新やる気が出る3つのDADA

39話

「ふうわ」

少年はアクビをした。

眠気などない。

あの部屋で、十分寝てきた。

特に、眠たいわけではなかったのだが、

少年は、アクビをすることしか思いつかなかったのだ。

そこは、
キノコの国だった。

熱いだろう。

――耐えられないほどに――

私は、少年を気の毒に思った。

高温
多湿。
熱帯雨林。
名前もわからない、テナガザルの仲間。

そう。

そこには、
わけのわからない、
熱帯特有の動植物も存在していたのだが、

最も
顕著なのは、
キノコだった。

生い茂るキノコが。

キノコ
キノコ
キノコ。

大量のキノコに、雨林全体が覆われていて、

風景が、
カラフルなカーテンのように見えている。

「むんう」

少年は剣でキノコのカーテンを切り裂いた。

「バッシュル」

切られたカーテンから、ぼたぼたとキノコが落ちている。

それは、永久に続くと思われるほどだった。

永久に。