを威嚇するかのように戦っていた。
モッコは鋭い目つきに白色の肌をした戦士で鎧ではなく着物のような服を着ており武器は主に弓矢を使ったスタイルの戦い方だ。
ただし、彼の使っている弓矢はただの武器ではなく矢に魔力のようなものをまとわせ、威力や方向まで自分の思うように操っている。
「ハハハハハ!愉快愉快!誰でもいい、私の首を取りにくるが良い!」
それに対してミズ帝国軍は。
「クソっ!あの着物を着たヤローなかなか近づけねぇ」
「なんだ誰も来ぬのなら私からゆくぞ!」
モッコはそう言うと一度に放つ矢の本数を増やし、その矢はさまざまな方向へ飛んでいき、戦場の兵士にランダムに突き刺さる。
しかし、矢が刺さってもモッコの射た矢は止まらず鎧や体を貫通しては矢にまとった魔力が尽きるまで縦横無尽に飛び回った。
彼の周囲には兵士たちの喘ぎ声や悲鳴以外には彼自身の高笑いが聞こえる。
そして、ガート王国のガレリアはまるで狂人のように剣を振り回していた。
ガレリアはギョロギョロと魚のように目が大きく口は鮫のように大きく開き尖った歯が見えている。
そのうえ鎧を着ていても鎧を着ていないように思わせる見のこなしで敵軍を次々と薙ぎ倒していった。
「シャーシャシャシャシャシャ」
「まだだ!もっと血を流せ弱者ども!」
この言動には味方軍もおそれをなすほどだった。そしてガレリアは剣を振り今までよりも多くの敵軍を斬りつけていく。
すると背後からガレリアを斬りつけようと不意打ちをするミズ帝国兵士が剣を振り上げた瞬間ガレリアに気づかれてしまい、その兵士は胴体を横に断裂される。
その後不意打ちをしようとした兵士を押し倒すとガレリアは相手を見下して豪語した。
「感謝する、キミたちみたいな弱者がいてくれるおかげで俺は強者でいられる」
この言葉を言い放ちトドメを刺した。
「さぁて、ここらはだいぶ片付いたとこだがそろそろ場所を移すとするか」
「さぁ!ガート王国の兵士ども、俺についてこい!ミズ帝国を落としに行くぞ」
ガレリアはそう言うと魔法でワープの魔法陣を作り出す。
ガレリアは冷笑するとその戦場を去っていった。
最後の一人、ココドリロ王国の参謀総長アスケラーデンはと言うと、この時はまだ人の姿で闘っていた。
彼はその体に染み付いた筋力や技を使い、そのアスケラーデン個人の戦力は非の打ち所がない。そのようにしてアスケラーデンは敵軍の戦力をどんどん削ぎ落としていき、30万人もいたミズ帝国軍は戦闘が始まって1時間で5万人も減らすことができた。
しかし、ミズ帝国軍は5万人もいえどまだ戦力は25万人もいるうえにこっちの戦力もだいぶ人数が減っていた。
するとここでアスケラーデンは戦いのさなか人混みの中にルガを発見した。
「ルガ殿!ルガ殿!」
アスケラーデンは必死にルガの名前を呼ぶ。ルガはその声にすぐに気がついた。
ルガは味方からもらったのかとそれとも敵から奪い取ったのか分からないが槍を持って敵と応戦している。
「なんだアスケラーデン」
「お主、異国から派遣された傭兵だと聞いた。そこでルガ殿は魔法とやらを使えるかな?」
アスケラーデンには余裕など全くないが敵と応戦しながら大変な現状の中、根性を振り絞ってルガに質問する。
「そうだな、アスケラーデン今からお前に強化魔法を施すがそれでいいか」
ルガは敵兵を押し倒しながら言う。
「かたじけない!我が軍の益となるならば喜んで受けよう!」
と言うとルガはアスケラーデンにことを伝えるために合図する。
「いいか、タイミングを合わせて俺と背中合わせになれ、その時にかける」
大丈夫だ失敗はしない!
