やる気が出る3つの DADA

うまれ生まれ変わった、DADA小説。ゴートゥ・ヘル＆少女地獄（66）

「で、普段はどんな状況なの？　その田舎町では、やっぱりいい家に住んでいたりするの？　アルファロメロに乗っていたりするの？」

「アルファロメオ？」

「アルファロメはともかく、その絵描きは、地方の有志みたいな感じなの？　権力を持っていて、その地方都市で何かしら、文化的な活動に参加しているとか」

「ええ、そこそこって感じですね」

「そこそこ」

「ええ。割と単独で活動していますよ。美術連盟などにも所属していませんし。ただ、プロの絵描きや、玄人筋には馬鹿にされていますね。これは、本家のヒロ・ヤマガタと一緒。イルカのラッセンだって、自分の評価の空気感やアーティストとしてのポジションについて、知っているはずです。バカではありませんから、むしろ利口!」

「まあ、ラッセンは今でも人気はあるけど、サーファーの女の子とか、アートをよく知らない子がキュートなイルカのジグソーパズルとか買っているよね」

「そうです。それは米国でも同じです。でも、僕はラッセンもヒロ・ヤマガタも否定しません」

「なぜ」

「みんな、ピカソのマネばかりしているからです」

「まあ、ごく最近の美術史に残っているアーティストは、ピカソの模倣みたいなヤツが多いからな。ベーコンも、デクーニングも、池田満寿夫も岡本太郎も、ピカソの影響無しでは存在しない。バスキアも、シュナーベル（ニューペインティング）。クッキやクレメンテも同じか（イタリアの３Ｃ）！」