やる気が出る3つの DADA

Jack Seisex

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NEW「101回目のプロポーズ/ゴミ小説61」

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「ブロロ……」
 フェラーリは首都高速を突っ走っている。

 カーステレオからは、80年代のシティポップ。

 山下達郎の代表作。

 こともあろうに『RIDE ON TIME』だって

『ブロロ』
 真っ赤なポルシェが視界に飛び込んでくる。

『はーい』
 隣のレーンを並走するポルシェの運転席から、金髪美女が手を振っている。


(おいおい、マジどうーなってんの?)

 これじゃあ、モテ男だよ、俺。

 全然、ビンボー・前衛アーティストじゃないよ、じゃない。じゃない。

『ブロロ』
 俺はアクセル(アクセルローズ)を踏みながら、動揺している。

 これは“とーぜん”である。この設定シチュエーションって何さ。あんたがたどこさ

 こんなのさ。この小説が始まって以来、なかっただろ。

 たしかにさ、俺はマスクを脱ぐと、ハンサムでモテすぎる。作品が目立たないのでマスクを被っているのも事実だ(←マジで?)

 ―――  ――  ―― ―― ―

 首都高から見る東京の空は、光り輝いているようだった。

 キラキラした鈴木英人の素敵なイラストのようだ。

(ん?)
 ポルシェの金髪美女が、口パクで何かメッセージを伝えようとしている。

『か』

『っこ』

『い』

『い』
 金髪美女の口はこう読み取れた。しかも日本語だ

 ――かっこいい?

「かっこいいのか、おれって」

 とうとう、俺はハンサムなモテ男に変身してしまったようだ。というより、ようやく本領を発揮してきたというべきか(←マジで?)。

「何が起こっているんだろ」
 俺は呟いた。

『むぐむぐ』
 左手がうごめく。
「JACK。お祝いだよ。セレブレーションDADA」
 ヒダリンが答える。

「何の祝いさ?」

「5周年だ」

「5周年?」

「ああ。11月26日は、この小説が5年前にスタートした日だ。あと一か月ばかしで、ようやく5周年だ」
 ヒダリンは笑う。

「お祝いだから、ゴミ小説のテイストが変わったのか」

「そーだ。SODA」

「俺は、これからモテ男として生きていく宿命なのか?」

「そうだ。DJ・SODA。さっき調べたら、偶然、コブラ(寺沢武一氏)の主人公のサイコガンも左手なんだよ。だから、ちょうどいい路線」

「何がちょうどいいんだ?」

「まあ、ともかくコングラチュレーション5周年。やる気が出る3つのDADAめ!」
 ヒダリンがほほ笑む。

 気のせいか、ヒダリンもハンサムな“寄生どーぶつ”に変わったかのようだ。

 これから、どうなるの?
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