二人は三、ニ、一と声を合わせて次の一瞬でアスケラーデンとルガは背中合わせになりルガはアスケラーデンに魔力を注ぐ。
するとアスケラーデンは体の奥底から力がみなぎってくる、とか言いアスケラーデンの消耗した体力や怪我などがみるみるうちに回復して行った。
「これはすごい、」
彼はそう言いうとルゲン王国で大暴れした時と同じように怪獣の姿に変身し、またさらに暴れ回る。
「うああぁ!…なんだアレは!」
アスケラーデンは変身とともに大きな雄叫びをあげて周囲にその存在を知らしめた。
「グゥゥゥオオオオオオオオ…」
「感謝する!ルガ殿!」
その後アスケラーデンは今まで以上の力を発揮し、大勢の敵戦力を削ぎ落とした。
始めにアスケラーデンは手に持った巨大な剣を横に一振りすると斬撃が飛び出し半径50メートル以内にいる兵士を吹き飛ばした。
「これはいいな」
アスケラーデンの活躍ぶりはすぐに周囲に知れ渡った。広範囲に薙ぎ倒されたミズ帝国軍がクヌート王やモッコ、ヨムス、ラグナルの目に写る。
モッコはその様子を見て言葉が漏れる。
「なんだぁ、ありゃ」
別の場所から見ていたクヌート王やラグナルは。
「ラグナル、アレは…」
「ええ、きっとアスケラーデン殿です。それも素晴らしいご活躍ぶりで」
「我々も負けていられませんな」
ヨムスも同感するように言った。
こうして、オストノルレ連合軍はミズ帝国軍に対し目覚ましい戦果を挙げることとなる。
そんな一方で、今現在ユウ達のいるミズ帝国には危機が迫っていた。
「緊急報告!こちら碧門、ここより三キロほど前方、ものすごい勢いでこちらへ向かってくる軍勢を発見!至急応答願います」
そう言って衛兵は魔力結晶通信器で城にいるフメリニツキ軍団長に報告する。
「やはり来ましたか。それではお願いします。特殊援護部隊の皆さん、お願いします!」
「「「「「「了解」」」」」」
ユウ達六人は真剣な表情で返事をするとフメリニツキの作戦通り各配置に向かった。
場所は同じで、それとはまた別の視点からは。
「一番隊はこのまま前に突き進み、碧門を破壊し侵攻する。ニから八番隊の七つの隊は右側へ着き敵国からの攻撃を迎えろ。また、九から十五番隊の七つの隊は左側へつき右側と同じように迎撃の準備をせよ」
「そして十六から十九番隊の四つの隊は一番隊の後方へつき援護を頼む。二十から二十四番隊の五つの隊は周辺の村へ行き、そこから別ルートで城へ侵入し、帝国の中心の城にある裏口を潰せ」
エフィは周囲の兵士たちに指示しているとやはりジョセフたちは来た。
「エフィ隊長、上空より敵が出現その数二人」
彼女達はミズ帝国付近の荒野を駆け抜けながら、エフィの近くにいる兵士はエフィにそう伝えた。
「わかった。敵の数が少ないといえど油断するな。いいな」
その声にココドリロ王国軍は二文字の返事で返す。
了解‼︎ただそれだけ。
そして、その上空を飛んでいるのはジョセフとリアだった。ジョセフは初めて見る光景に驚く。
「嘘だろ、あいつら全員女⁉︎」
戦場をあまり知らないリアは。
「兵士に女しかいないのは珍しいことなのか」
「珍しいとかのレベルじゃねえ、女にこんなことさせるなんてオストノルレ連合軍の腐れっぷりは今十分に理解した」
ジョセフは怖い顔をして言っている。
「なぁ、リアあまり敵軍を殺さないでことを済ませられるか?勿論これは命令じゃない。もし、リアが危険を感じたら逃げてもいいし最悪の場合敵軍を殺しても構わない。お願いできるか」
するとリアはフンッと余裕ありきの表情で明言する。
「黙ってなさい最年少、そんな願いこの最年長様にとっては造作もないことだわ」
そう言うとリアは竜の姿に変身して降下して行った。
それに続いてジョセフもゆっくりと下へ降りていく。
その様子を見たエフィは上空に剣の矛先を向けて言った。
「それでは前持って言った通り二から十五番隊はよろしく頼む」
「「了解!」」
と、ある二人の隊長が言う。
二番隊隊長アンネと九番隊隊長アンナは言った。
「「迎え入れろ‼︎」」
ここでココドリロ王国軍の二から八番隊の兵士とジョセフ、同じく九から十五番隊の兵士とリアによる戦いが始まった。
「全体、あの門めがけて突撃!」
オオーーーー‼︎
そう言いながらミズ帝国の碧門目掛けて突撃してくるのはルガを含まないエフィ率いるココドリロ王国の兵士達だった。
この時の彼女達はエフィは真ん中あたりにいて先頭には怪物の姿に変身した百人ほどの兵士が並んでおり、それらは勢いを止めることなく碧門に突進した。
すると碧門はいとも簡単に破られ門を押さえつけていたミズ帝国の兵士やその近くにいた兵士たちは押し潰されてしまった。
「今、国境を突破されてしまいました、敵軍が流れ込んできます!」
碧門を突破された兵士たちはそう叫んで周囲と城にいる者たちへ伝えた。
ミズ帝国の碧門を突破したココドリロ王国の兵士エフィ達はそのまままっすぐ城へ向かって走り続けた。
始めは両軍とも互角の戦いだったが、次第にオストノルレ連合軍の力が弱くなり始めていた。
それもそのはず、30万人と5万人では差が開きすぎていたのだ。しかし、本来であればオストノルレ連合軍は自軍よりも人数の多い敵軍を潰しにかかるための作戦を作り実行するはずだったが、彼らは予想よりも早く敵軍と遭遇し、作戦を立てたものの実行に移す時間がなかったのだ。
そのことから今現在、オストノルレ連合軍はミズ帝国軍に押されており、クヌートやアスケラーデン、ルガからしたら戦況は不利だった。
「戦況は報告、右翼はほぼ壊滅状態です!」
オストノルレ連合軍の兵士の一人が言った。
「なんとか持ち堪えろ!」
戦士長ラグナルはそう言い、人混みのど真ん中で剣を振り続けた。
戦場はあれに荒れておりルガやラグナル、アスケラーデンなどの強者を持ってしても戦況は有利に傾くことはなかった。その中でルガは。
「そもそも、敵軍と遭遇するはずの地点はもっとここから進んだところにあるはずだ、それなのに敵軍との遭遇が早すぎる!」
「帝国はそれだけ早く準備を済ませた、それだけのことだ」
荒れる戦況の中で誰かが言った。これの主は誰なのかは分からなかったが、そんなことをいちいち気にしていられなかった。
また、この戦況で甚だしく活躍する戦士達がいた。その中でも特に目立った三人がコーゼン王国のモッコとガート王国のガレリアとココドリロ王国のアスケラーデンだった。
コーゼン王国のモッコは常に周りを威嚇するかのように戦っていた。
モッコは鋭い目つきに白色の肌をした戦士で鎧ではなく着物のような服を着ており武器は主に弓矢を使ったスタイルの戦い方だ。
ただし、彼の使っている弓矢はただの武器ではなく矢に魔力のようなものをまとわせ、威力や方向まで自分の思うように操っている。
「ハハハハハ!愉快愉快!誰でもいい、私の首を取りにくるが良い!」
それに対してミズ帝国軍は。
「クソっ!あの着物を着たヤローなかなか近づけねぇ」
「なんだ誰も来ぬのなら私からゆくぞ!」
モッコはそう言うと一度に放つ矢の本数を増やし、その矢はさまざまな方向へ飛んでいき、戦場の兵士にランダムに突き刺さる。
しかし、矢が刺さってもモッコの射た矢は止まらず鎧や体を貫通しては矢にまとった魔力が尽きるまで縦横無尽に飛び回った。
彼の周囲には兵士たちの喘ぎ声や悲鳴以外には彼自身の高笑いが聞こえる。
そして、ガート王国のガレリアはまるで狂人のように剣を振り回していた。
ガレリアはギョロギョロと魚のように目が大きく口は鮫のように大きく開き尖った歯が見えている。
そのうえ鎧を着ていても鎧を着ていないように思わせる見のこなしで敵軍を次々と薙ぎ倒していった。
「シャーシャシャシャシャシャ」
「まだだ!もっと血を流せ弱者ども!」
この言動には味方軍もおそれをなすほどだった。そしてガレリアは剣を振り今までよりも多くの敵軍を斬りつけていく。
すると背後からガレリアを斬りつけようと不意打ちをするミズ帝国兵士が剣を振り上げた瞬間ガレリアに気づかれてしまい、その兵士は胴体を横に断裂される。
その後不意打ちをしようとした兵士を押し倒すとガレリアは相手を見下して豪語した。
「感謝する、キミたちみたいな弱者がいてくれるおかげで俺は強者でいられる」
この言葉を言い放ちトドメを刺した。
「さぁて、ここらはだいぶ片付いたとこだがそろそろ場所を移すとするか」
「さぁ!ガート王国の兵士ども、俺についてこい!ミズ帝国を落としに行くぞ」
ガレリアはそう言うと魔法でワープの魔法陣を作り出す。
ガレリアは冷笑するとその戦場を去っていった。
最後の一人、ココドリロ王国の参謀総長アスケラーデンはと言うと、この時はまだ人の姿で闘っていた。
彼はその体に染み付いた筋力や技を使い、そのアスケラーデン個人の戦力は非の打ち所がない。そのようにしてアスケラーデンは敵軍の戦力をどんどん削ぎ落としていき、30万人もいたミズ帝国軍は戦闘が始まって1時間で5万人も減らすことができた。
しかし、ミズ帝国軍は5万人もいえどまだ戦力は25万人もいるうえにこっちの戦力もだいぶ人数が減っていた。
するとここでアスケラーデンは戦いのさなか人混みの中にルガを発見した。
「ルガ殿!ルガ殿!」
アスケラーデンは必死にルガの名前を呼ぶ。ルガはその声にすぐに気がついた。
ルガは味方からもらったのかとそれとも敵から奪い取ったのか分からないが槍を持って敵と応戦している。
「なんだアスケラーデン」
「お主、異国から派遣された傭兵だと聞いた。そこでルガ殿は魔法とやらを使えるかな?」
アスケラーデンには余裕など全くないが敵と応戦しながら大変な現状の中、根性を振り絞ってルガに質問する。
「そうだな、アスケラーデン今からお前に強化魔法を施すがそれでいいか」
ルガは敵兵を押し倒しながら言う。
「かたじけない!我が軍の益となるならば喜んで受けよう!」
と言うとルガはアスケラーデンにことを伝えるために合図する。
「いいか、タイミングを合わせて俺と背中合わせになれ、その時にかける」
大丈夫だ失敗はしない!
二人は三、ニ、一と声を合わせて次の一瞬でアスケラーデンとルガは背中合わせになりルガはアスケラーデンに魔力を注ぐ。
するとアスケラーデンは体の奥底から力がみなぎってくる、とか言いアスケラーデンの消耗した体力や怪我などがみるみるうちに回復して行った。
「これはすごい、」
彼はそう言いうとルゲン王国で大暴れした時と同じように怪獣の姿に変身し、またさらに暴れ回る。
「うああぁ!…なんだアレは!」
アスケラーデンは変身とともに大きな雄叫びをあげて周囲にその存在を知らしめた。
「グゥゥゥオオオオオオオオ…」
「感謝する!ルガ殿!」
その後アスケラーデンは今まで以上の力を発揮し、大勢の敵戦力を削ぎ落とした。
始めにアスケラーデンは手に持った巨大な剣を横に一振りすると斬撃が飛び出し半径50メートル以内にいる兵士を吹き飛ばした。
「これはいいな」
アスケラーデンの活躍ぶりはすぐに周囲に知れ渡った。広範囲に薙ぎ倒されたミズ帝国軍がクヌート王やモッコ、ヨムス、ラグナルの目に写る。
モッコはその様子を見て言葉が漏れる。
「なんだぁ、ありゃ」
別の場所から見ていたクヌート王やラグナルは。
「ラグナル、アレは…」
「ええ、きっとアスケラーデン殿です。それも素晴らしいご活躍ぶりで」
「我々も負けていられませんな」
ヨムスも同感するように言った。
こうして、オストノルレ連合軍はミズ帝国軍に対し目覚ましい戦果を挙げることとなる。
そんな一方で、今現在ユウ達のいるミズ帝国には危機が迫っていた。
「緊急報告!こちら碧門、ここより三キロほど前方、ものすごい勢いでこちらへ向かってくる軍勢を発見!至急応答願います」
そう言って衛兵は魔力結晶通信器で城にいるフメリニツキ軍団長に報告する。
「やはり来ましたか。それではお願いします。特殊援護部隊の皆さん、お願いします!」
「「「「「「了解」」」」」」
ユウ達六人は真剣な表情で返事をするとフメリニツキの作戦通り各配置に向かった。
場所は同じで、それとはまた別の視点からは。
「一番隊はこのまま前に突き進み、碧門を破壊し侵攻する。ニから八番隊の七つの隊は右側へ着き敵国からの攻撃を迎えろ。また、九から十五番隊の七つの隊は左側へつき右側と同じように迎撃の準備をせよ」
「そして十六から十九番隊の四つの隊は一番隊の後方へつき援護を頼む。二十から二十四番隊の五つの隊は周辺の村へ行き、そこから別ルートで城へ侵入し、帝国の中心の城にある裏口を潰せ」
エフィは周囲の兵士たちに指示しているとやはりジョセフたちは来た。
「エフィ隊長、上空より敵が出現その数二人」
彼女達はミズ帝国付近の荒野を駆け抜けながら、エフィの近くにいる兵士はエフィにそう伝えた。
「わかった。敵の数が少ないといえど油断するな。いいな」
その声にココドリロ王国軍は二文字の返事で返す。
了解‼︎ただそれだけ。
そして、その上空を飛んでいるのはジョセフとリアだった。ジョセフは初めて見る光景に驚く。
「嘘だろ、あいつら全員女⁉︎」
戦場をあまり知らないリアは。
「兵士に女しかいないのは珍しいことなのか」
「珍しいとかのレベルじゃねえ、女にこんなことさせるなんてオストノルレ連合軍の腐れっぷりは今十分に理解した」
ジョセフは怖い顔をして言っている。
「なぁ、リアあまり敵軍を殺さないでことを済ませられるか?勿論これは命令じゃない。もし、リアが危険を感じたら逃げてもいいし最悪の場合敵軍を殺しても構わない。お願いできるか」
するとリアはフンッと余裕ありきの表情で明言する。
「黙ってなさい最年少、そんな願いこの最年長様にとっては造作もないことだわ」
そう言うとリアは竜の姿に変身して降下して行った。
それに続いてジョセフもゆっくりと下へ降りていく。
その様子を見たエフィは上空に剣の矛先を向けて言った。
「それでは前持って言った通り二から十五番隊はよろしく頼む」
「「了解!」」
と、ある二人の隊長が言う。
二番隊隊長アンネと九番隊隊長アンナは言った。
「「迎え入れろ‼︎」」
ここでココドリロ王国軍の二から八番隊の兵士とジョセフ、同じく九から十五番隊の兵士とリアによる戦いが始まった。
「全体、あの門めがけて突撃!」
オオーーーー‼︎
そう言いながらミズ帝国の碧門目掛けて突撃してくるのはルガを含まないエフィ率いるココドリロ王国の兵士達だった。
この時の彼女達はエフィは真ん中あたりにいて先頭には怪物の姿に変身した百人ほどの兵士が並んでおり、それらは勢いを止めることなく碧門に突進した。
すると碧門はいとも簡単に破られ門を押さえつけていたミズ帝国の兵士やその近くにいた兵士たちは押し潰されてしまった。
「今、国境を突破されてしまいました、敵軍が流れ込んできます!」
碧門を突破された兵士たちはそう叫んで周囲と城にいる者たちへ伝えた。
ミズ帝国の碧門を突破したココドリロ王国の兵士エフィ達はそのまままっすぐ城へ向かって走り続けた。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
魔法のせいだからって許せるわけがない
ユウユウ
ファンタジー
私は魅了魔法にかけられ、婚約者を裏切って、婚約破棄を宣言してしまった。同じように魔法にかけられても婚約者を強く愛していた者は魔法に抵抗したらしい。
すべてが明るみになり、魅了がとけた私は婚約者に謝罪してやり直そうと懇願したが、彼女はけして私を許さなかった。
女性として見れない私は、もう不要な様です〜俺の事は忘れて幸せになって欲しい。と言われたのでそうする事にした結果〜
流雲青人
恋愛
子爵令嬢のプレセアは目の前に広がる光景に静かに涙を零した。
偶然にも居合わせてしまったのだ。
学園の裏庭で、婚約者がプレセアの友人へと告白している場面に。
そして後日、婚約者に呼び出され告げられた。
「君を女性として見ることが出来ない」
幼馴染であり、共に過ごして来た時間はとても長い。
その中でどうやら彼はプレセアを友人以上として見れなくなってしまったらしい。
「俺の事は忘れて幸せになって欲しい。君は幸せになるべき人だから」
大切な二人だからこそ、清く身を引いて、大好きな人と友人の恋を応援したい。
そう思っている筈なのに、恋心がその気持ちを邪魔してきて...。
※
ゆるふわ設定です。
完結しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる